《CAT'S EYES & CAT'S HANDS》猫雑記
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レン

もしかして
僕のせい?

Aug. 14, 2010
2010年8月14日 土曜日

やっと寝られる・・・という時になると、慢性疼痛が酷く痛む。

同病の者はみんな同じ事を言うところをみると、やはり他に集中する事が無い時には痛みを強く感じるものなのだろうな。

どんな体位をとっても痛みが出るので、そんな時には無理して眠ろうとせず、なかなか観られずにいたDVDの映画を観て過ごす事にした。



妹よ、以前に送ってくれた【プライドと偏見】を漸く観たよ。

そして面白かったよ。

もっと以前に送ってくれた本を読んでいたから、尚更楽しめたよ。有り難う。




邦題 プライドと偏見
原題 Pride and Prejudice

監督 ジョー・ライト
2005年製作
イギリス映画

原作 ジェイン・オースティン



エリザベス・・・キーラ・ナイトレイ
ダーシー・・・・マシュー・マクファディン
Mr. ベネット・・・ドナルド・サザーランド
キャサリン夫人・・・ジュディ・デンチ

舞台は18世紀末のイギリスの田舎町。

ベネット家には5人の娘がいる。女性に相続権がない時代の事で、父親が死んだら家も土地も遠縁の男子が継ぎ、娘たちは路頭に迷ってしまう。

母親は娘たちを資産家の男に嫁がせたくて必死だ。



そんなある日、この田舎町に独身の大富豪ピングリーが引っ越してきた。

そして舞踏会の夜、美人の長女ジェーンはピングリーと忽ち惹かれ合い、次女エリザベスはピングリーの親友ダーシーと出会った。

この出会いこそが、この物語の主軸となって行くのだが、当初エリザベスはダーシーの気難しげで高慢な態度に強い反感を抱く。

更にはちょっとした誤解から、ダーシーへの嫌悪感はますます募っていく。しかし同時に、お互いが惹かれ合い始めているであろう事は、観ている私達にも少しずつ伝わってくる。



誤解やすれ違い、そして度重なる偶然といった紆余曲折を経ながら二人の恋物語は進んでいくのだが、それは観てのお楽しみ。

若い二人が、静かに抑えた演技でお互いの心の揺れを表現しており、それがなかなか心にしみる。

やはり恋愛ドラマの主人公を演じる役者は、このように誰の目にもチャーミングでないといけないと改めて感じた。




ダーシー氏の裕福な叔母(もちろん上流階級である)の前で苦手なピアノを弾く羽目になってしまったエリザベスに対し、その叔母「キャサリン夫人」はこんな言い方をして辱めようとする。

(当然、ピアノのレッスンだってしてくれるはずの)ガヴァネス(家庭教師)はやめてしまったの?」と。

エリザベスは堂々と答える。「ガヴァネスは(もともと)いませんでした」

夫人は呆れ、いかにも馬鹿にしたような表情を露骨にするのだが、エリザベスは悪びれず、そんな事では彼女の誇りは失われていないように見える。



上流階級の子女であれば大抵は素養として身につけているはずのピアノなのだが、エリザベスだけではなく、彼女の妹も一生懸命独学でピアノを練習しているが、やはり指導者がいない為にそう上達していない様子が描かれている。

ガヴァネスは、読み書き算術の他、外国語やピアノなども教える。

多分、ベネット家にはそんなガヴァネスを雇う程には余裕が無かったのかも知れない。しかし家にピアノは持っているのだ。



母親が無教養で品格に欠け、更には躾をしてくれるガヴァネスもいなかったが為に、5人の娘のうち長女のジェーンと次女エリザベスを除いては教養に乏しく行儀が悪い。

その母親と妹たちの品性の無さが問題視されて、折角「いい感じ」になっていた長女ジェーンとピングリー氏との結婚を、ダーシーは阻止しようとしたのだ。



この微妙な階級格差に関しては、いつかここでも書いた【不機嫌なメアリー・ポピンズ】に詳しいので、関心の有る方は是非ご一読なさっては如何だろう。

私も良くは知らないけれど、かいつまんで分類すれば、貴族や大地主などの上流階級(アッパークラス)、そして中流階級(ミドルクラス)にはアッパー・ミドル、ミドル・ミドル、ロウアー・ミドルがあり、アッパー・ミドルは聖職者、研究職、法律、医者、軍隊の士官クラス、金持ちの商人などから成り、「Sir」の称号で呼ばれる准男爵もここに入る。

なんと複雑な事か。

ロウアー・ミドルクラスといえば、事務職や小規模な商店経営者を指すらしい。



特にジェイン・オースティンの作品に関して言えば、この階級差による意識のあり方を理解しない事には、登場実物たちの心の動きは細かいところまでは解らない。

ましてや、予備知識なしに粗筋だけを追って観て、貧しいければプライドばかり高い農家の娘が大金持ちの貴族と出会って結婚しました・・・などと大いなる勘違いをしてしまう可能性だってあり得る。

