猫雑記20100808

《CAT'S EYES & CAT'S HANDS》猫雑記

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ペロ

ガラ姉ちゃ～ん

Aug. 8, 2010

2010年8月8日　日曜日

生きていたら、父は今日で８５歳になるはずだった。

死に目にも逢えず、葬儀や納骨にも参列出来ず・・・そして間もなく新盆がやって来る。

４月の死から時間の経過と共に、父の存在をより一層強く感じるようになっている。

父だけではない、母は存命だが、この両親から生み出して貰った事、与えられたもの、価値観、好き嫌い、判断の基準・・・全てが父と母の細胞とＤＮＡを濃く受け継いでいる事に改めて気付かされる事ばかりだ。

どれ程、多くの有形無形のものを与えられていた事か、そして共に暮らしていた１９年間も、離れて暮らすようになってからの３４年間も少しも変わる事無く、どれだけ守られていた事か・・今更のように感じる。

それを思うにつけ、泣きたいような気分になる。

父は身体を失った今も、まだ娘の私を守ってくれている。

私の中にある価値観や生き方は、自分で苦労して身につけたような気になっているけれど、それは知らずに父の軌跡を辿ったに過ぎないような気もしている。

いや、それどころか私の細胞のひとつひとつが、父と母のそれから出来ているのだ。何一つ、自分で得たものなんか無い。

ましてやワインなんかで出来上がっているはずも無い。米でもない、肉でもない、全てが父母の一部から成り立ち、その細胞のひとつひとつに父母の意思が生きているのを感じる。

但し、色んな人から栄養を戴いた。こうちゃんはその筆頭であり、父の手を放れてからはずっと私を守ってくれている。何と言う幸せモノなのか、私は。

いつの日か、そのこうちゃんとも死別するのかと思うと恐ろしい。どちらが先か解らないけれど、もうあと２０年もすれば必ずお別れはやって来るのだ。

私は誰かをそんな風に守れるだろうか。

誰かに意思を受け継いで貰えるだろうか。

それだけの事を誠実に出来ているだろうか。

父に伝えたい。どれ程感謝しているかを。

生きている間に伝えられなかったこの想いを、いつかあっちの世界で会えたら伝えたい。

でも、父はちゃんと知ってくれていたと思う。

そう思えるだけの父の血と生き方が、私の中にしっかりと脈打ち根付いているのを感じるから。

せめて母には、生きている間に何度でも感謝の想いを伝えておこう。

母もちゃんと知っていると思うけれど。

昨夜の深夜の映画で【ニュー・ワールド】を観た。

2005年製作
監督　テレンス・マリック

ディズニーのアニメ映画【ポカホンタス】でお馴染みの、アメリカ先住民族の娘「ポカホンタス」の物語である。

と言っても、私はディズニーアニメは観ていない。

実話をベースにしており、イギリスにしろスペインにしろ、大航海の目的とその後の侵略の歴史を思うにつけ、今更あまり見たくない背景の作品だったのだが、眠れないままつい観てしまったというのが正直なところだ。

未開拓の大自然の情景を登場人物の心象風景と重ねるが如き映像はとても美しいし、少ない科白で作品全体がとても叙情的なのだが、私には大して面白い映画とは思えなかった。

ポカホンタスが部族から家族からも追放されてまで恋する男「ジョン・スミス」が、私には少しも魅力ある男に見えないのが致命的だった。

一番の収穫は、クリスチャン・ベールが見られた事かな。

そう、あの【太陽の帝国】で主演の少年「ジム」を演じていたあのクリスチャン・ベールだ。

当時は１３歳だった彼が、もう中年に差し掛かっているなんて・・・時の経つ早さに愕然とする。

ヒロインが恋するスミス役よりも、スミスが死んだと聞かされて結婚する相手役のクリスチャン・ベールの方がずっと素敵だ。

ま、これは濃い顔があまり好きじゃないという個人的な好みの問題だろうけど。

「薄い」顔のクリスチャン・ベールが、この作品では珍しく見せている優しい表情が良い。

ゆっくりと彼女の心が開くのを待ち、全てを受け入れて丸ごと愛そうとする優しい男を伴侶に得て、ポカホンタスは時代と運命に翻弄され続けたとは言え、幸せのうちに死んだと私は思った。

因みにクリスチャン・ベールが初めて映画に出た件の【太陽の帝国】は、私の好きな映画のベスト１０に入ると思う。

今でも好きだ。

すっかり更新出来ず、映画に関しては専ら「猫雑記」で書いておしまいにしてしまっているけれど、サイト開設当時に設けたコーナー「映画雑記」でも【太陽の帝国】に関しては写真と拙いコメントを載せているので、宜しかったらそちらもご参照下さい。

>>こちらです。

ペロ

こっちおいでよ～

Aug. 8, 2010