猫雑記20090910

《CAT'S EYES & CAT'S HANDS》猫雑記

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ジャム

まだここに居る

Sep. 10, 2009

2009年9月10日　木曜日

肌寒い位に涼しい朝だ。

昼間も、カラッと晴れて気持ち良い一日だった。蝉はまだ鳴いているけれど、空気の匂いはすっかり秋だ。

先日、脳科学者の茂木氏が、悲観的になっていると脳は上手に活動しないのだと言っていた。楽観的でいないと、脳がその能力を存分に発揮しないという事だ。

科学的な根拠は知らないけれど、以前からこの事は実体験で知っていた。

成功するイメージ、或いは自分が望ましいと思っているイメージをしっかり持って、後はなすべき事をしっかりやり尽くす・・・それが良い結果を出す秘訣だと信じて、人にもそう言い続けて来た。

里親募集はなかなかに難しいものだと、１０年続けてみてもやはりそう感じる。

それは命のやりとりでもあると同時に、人と人との心の駆け引きでもある。誠実なつもり・・・というだけじゃ成功しないし、運にも恵まれないといけない。

相手の心を想像し、相手の価値観も大切に思えなければ、そもそもやりとりも上手く出来ない。かと言って営業慣れした百戦錬磨のツワモノだったら上手く行くかと言えば、そんな事も無い。

一刻も早く手放したいと焦る気持ちなどもっての外で、そんな焦りが良い結果を産む事など有り得ないだろう。

里親詐欺に遭うのが必ずしもこのケースだとは言わないが、人間関係・信頼関係の構築が不充分であったならば、身分証明書の提示や誓約書など取り交わしても意味が無いと私は思っている。

インターネットでの募集だから危険だという事ではなく、どれだけ心と心の交信や価値観の擦り合わせが出来て、ずっと付き合い続けたいと互いに思える関係になれるかどうか・・・そこが大切だからこそ、里親募集は難しいアクティビティだと思う訳だ。

しかし、だからと言って保護する事や里親募集の行く末に悲観的になっても、何一つ良い事などない。

貰い手がつかなかったら、うちには絶対残っては困るから・・・限りなくそんな言葉を耳にして来た。でも、端からそんなネガティブな気持ちでは、良い募集活動は出来っこない。

募集からにじみ出て来る保護主・募集主の気概は、自ずと解るものだ。

前向きで明るい人柄は誰にでも安心を与え、信頼され、何よりも人に好かれるだろう。

赤ツナギさんがあれだけたくさんの猫を保護し、他人の保護猫まで預かって下さり、そしてじっくり募集に取り組んだ結果とは言え、大人猫でも素晴らしいご縁を得ているのは、彼女の楽観的で前向きな人柄、そして理解と実力のある伴侶を得だけの事はある魅力ある女性・・・いや、人間だからだ。

ご主人も元々「使えるオトコ」だっただろうが、その力を発揮させるのは赤ツナギさんという奥さんが、毎日懸命に全身をフルに使って生きているから・・・そしてその姿が何ともチャーミングだからだ。

間違いない。

今夜、ある仔猫が幸せなご縁を戴いた。

それは１メートル５０センチもの洪水が来たら水没してしまうだろう「小さな巨人」ウチダさんの保護猫、アルテミス君だ。酷い状態で保護し、懸命にケアしてすっかり綺麗になった。

募集前に決まったのは、同じ猫仲間の紹介のお陰だった。

その猫仲間「もも・クリ」さんは、今年の夏、やはり酷い状態だった猫を立て続けに２匹保護していた。

どちらも甘ったれの瀕死の黒猫で、その子たちは手厚いケアの末やはりすっかり元気になり綺麗になって、たくさん悩んだ末、それぞれもも・クリ家の９匹目と１０匹目の我が子にして貰っている。

もも・クリさんは、自らの手で保護した猫ばかりを１０匹も飼っている。ここ数年は、毎年何十匹もの野良猫を捕獲しては避妊して来た。

ウチダさんは、車を運転しないもも・クリさんが捕獲した猫の搬送を、遠くて手伝いに行けない私の代わりに何度も手伝ってくれた。

そういう繋がりの中でアルテ君に戴いた素敵なご縁だった。

もも・クリさんはまた、赤ツナギさんの保護猫「モー助くん＆メイちゃん」にも、ご縁を繋いでくれた事がある。

そしてウチダさんは、赤ツナギさんの最初の捕獲の際にも、やはり遠方で手助け出来ない私の代わりに、捕獲器の貸し出しと助っ人をしてくれたのだった。

また別の機会には、赤ツナギさんの保護猫を預かり、我が子にしてくれた経緯もある。

複雑な絡みのようだが、その時々に於いては、シンプルな友情と好意のなせる業だったと思う。

みんなそれぞれ忙しい仕事を持つ人たちだし、家には一杯猫がいるから、滅多に会える訳じゃない。

遠くで掛け声だけ掛けている私ではあるけれど、前向きで楽観的な人たちとこんな風に繋がる事が出来て幸せだと思う。

楽観的な人たちバンザイ。

関東も負けていられない。

大五郎の保護主イガラシさんや、捕獲・避妊を頑張っているたまきさんやサイジョウさん、マーゴや福ちゃんの保護をしたまゆみさん、テツちゃんファミリーやニーニの保護主のウエハラさん・・・

ご近所に捕獲・保護仲間が増え、それぞれがそれぞれのペースで成長している事が嬉しい。私も退化しないよう頑張らなくちゃ。

そうは言っても、その実、心の中には嵐が吹く事だってあるかも知れない。私だって、神経痛とは関係なく悶々として眠れぬ夜を過ごす事だってあったような気もする。

でも、むざむざ悲観的になって遺恨を残し、自分の限られた人生につまらない悔いを残したくない。

奇跡を起こす事が出来るとしたら、先ず楽観的に構え、やるべき事を心得たら迷わず身体を動かし、やるだけやって、そして改めて楽観的で天命を待つ事だけだ。

勿論、逆は真ではない。

どれだけ努力しても、最初に願ったような結果が出ない事だってある。

でもそれはきっと、それが一番自然であるべき姿だったのだと思えば良い。

懲りてしまって次回に悲観的になっては、元も子もない。懲りない馬鹿でいる事が、幸せをたくさん掴む秘訣だと思えるようになって来た。

間違いない。

ジャム

だって
飽きないもん

Sep. 10, 2009