全くもって、そうではないのだ。これはジェントル階級同士での、更にそこに存在する階級と経済的格差がもたらすエピソードを散りばめたロマンスである。



爵位こそないものの古くからの名家で伯爵家と姻戚関係があり年収1万ポンドの財産が有るダーシー家、さほど名家ではないが富裕な親戚が多く年収5000ポンドの財産を持つビングリー家、地主で下層の上流階級ではあるものの中流階級の親族を持ち年収2000ポンド程度のベネット家では、かなりの階級的意識格差が存在している。

しかし階級が微妙に違うとは言え、ベネット家も一応はジェントル階級の末端に位置しており、決してワーキングクラスという事ではない。

家には使用人もいるし、小作から上がる僅かながらの収入もあるのだろう。だから父親は仕事をしていない。この階級の人たちは、仕事を持つ中流階級とは違い、働かない事を誇りとしているのだから。



但し、裕福ではない事は年頃の娘達の慎ましい服装や暮らしぶりでも解る。

階級と経済的な豊かさが必ずしもイコールでない事は、映画【テス】など観ても解るだろう。


但し、この作品の人々の階級の解釈に関しては、「上流」と言ってしまって良いのかどうか、イマイチ良く解らない。ミドルクラスに於ける、アッパーミドルとミドル・ミドルとの格差なのかも知れないのだ。

そこのところは、ちょっと大目に見て戴きたい。そもそも私に、18世紀のイギリスの複雑な階級の仕組みが厳密に解るはずが無いのだ。






大筋としては他愛も無い恋愛物語である事は確かなのだが、そういう事とは全然違うところに作者のこだわりが存在していて、それがスパイスを効かせたドラマとなっている。

我々ニホンジンには理解し難い階級意識やこだわりと言えなくも無いのだが、このあたりを予め知識として持って観ると、細部まで楽しめる事は確かだ。





裕福だけど階級的には高くないロウアー・ミドルもいれば、ジェントル階級でもベネット家のように貧しい家もある。

しかし流石、上流のプライドは高く持ち合わせており、エリザベスはダーシーに対しても、その叔母の見下すような物言いに対しても、決して卑屈にはならない。

毅然と、尚且つ品性を高く保ちつつ対応し、自らを卑下するような言動には出ないのだ。

エリザベスは一目見て心惹かれるくらいには美しいけれど、そういう誇り高く品性に優れたところにこそ、ダーシーは惹かれたのだろう。






余談だが、ダーシーの叔母「キャサリン夫人」・・・どこかで観た事のある顔だと思ったら、【ショコラ】に出て来たあの老女だ。

怖い顔だが上手い。

ヒロインのエリザベス役には、【パイレーツ・オブ・カリビアン】の「エリザベス・スワン」役でお馴染みのキーラ・ナイトレイ。

大きな目と、口角の上がった唇がとてもチャーミングだ。
ダーシー役にはマシュー・マクファディン。

この作品で初めて知った俳優だったのだが、古風で頑固な雰囲気が良く出ていて、とても良かった。

エリザベスたち5人の娘の父親役には、ドナルド・サザーランド。

若い頃から極めてエキセントリックな風貌だったが、年老いても変わらず凄い顔だ。

個性的な事に関しては、息子のキーファー・サザーランドなど全く及びもつかない。

今回、ちょっと奥田瑛二が入っていたかも。



なかなかに知的であり、娘に対しても愛情深く理解の有る父親ではあるのだが、妻や行儀の悪い娘をしっかり現実的に、且つ批判的な目で見ているくせに、自らが教育する気持ちは持ち合わせていないらしい。

それは上流階級の人間が負うべき義務「ノーブレス・オブリージュ」を果たしていないとも言える訳だ。



最初の出会いの舞踏会ではダンスは好きではないと言っていたダーシーが、次の機会に初めてエリザベスと踊るシーン。

多少の心の揺れが感じられるものの、もどかしい位に二人とも頑なで、男女間の節度を保ち続ける。

それがまた品が良いと言えなくも無いのだが。
ラスト近く、やっとお互いの誤解や偏見が解け、想いを確かめ合う夜明けのシーン。

と言っても、この映画には現代風のラブシーンは登場しない。接近も、せいぜいここまで止まりだ。

スレスレで止めておく方が、ずっとムードも色気もある事を再認識する。




昼間、マーゴの通院。

先週の検査の結果をよく聞いて、今回も腫瘍を小さくする為の薬を使う。

次回は5週間後に検査と治療予定。



大丈夫だよ、マーゴ。

きっと長生き出来るよ。
レン

僕は結構嬉しいよ

Aug. 14, 2010
レン

ギュウ〜ってね

Aug. 14, 2010

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