猫雑記20091221

《CAT'S EYES & CAT'S HANDS》猫雑記

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ジャム

ジャムの砦はここ

Dec. 21, 2009

2009年12月21日　月曜日

今朝も寒かった。

完成した隣の家の屋根がトイレの窓から見える。その屋根がうっすらと凍っていた。

今日は、問題の玄関前の車寄せスペースのアスファルトの補修で、昼から業者が来た。

傷んだ部分を掘り起こしてから、新たにアスファルトを敷いて固める。

継ぎ目の無いようにするには駐車スペース全てを舗装し直したいところだけど、傷みの酷かった一部分プラスアルファで手を打った。お金が掛かる事だから妥協するしかない。

ものの１時間で全て終了。

アスファルトが固まるまでは、暫く車の出入りをしないで下さいと言われる。

それはそうだ。

私達は慣れているから一発で出し入れ出来るけれど、余所の人が停める場合、何度もハンドルの切り替えしをしないと入れられない・出せない場合が多いから、固まる前に出入りされたりしたら、またあっと言う間に掘り起こしてしまうだろう。

尤も、アスファルトが固まってからだって、いずれは掘り返されてしまうのだ。時間の問題、出入りの回数の問題だ。

でも、年末にすっきり補修出来て良かった。

しかし・・・業者が来る少し前に電話があった。向かいの老婆からだった。

昨日来訪者に一言申し上げたので、その事で何か言って来たのだろうと思った。

電話はこうちゃんが受けた。

「奥様に代わっていただけますか？」と言うので、こうちゃんが「今、ちょっと手が離せない作業をしているので、代わりに承りますが・・・」と言ったところ、強引な口調で「じゃあ彼方、出て来て下さいよ、玄関まで」と迫ったそうだ。

そうでなくても、日頃からの態度にムカムカしていたこうちゃんは、なんちゅう言い草だよ・・・と呆れながらも、穏やかに「ご用件は何でしょう？」と言った。

「奥様にお手渡ししたいものがあるので、奥様に玄関まで出て来て下さるよう言って下さい」と言ったそうだ。

亭主は口うるさいけれど、奥様（私の事か）だったら御し易いと思ったのだろうか。

それは違うぞ。「逆」でも無い。同じなのだ、うちの場合。

二人して玄関まで出たものの、誰も居ない。家の周辺を見渡しても、誰もどこにも居やしない。

暫く待ったけれど姿を現す気配も無いので、こうちゃんが老婆の家を訪ねた。やっとそれで姿を見せた。

老婆とは言っても、実家の母より４歳ほど上なだけだ。ヨタヨタした私なんかより、遥かに達者なものだ。

こうちゃんに後の対応は任せて、私は家の中に戻って作業を続けた。期限がある仕事の真っ最中なのだから、実際。

老婆は日頃からとても饒舌で、今日も顔を見るなり一気にたくさんの事を言ったようだ。

「昨日、電気の業者が来て、アレ（駐車ご遠慮下さいのコーンの事だ）を退かして半時間ほど停めさせていただいたと言っておりました」といきなり切り出した。

こうちゃんは「それは嘘でしょう」とも言えないので、「ご親戚の方だと仰っていましたよ、お名前も伺っていますけどね・・・＊＊さんですよね？」と言ってみた。

すると今度は、「どうにもご連絡が取れないので、停めたと言っておりましたのよ」とケロリ。お見事としか言い様が無い。

「いや、先ほどお電話戴いたように電話して戴ければ、即座に退かしますから」とこうちゃん。

「娘が是非これをカワグチさんに・・・と持って来ましたので・・・」とリンゴ２個と菓子パン２個の入った紙袋を渡そうとしたので、それは丁重にお断りした。

会っても挨拶もしない娘が、わざわざカワグチさんの為にリンゴ２個と菓子パン２個なんか届けるだろうか？

その娘は一週間前に来て以来、昨日の親戚（息子？）以外誰も来ていないじゃん。

ま、それが「嘘も方便」というものだろうとは私にも理解出来る。

「毎日車を停められて、よく辛抱なさっていらっしゃいましたわね」とか「うちも＊＊に住んでいた時は、お宅様と同じ目に遭っていたので、お気持ちは良く解りますのよ」と言っていたそうだが、それなら何故、されて嫌だった事を今度は自分でするのか。

理解に苦しむ。

私達としては、何が何でも車を停めさせたくないという訳ではないのだ。

縁あってご近所に暮らすようになった者同士、お互い気持ち良くお付き合い出来るようにしましょうよ、と言いたいだけだ。

でもそうは露骨に言えない。

だからもう一度、優しい口調で停める前にお電話戴ければ、直ぐにコーンを退かしますから・・・と伝えて帰って来た。

老婆は「奥様に、お茶を飲みに来て下さるようお伝えくださいね」と言ったそうだ。

そういう社交辞令は大事なんだろうけれど、残念ながらご近所の老人のお相手をする時間の余裕が無い。

理想としては、ご近所ともマメにお付き合いし、野良猫が問題視されないような地域づくりをすべきだろうと思う。

だけど理想とする事全てを実践することは不可能だ。

気持ちよく駐車させて差し上げる事とか、会えば笑顔でご挨拶する事とか、困っていれば出来るだけ助け合うとか、その程度の基本的な事しか出来ない。

とても８０歳の方と茶飲み友達にはなれないのだ、今は。

実は姑が生きていた頃、この老婆はたまに我が家に来ていたのだが、何しろ長いのだ、一旦上がりこむと。私も道端で出会うと、長話に付き合う羽目になって困った。

無理だよ、現役世代とリタイアした者とのお付き合いは。

こうちゃんが優しい人を演じると本当に優しい人に見えるから、常々大した演技力だと思う。

しかし、理不尽な事に対してはリスクを厭わずに発言する人ではあるものの、生来優しい人なのだし、「演技力」とだけ言ってしまうのは可哀相だ。

演技がちゃんと通じるという事・・・それも不思議な事ではないのかも知れない。

私がこうちゃんの部下だった頃・・・営業の心構えを教えられた時、幾ら言葉遣いを最上級に丁寧にしようと、笑顔を作ろうと、それが心から発せられた言葉でない限り、相手には通じないと言われた。

実際、その通りだと思う。

今回、こうちゃんが寂しい時間を持て余している老婆にどこまで優しい気持ちで接したのかは量りかねる。

だけど、常識的な態度であっただろうという信頼はある。

決して感じの悪い人ではないのだ、うちの亭主は。

ジャム

お外の猫、居ないね

Dec. 21, 2009