ゴマ
アタシ撮るの?
Mar. 16, 2009
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2009年3月16日 月曜日
すっかり春を感じさせる暖かさだ。花粉も黄砂もたっぷり飛んでいるらしい。
そんな中、打ち合わせで出掛けるハメになる。
今年はお出かけ用に、使い捨てマスクを準備した。
いまどきのマスクって、良く出来ているのね。蛇腹になった部分を、顔の立体に合わせて広げると、隙間が出来ずにいい按配だ。
使い捨てと言っても、一度で捨てるのでは勿体無い。つい何度も使ってしまう。外に出ている間だけだから、長時間は掛けていないし・・・そんなに汚れるものでもないし。
ケチかしら。でも、昔のガーゼのマスクを何度も洗っては使い続けた世代にとっては、紙製と言ってもやっぱりポンポン捨てられるものではない。
仔猫が飽きずに母猫を狙って飛び掛るように、しつこく追い掛け回すアンダから逃れて、ゴマは3段ケージの天辺で昼寝する時間が増えた。
何故かそこには身軽なはずのアンダも登って行かない。いまだにそこはゴマの聖域なのだ。
私がベランダに出ようとすると、ケージの上で寝ていたはずのゴマが私に声を掛ける。「にゃっ」とか「んっ」とか短く鳴いて、「ねえ」とか「ちょっと」とか言っている感じだ。
ただそれだけなのだが、「アタシの目の前を通るのに無視して素通りしないで」という意味だろうと勝手に解釈している。
サビ猫はお喋りだ。
茶トラや茶白もお喋りだと思うのだが、サビの方がより積極的な働きかけとしてのお喋りをしている感じがする。何たってサビが5匹もいるからね、我が家には。
みんな揃いも揃ってお喋りだし、性格的には我が儘で面白い。そしてちょっと複雑で豊かな感受性を感じさせる猫たちだ。
その中で一番シンプルなのは、イオかな。
野良で生活した経験が無く、母猫のおっぱいを飲んで育ち、きょうだい達と一緒に飼い主の手元で1年も育てて貰えたせいだろうか。
同じ野良経験がなくても、ジャムの場合は母猫を知らない。初乳すら飲んでいないうちに、ついさっき産まれました・・・という感じで身体が濡れた状態で捨てられていたそうだ。
姉妹と共に人工授乳で大事に育てて貰ったけれど、お母さんのおっぱいを吸った事がないという事が、ジャムのその後の性格を決定的に形作ったような気がしてならない。
ゴマはおっぱいを吸わせた側だ。
いつ眠っているんだろう?と思う位、四六時中仔猫たちを抱きかかえて守り、仔猫たちはゴマのおっぱいに競い合って吸い付いていた。
こんなにも母猫というものは甲斐甲斐しいのかと、アインの子育てでは見られなかった母性の強さを見せて貰った。
そして仔猫を全て里子に出してしまった事が、やはりゴマのその後を決定付けたのだろう。
あれから10年近くが経つのに、いまだにオモチャを見るとくわえて仔猫の居た部屋に運ぼうとする。
ドアを開けてよ、あっちにアタシの子供がいるのよ・・・とでも言っているかのように、ドアの前でオモチャをくわえたまま「ん〜ん〜」と私を見上げて鳴く。
切ない。
この事は何度か日記に書いたけれど、そんなゴマを見る度、ゴマのトイレ以外でのオシッコは、そのあたりも原因のひとつのように思えてならない。
ストルバイトでもなく、膀胱炎でもなく、わざとそうしている時のゴマもある。
私達はこの10年近くをゴマに詫びながら、ゴマの心に寄り添いたいと思いながら過ごして来た。ゴマが本当には何を言いたいのかは解らない。でも私達が一番解ってやっているという自負はある。
ゴマもそんな私たちを物凄く求めてくれている。許してくれていると思う、子供達を余所にやってしまった事を。
それでもゴマの母性は、ずっと見て来たのだ。小さかったジャムやマルコに・・・そしてアインに対してまで。
そのアインは一度だけ、既に里子に出した我が子を探すかのように鳴いた事があった。
西新宿のマンションに住んでいた頃の事・・・仔猫を里子に出して1ヶ月もしない頃の事だ。
その時、私はリビングで昼寝をしており、私の足元を誰かがパタパタ・・・と小さな気配をさせて隣のサンルームへと駆けて行った。
手元に残したジーコかと思ったけれど、ジーコは私の直ぐ傍らでミュウに抱きついて寝ていた。
ダイニングチェアで寝ていたアインが、その気配を追うように椅子から飛び降り、ダイニングからリビングを抜け、そしてサンルームへと小走りに去り、いつまでもサンルームでウロウロして鳴いた。
サンルームにはアインしかいない。私もアインも、同じ夢を見たのだろうか?
翌日、アインの仔猫「ブロッサム」の里親さんから、ブロッサムが突然死んでしまった事を知らされた。
アインは、その後横浜のこの家に越して来てからも、時々虚空を見上げてはいつまでも凝視していた。アインには何が見えていたんだろう。
私には見えないものを見ていたアイン。その見えないものは、アインを見ていたのだろうか。
アインは・・・そしてミュウやジーコ、マルコ、カワムラさん、みーちゃんは、私を見ているだろうか。私には見えない姿になった今も。
実は、ゴマは5匹産んだ。野良で雨の中、3匹。そして連れ帰ってから2匹。
連れ帰るまでに分娩の時間が掛かり過ぎてしまったのか、この家で生まれた最初の子は死産だった。蘇生を試みたものの、ついぞ息をする事が出来なかった。
せめてもと思い、強引にゴマのおっぱいをくわえさせてもみたが、僅かでも吸う事はなかった。
当時の日記・・・それはこの日記の黎明期なのだが、それを読み返す気にはなれない。
その子は、カワムラさんの桜の樹の傍にこうちゃんが埋めた。まだオスともメスとも判らない、ネズミの胎児のような茶トラだった。
他の4匹は全てメスだったけれど、どっちだったのかな・・・と今改めて思った。
ゴマとアイン・・・それぞれ性格は随分と違うものの、共通点があるとしたら、私が今よりも無知で野良猫の存在も気にしていなかった頃、そして野良猫の避妊をするなど思いもよらなかった頃、仔猫を一度だけでも産ませてしまった2匹だという点だ。
その後こんなにもたくさんの野良猫を引き取ったり家に入れたりしているのは、そして野良猫の避妊を進めるようになったのは、その過去の行為への贖罪という訳ではない。
それはそれ、これはこれ・・・
知らない事・自覚していない事は出来ないし、なすべき事を自覚・意識してから後にも出来ないとしたら、それは罪だ。法律には触れない事でも、自分の心に対しての罪だ。
どう頑張っても悔いの無い人生など送れないだろう。だけど、少しでも悔いが少なくて済むよう、自分を嫌いになったりしないで済むよう、気付いてしまった事はちゃんとやりたい。
まだまだ課題がたくさん残っている。元気でいなくちゃ。 |
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ゴマ
隙は見せないから
Mar. 16, 2009 |
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ゴマ
狙っても無駄よ
Mar. 16, 2009 |
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ゴマ
おっと、アクビが・・・
Mar. 16, 2009 |
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ゴマ
くしゃ〜
Mar. 16, 2009 |
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ゴマ
あらやだ!
Mar. 16, 2009 |
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ゴマ
にょほほ〜
(笑ってごまかす)
Mar. 16, 2009 |
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