猫雑記20110830

2011年《CAT'S EYES & CAT'S HANDS》猫雑記

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トメちゃとお仕事

Aug. 30, 2011

2011年8月30日　火曜日

今日も暑い。

昼間は強い日差しが照りつけていたのだけれど、夜には雨が・・・。

水遣りの加減とタイミングが難しい。

水遣りと言えば、今日、妹から聞いた話。

妹の友達の娘の嫁いだ先が資産家の息子で、その息子の実家というのは、大層大きなお屋敷らしい。

そのお屋敷の庭の松の木に水遣りをするだけで、毎日、庭師が二人掛かりで２時間掛かるのだそうだ。

庭師も松の気に水をやるだけが仕事ではないだろう。

きっとあちこちの庭木の剪定をし、季節毎に花を植え替え、雑草をむしり、一日中仕事には事欠かないはずだ。

うちにも欲しいな、庭師。

一人で良いから。

でもうちの庭師は一日中殆どの時間が暇だろうから、パートタイムの庭師で良い。

一日１時間だけ。

時給はどれ位だろう？

１５００円（安過ぎるかな？）として、３０日来て貰ったら（休ませないのか？）月に４万５千円だ。

う～ん、やっぱり自分で水撒きと草むしり位やった方が良いな。

金持ちになった事がないし、この貧乏性は治らないだろう。

だけど、庭師は居るわ、お手伝いさんは居る、もしかしたら運転手は居る・・・家に他人がそう何人も居られては落ち着かない。

お大尽様もそうだけど、代議士の家なんかも、きっと落ち着かないだろうな。

来世も貧乏人の一般市民に生まれた方が気楽だな、きっと。

妹は、友達の娘の話の続きで、こうも言っていた。

舅は息子の一人を亡くして生きる張り合いを無くしていたから、息子の嫁に孫を産んでくれたお礼にと、文字盤の数字のところに１２個ダイヤの付いたロレックスをプレゼントしてくれたそうな。

私はそういう時計は欲しくないけどさ。

お金を貯めたらあれが欲しい・・・というような物欲も、生きる気力とか仕事をする張り合いを失わない為には必要なんだろうな。

いつか自分の家が欲しいと思っていたから、たとえリフォームでも家が持てるから念願は叶うけどね。

一緒に住むはずのママがいないのは寂しいけど。

次の目標はなんだろう・・・

でも、妹は純金のカルティエの腕時計を持っている。

１８年ほど前、久し振りで妹と会った時、妹の腕で控えめに光っているその時計に直ぐに気付いた。

「いい時計してるじゃん」思わず口から出た。

カルティエだなんて事は全然知らなかった。ブランドには興味なし、知識なしの私だもの。

ただその金色の按配が１８金よりも少しオレンジ色がかっていて深みが感じられ、何となく私の物欲をそそる光り方をしていたのだ。

シンプルなデザイン、小さくて目立たない時計であるところも良かった。

妹は「お姉ちゃん、目が高いね」と含みありげに言った。

それは当時の妹の婚約者だった男からの贈り物だった。

だけどその恋人とは結婚する事無いまま、いまだにお互い独身でいる。そして今も仲良しで、週に１～２度は一緒にご飯を食べたり、家の片づけを手伝わせたりもしている。

母が死んだ後は、その男は言葉少なに妹を支えてくれていて、それでいて二人とももはや長過ぎた春を通り過ぎてしまったのか、一気に晩秋・・・老人の友達同士のように見える。

どうなっておるのだ。

途中経過を知らないから、一気に晩秋・・・などと男女の機微には疎い姉は無責任な事を言ってしまったが、彼らにもそれなりの歴史があったのかも知れない・・・と言うより、あったに違いない。

