《CAT'S EYES & CAT'S HANDS》猫雑記
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ルス

誰が美人だって?

Aug. 22,2009
ルス
2009年8月22日 土曜日

朝一番でTVの配達が来た。

良かった。午前中一杯、待たずに済んだ。



32インチが最もお手ごろ価格だった。店員のオジサンが、一番売れるサイズだからだと言っていた。

もっと大きいTVもたくさんあるけれど、何しろ高いし、狭い部屋には置けないし、画面までの距離が近過ぎて辛いだろう。

32インチですら、狭い部屋に設置してみるとかなり大きく感じる。

私にとっては、生涯最大サイズだ。かつて持っていて離婚時に置いて来たTVは、29インチだった。もう20年前の事だ。



折角だから映画を観ようという事になり、近くの【TSUTAYA】にDVDを借りに行く。

土日の【TSUTAYA】は混んでいて駐車場に入れないかと思ったけれど、午前中だったせいか空いていた。



私達の観たいような映画がなかなか無い。

やっと4本選んで借りた。



映画を観ながら食べるのに、パン屋でサンドイッチを、隣のコンビニでポテトチップスとコーラを買う。準備万端だ。

とりあえず軽そうな1本から観ようと思ったのだが、結果的には全然軽くなかった。

3時間たっぷり、しかもびっしり科白とナレーションがダブルで入る構成で、瞬きしていると読み逃してしまうから両方の字幕を追うのに疲れて、途中2度休憩した。





食べながら観る作品ではなかった。

息をつく間もない位に一部の隙も無いし、テンポが速い。暴力的な場面も多く、血もたくさん流れる。

しかし主演のロバート・デ・ニーロの風格と個性と(言うまでも無いが)演技力とで、本当に見応えの有る大作に仕上がっている。



作品は【カジノ】。

原題:【Casino】

邦題:【カジノ】

監督:マーティン・スコセッシ

公開:1995年(日本公開 1996年)

アメリカ映画

カジノがまだギャングに支配されていた頃の70年代のラスベガスで、天才的なギャンブラーからカジノの支配人に抜擢された「エース」ことサム・ロススティーンを、名優ロバート・デ・ニーロが演じる。



10年前からのドラマが展開されるのと同時に、主だった出演者のナレーションが説明的に入る。ドラマの科白とナレーションの字幕を同時に読むのはその為だ。

慣れるまではちょっと違和感があったのだが、やがて慣れる。慣れない事には、複雑な人間関係やスピーディな展開が理解し難いかも知れない。



そしてドラマの展開とナレーションとで、我々観客はカジノの様々な仕組みを知る事になる。



サムのカジノ運営手腕には妥協も隙も無く、カジノの客は彼の経験と信念に則り、賭けを続ければ続けるだけ金を吐き出す結果となる。

ギャンブルで胴元が損をする事など有り得ない事を改めて理解する。



彼はイカサマをする客には容赦が無く、イカサマを見破る係の男たちは、かつてイカサマ師だった連中が雇われている。

カジノの莫大な儲けの一部は、マフィアのボスたちに定期的に上納され、組織の重要な資金源となっている。



ユダヤ人のサムは堅実で疑り深く、決して無謀な賭けはしない。情に流される事もせず、長年の友人(ギャングの下っ端だが)にも言うべき事はきちんと言うし、役立たずの従業員はたとえそれが大物の役人の親族であっても容赦なく解雇するし、






そうしてボスたちからの信頼と経営手腕による地位を築いて行ったのに、ある事をきっかけに人生の賭けに失敗する。

それは、サムのカジノでチップ詐欺をしていた美人ギャンブラーのジンジャーに惚れて結婚してしまった事だ。



唸るほどの金と宝石の山、高価な毛皮やドレス、そしてたとえ結婚が破綻しても安定した生活を与えるとの約束を与えて妻にしたジンジャーは、サムに心満たされた生活と家族としての信頼関係や幸せをもたらしはしなかった。

あれほどに堅実な男が、どうして美貌だけに目が眩んで、危ない人生の掛けに出てしまうのだろう?そこが男と女の理屈では割り切れない困った部分だ。





そしてもう1つの番狂わせは、サムのシカゴ時代の友人だったマフィアの下っ端のニッキーが、サムの相棒兼用心棒としてベガスに移って来た事だ。

チビのニッキーは血の気が多く、凶暴で人を殺す事など朝飯前だ。

トモダチのサムをからかった客を、ボールペンでメッタ刺しにしてしまう。裏切り者を拷問して白状させるのに、3日間殴り続けて抗がんをアイスピックで刺し、それでも白状しないとなると頭を万力で締め上げる。最後は「殺してくれ」と言われて、手下が喉をナイフで掻き切る。

恐ろしい。演ずるはジョー・ペシ。高い声でまくしたてながら、平然と人を殺す。



そしてこの「小さな狂人」ニッキーが、サムの妻でありシャブ&アル中のジンジャーの相談相手から愛人となったあたりから、この三角関係の人間模様は最悪のものになって行く。



FBIに悪事の証拠をつかまれたカジノとマフィア関係者は、口封じの為に身内からそれぞれ命を狙われ、何の予告も無くマフィアのボスたちに殺されて永久に沈黙する。

見境無く悪事を働くイカレたニッキーは、カジノの新しい傀儡マネージャーとなった弟と共に、マフィア仲間に金属バットで全身メッタ打ちにされて生き埋めにされる。



マフィアのボスたちも、それぞれ告発されて服役する事にもなる。



サムの金を持ち逃げしたジンジャーは、ヤクの売人にヤバい強いクスリを打たれて野垂れ死にする。夫の信頼に応えず、可愛い娘もいるというのに、金と酒とヤクに溺れて自らを破滅させて行く美貌の妻・・・どうしてそんな事になって行くのか解らないが、要するに「愛」がなければどんなに金があろうと幸せではないという事なのだろう。

そういう意味では、このすれっからしのシャブ中オンナは、意外と純粋なのかも知れない。自分が愛するものに愛されるのでない限り、決して幸せではないのだ。可哀相なジンジャー。



こうして誰にも救いの無い結末となるのだが・・・







しかし、こういう金と酒と麻薬に溺れたヒステリックな役をやらせると、シャロン・ストーンは本当にピッタリだ。

真面目で地道なギャンブラー 豪華な毛皮を抱き、宝石を着けまくる新妻



サムも車に爆弾を仕掛けられて命を狙われる。

しかし運良く命拾いして生き残る。それは彼が信じなかった「運」であり「ツキ」のお陰であるところが皮肉ではないか。

そしてサムはベガスを去り、元のノミ屋に戻るのだった。

しかしラストシーンで、そんなノミ屋の今の生活に「結構満足している」と言うサム自身の言葉は、いかにも堅実で地道なユダヤ人のサムに相応しい科白だ。




エンドロールに名曲【スター・ダスト】が流れる。

「スターダスト」は、この作品中のカジノ「タンジール」のモデルとなったカジノの名前でもある。登場人物も全て、名前は変えてあるものの実在するそうだ。



暴力的なシーンも多いものの、これはギャング映画ではない。

サムとジンジャーという男女の、やりきれないような人間ドラマであり、ラスベガスの一時代を描いた歴史ドラマでもある。

ハードで見応えもあるし、渇いた悲哀に満ちている。人生は切ない。



観終えた後も、なかなかその後味が消えなくて困った。
ルス

アタシの方が上よ

Aug. 22,2009
ルス
ルス

ヤク中じゃないしね

Aug. 22,2009
ルス

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