猫雑記20090703

《CAT'S EYES & CAT'S HANDS》猫雑記

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テト

僕は撮られ下手

Jul. 3, 2009

2009年7月3日　金曜日

飼育中のアゲハの幼虫８匹の、その後の様子。

残り少ない山椒の葉にしぶとくしがみついていたイモ虫２匹を、無事にミカンの葉に移動させ、これで８匹全員がミカンの枝に引越しを済ませた。

ミカンの葉も美味しいらしく、モリモリ食べてたくさんウンコをしている。コチコチに固くて黒い小さなウンコは、白粉花（オシロイバナ）の種くらいの大きさと形状だ。

保護当時のウンコは仁丹粒ほどの大きさすらなかったのに、あっという間に本体もウンコも大きくなった。

２匹ほどが蛹になる場所を求めてか、葉のないところにも移動している。

そろそろ「く」の字に頭を曲げて糸を出し、キャタピラーのような足を枝から離して身体を吊り下げ、蛹になるのだろう。

今朝は、こうちゃんがミカンの枝を切って来てくれた。

頼んだ訳ではないのだけれど、私があまりにも藪蚊に刺されまくっているので気を利かせてくれたのだ。

「使える」夫を持つと結婚生活は楽チンだし、感謝の気持ちが今度は夫への献身のモチベーションも上げる・・・なんて言い方は回りくどくて変だけど、要するにお互いにお互いの為になりたいと思う気持ちが、良い連鎖へと繋がるという事かな。

夫婦間に限らず、他人との関係に於いて幸せな良い状態でありたいと願うならば、意識して努めなければならない事がある。

よく言われる「自然体」なんかで出来る事ではないかも知れない。

して欲しい事は先んじてこちらからする。

理解して欲しければ、相手を先ず理解するよう努める。

自分の存在そのものを受け入れて欲しいならば、相手の良いところも欠点も全てひっくるめて全てを受け入れる。

愛されたくば先ずこちらから愛する。

但し、言うは易し行うは難し。

それが上手く行かないからトラブルも起きれば、人間不信にもなる事があるのだろう。絶望する事もあるかも知れない。

だけど絶望は甘えでもある。

生きて行く事は苦しい。それでも生きる価値はある。その価値が見出せない人は、自分に理想を求め過ぎているのかも知れない。

対象は何でも良い、誰かの・何かの為にこの力を使ってみたら、そこから見出せる自分の存在意義は必ずあるものだ。

辛抱が出来ずに放棄してしまうから、自信も失う。苦しくとも続けていれば、必ず自分の存在価値が生じて来る。

その手応えはやがて自信となる。

つまり、他の新たな困難にも立ち向かう事が出来る自信だ。

美大受験を考えていた時期、受験準備にデッサンを繰り返した。

新しいまっさらな紙に向かう時、私には毎回ちょっとした絶望感があった。これから作り出さなければならない世界がとても遠くて、１本の線が描き始められない。

でも兎に角、間違った「線」であっても、先ずは自分の手で描き始めなければならない。

やがて何千、何万という細い線を積み重ねていくうちに、あるべき線と間違った不要な線が見えてくる事がある。そして修正していく。

ある程度満足がいく出来のデッサンもあったけれど、先生が後ろから私の積み上げる木炭の線を見ていて「貴女が今、何をしたいのかさっぱり解らない」と言われる事も多かった。

そういう時は、私にも何をどうすれば良いのか解らない。泣きたいような気分で、「兎に角続ける」としか言い様の無い作業を続けた。

受験の直前、いつものように後ろから見ていた先生が「今やっている事はとてもいいぞ」と言ってくれた事がある。

でも、４時間の時間内で仕上がったものを見て「白い石膏像というより、黒い金仏様だな」とも言われた。つまり、不要な線を描き過ぎていたのだ。

それでもたった１回この先生に褒められた事は、すっかり意気消沈して自信を失っていた私に、ほんのちょっぴりスタートラインまでやっと漕ぎ付けた程度の自信を取り戻させてくれた。

色々あって美大には進学しなかったけれど、あの時期、先生に黙って後ろに立たれて続け、自分でも何をしているのか解らないような惨めな作業を続け、やっと少し光明を見出せるまで試行錯誤した事は、その後の私の姿勢に大きな影響があった。

自信過剰だった少女時代、自分は何にでもなれると思っていた時代に、努力しなければ本当は何一つ出来ないような情けない自分だったのだという事を、身を以て知った体験だった。

今はもう、私は何ものにも変身出来そうも無い、初老に近い普通の人間だ。

だけど努力だけはしている。普通であり続ける、たったそれだけの為に。そけでも結構な克己心と辛さを伴うのだから情けない。

それでも努力していると言えるのは、元々が余程の怠け者だからだろうな。

テト

怒っていないのに

Jul. 3, 2009