誰にでも歴史はあるのだ。

ゴメン、妹よ。

貴女も大人になったんだね。多分、お姉ちゃんよりもしっかりした大人に。

だけどさ・・・一人で暮らしているのが心配なんだよね。

都合の良い言い草なんだけどね。

今からでも遅くないから結婚せよ・・・と姉は思うが、独身に慣れ過ぎた妹は今更もう誰かと暮らす事なんか面倒臭くて考えられないみたいだ。

それでも・・・とお節介な姉は思う。

母が死んでから、特にそう思う。

いや、それは今はどうでも良い。

純金の時計の話だったな。

兎に角、お姉ちゃん（私の事だ）は、「それ、お姉ちゃんに頂戴？」と語尾を上げ、出来るだけ可愛らしく罪の無い感じを装って言った。

日吉に当時あった「カプリチョーザ」で入口付近のテーブルに向かい合って座り、７００円くらいのランチをおごってやるところだった。

「やだよ」妹は即答した。

品の良い御嬢様タイプの妹だが、お姉ちゃんと話す時は子供の頃のままだ。お姉ちゃん相手に「いやよ」なんてスカした言葉は使わない。

だけど一瞬たりとも考えずに「やだよ」と来たよ。

そりゃそうだよな～普通、くれる訳ないよな～。

でもしつこいお姉ちゃんは尚も言った。

「じゃあ飽きたら頂戴」今度は語尾なんか上げず、命令口調である。

妹はまだ飽きないらしく、１８年経ってもまだ私にその時計をくれない。

チッ。

どうせ時計なんか貰っても、して行く場所は病院くらいしかないんだけどさ。

それも「まだかなあ・・・」と診察待ちをしている時に、苛々して眺めるしか用途は無いんだけどさ。

でも純金っていいな・・・と思う。

実は私は若い頃から、光りものが好きなのだ。

好きでも何でも、今から余計なものを買う事なんかあり得ない。

それに何かを犠牲にしてまで欲しいかと問われれば、全然欲しくない。

人生の終盤に差し掛かり、欲しいもの・買いたいものは殆どなくなって来ている。

猫たちと人間の生活必需品を切らさないよう買い揃え続けるだけで、精根尽き果てているのだ。

何でも買ってやるから何か欲しいものを考えろと言われれば（誰も言ってはくれないけれど）、オリーブグリーンの外国製の長靴が欲しいかなあ・・・ガーデニング用に。

でもこれはいずれ買うと思う。

だって、準必需品だし。ちょっと「たけぇなあ・・・」と思って買わずにいるだけで。

贅沢品で欲しいものを考えてみているが、ちょっと思いつかない。

陶磁器も漆器もガラス製品も、鍋釜も、欲しいものはみんな自分で働いて買った。震災で壊れてしまったものもあるけれど、残りの人生を地震が強制的に少し身軽にしてくれたのだと思えるようになってきた。

今手元に残っているだけでも、死ぬまでに使い切れないだろう。

もう欲しいものなんか無い。

野良猫をたさん入れられる大きな家が欲しい・・・と言っても、今より多い数がいたとしたら、もはや手が回らないだろうし。

今で丁度良いのだ。

いや、ちょっぴり頭数、多いかな？

でも仕方なかったんだ、こうするっきゃ。

いい歳してぬいぐるみなんて・・・いや、私は子供のころからぬいぐるみなんて殆ど持っていない、欲しくない子供だったのだけけど、この歳でもこれは嬉しかった。

【くるねこ】愚連隊の一人、私のお気に入り「トメちゃん」のぬいぐるみだ。

お尻の部分がジッパーになっていて、中身はトメちゃんのブランケットが入っている。

日記を見て、私がトメちゃんのファンである事を知ったある人がプレゼントしてくれたのだ。

嬉しさの余り、抱いて記念撮影して貰った。

嬉しいから仕事机に置いてみたり、仕事中に膝に乗せてみたり、ベッドの枕の上に置いてみたり、母にもお供えしてみたりした。

ジャムに抱かせようと思ったら、嫉妬したのか「うう～ん」と鳴いて、あっちへ行ってしまった。

疲れて振り返ると、そこにトメちゃが居る。

いや、ぬいぐるみなんだけどね・・・それでも嬉しい。

５４歳なのに。

ところで、私がチャラい格好で失礼。

私の夏の「勝負服」と思って下さい。

「勝負服」と言っても「男」との勝負ではありませんよ。まさしく気合いを入れた「仕事着」という意味です。

100均で買ったんだけど、とても着心地が良くて重宝している。

今年の夏は、家では殆どこの格好で過ごした。

ボトムは妹のお下がりのデカパン・・・いや、ショートパンツというのかな・・・それとも夏物のキュロットというのかな。

これも重宝して穿いている。

でも流石にその格好で外出まではしない。

私としては「ＯＫ」なのだが、歳に不相応な事くらい解っている。

それに蚊に刺されるしねぇ・・・。

１階に下りて行くと、何時もマーゴが出迎えてくれる。

それまではペロとペリー、そしてリマとナムがお出迎えの常連だったのだけど、彼らに先んじてマーゴがドアの真下まで来ている。

そして鳴いて甘える。

マーゴだけ特別食なので、片隅でお皿を置いてやると、ポリ・・・ポリ・・・と少しずつゆっくり食べる。

途中で私を見上げるので、撫でてやりながら「見てるよ」「傍に居るから安心して食べな」と声を掛ける。

そして食べ終わるまでずっと、それを何度も繰り返すのだ。

こんなに甘えん坊になるなんて。

こんなに小さくて弱々しくて、しかも甘ったれになる子が野良生活をしていたなんて・・・。

うちの子に出来て、本当に良かった。

相変わらずお腹に腫瘍は抱えたままだけど、今は兎に角食べられるし、負担になるからあまり頻繁に検査ばかりしないようにしてやりたいと思う。

当然、毒性の残り易い薬剤も使わない。

私にも是非そうして欲しい。

マーゴ

アタシというものがありながら

Aug. 30, 2011