ビル
あっ、僕を撮ろうとしてる?
May. 1, 2012 |
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ビル
たっ、助けて、プティ
May. 1, 2012 |
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ビル
プティってば~
May. 1, 2012 |
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2012年5月1日 火曜日 |
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雨の予報だったのに、植木に水遣りしなくて済む程には降らなかった。
一応、降るには降った。
しかも水遣りしている最中によ。
でも全然足りない。
私の服がしっとり湿った程度。
それも直ぐに出て来たお日様のお陰で、あっと言う間に乾いてしまった。
植物には水も必要、お日様も必要、そしてマメな目配りも必要だ。
言い変えてみれば愛情も必要というところかな。
このところフレアやゴマ、マーゴの事で時間が足りず、気持ちに余裕もなく、1週間なんて「ハッ」と気づいた時にはぶっ飛んでいた。
それで庭にも目が行き届かなかった。
日に日に生育し、冬のモノが終わりつつある、変化の多いシーズンなのに。
時折まとまった雨が降ってくれていたので、それを幸いに水遣りもせずに済んでいたのだ。
花殻摘みもサボっていたものだから、今日の昼に久し振りで庭に出てみると、パンジーもビオラも息絶える寸前だった。
水切れして首を萎れた花も、萎れきった花も一杯・・・庭で野良猫のエサやりをする時は、朝はまだ薄暗く、夜は完全に暗いので、こんになってしまっていたなんて気づかなかった。
ごめんね、ほったらかしで・・・と言いながらたっぷり水をやり、せっせと花殻を積んでいるうちに、ぐったりしていた茎が首をもたげて来た。
強いなあ、植物は。
そして、遣り甲斐があるものだなあ・・・と改めて思った。
こちらがやればやっただけの生花があるし、手を抜けば途端におかしな事になる。
そんな事は当たり前なんだけど、それを再認識して気を引き締め直した。
簡単に心の余裕がなくなる私が「小さい」のだ。
余裕の無い時こそ、ちょっと庭に出て、ちょっとだけでも手を入れ、私も深く息をしよう。
猫達の事も仕事も室内でこもってばかりだと、植物ではないが人間もおかしくなるのかも知れない。
太陽を浴びるか、曇っていても日々変化している緑を見て、逞しく勤勉な虫たちの働きぶりを見て、雲行きを天気予報だけじゃなく自部下の目で確かめて、風を感じ、雨の降りそうな空気の匂いを感じ、自然の営みの中に身を置かないと心身が腐って行くような気がする。
遠い里山まで行かなくても、普通の街の外を眺めるだけでも、自然はちゃんと感じられる。
私は「あれもしなくちゃ、これもしなくちゃ」と気持ちに余裕がなくなっていて、外の世界を知らな過ぎる。
もっと無駄な事もしよう。
後悔しない程度に、なくても済むものを楽しもう。
でも、結果としてそれは「無駄」じゃないんだ。
・・・と言い訳して、今日は長時間外で過ごした。
時々交代でふーちゃん(フレア)やゴマ、マーゴの様子を見て食べさせ、話し掛け、撫で、相手が満足するまで抱っこして、そしてまた外に戻る。
昼ごはんも庭で食べたよ。
出来あいのものばかりだけどね。 |
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プティ
へ?僕でっか?
May. 1, 2012 |
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メラ
うちの弟たちって
May. 1, 2012 |
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メラ
バカばっかり
May. 1, 2012 |
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ろくに寝ていないから、ハイになっているようだ。
矢鱈と元気。
そして全然眠くない。
後からまたドッと来るぞ、起き上がれない程、喋れない程の疲れが。
でも、今日は喋れるのだ、ペラペラと大声で精力的に。
アドレナリンが出っ放しになっているみたいだ。
ともすれば気持ちが塞ぎそうになる毎日だけに、元気に明るく楽しく過ごせるならば、そんなに嬉しい事は無い。
アドレナリンが出ようがオナラが出ようが、出るに越した事は無い。
何だって出ないよりはマシだ。
暗くなったって良い事なんかひとつもない。
辛い時こそ明るい気持ちでいよう、声を出して笑おう。
そんな夕方、これからおやつを食べて、猫家事を始めようという時に電話が鳴った。
有名な先物取引の会社の営業マンだった。
「奥様いらっしゃいますか?」
ふ~ん、ご主人ではなくて、無知な奥様狙いか?
やけに早口で舌も滑らか、良く訓練されているようだし、場数も踏んでいるツワモノらしい話しぶりだった。
「奥様は海外にお出掛けで、私は留守番の者なので解らないんですが~」と言って撃退しても良かったのだけど、何しろハイなものだから、ここはちょっとからかってやれ・・・という気が起きた。
忙しいのに、どうしてそんな気になるのか自分でも解らない。
「奥様は私ですけど?」
つっけんどんに大声で答える。
もう演出と演技は始まっているのだ。
わくわく。
この先は余りにくだらないので、興味と時間のある方だけご覧下さい。
ハッキリ言って読む価値ないです。
「奥様は、**という商品はご存知ですか?」
「知ってます、もうやりました」
間髪を入れず答える。
勿論、嘘だ。
そんなもん知りもしない。
「もうなさっていらっしゃったんですね」
「ええ、それで大損しましたけど」
「では、最近ではなくてかなり以前にお求めになったんですね?」
「そうです、こんなご時世になるとは思わずにね。
楽して儲けようと思った私が大馬鹿でした。
それから株式投資も、ヘッジファンドも日経平均連動も外貨預金もみ~んなやりました」(全て嘘です、スミマセン)
「それでは、金の取引なども?」
「いいえ、商品先物と貴金属売買、預託関係には一切手を出すなという親の遺言ですし、私も全く興味ありませんから」
それから彼は、今回勧めているメインの金融商品の説明をし初めて、「これもご存知ですかね?」と言うので
「ご存知もご存知、弟が貴方と同じ業界にいるんでね、お情けで色々と付き合いましたよ」
勿論、弟などいない。
たとえ居たとしても、私の弟だったら地味で忍耐強い無口なサラリーマンになっているだろう。
死んだ父にそっくりの。
彼は手慣れた営業マンで、その口調は慇懃そのもの、話しぶりはまさに立て板に水。
どんなに小さな契約でも絶対に取ろうと言う粘り強さも感じる。
しかし悪い人間ではなさそうなのだ。
「少しだけでも、うちもおこぼれに預かれませんですかね?」なんて言う。
笑ってしまった。
真剣なのだ、彼は。
真剣で真面目だからこそ、手の内を見せて来た。
ただ無知な主婦や老人から有り金を絞りとり、騙し取る手合いではなさそうだ。
そんな真剣な人間をからかっては可哀相な気もしたけれど、ここまできたら負けられない。
相手につくづく納得させた上で諦めさせる事が、この電話の終着点であり、私の勝利なのだ。
プロの営業トークになど絶対に負けない。
ただ早く電話を切ろう、相手から逃げようとするのではなく、こちらが「攻め」に転じれば良いのだ。
「おこぼれと言ってもね、うちにはお金、全然無いのよ。(これは本当に近い)
今日が期限の固定資産税も、お金が無くて払っていないの。(今日が期限というのは本当、払っていないというのは嘘)」
「またまた~」彼は信じていないようだ。
この後は私が一気にまくしたてる。
相手に口を挟む余地を与えてはいけない。
多分、彼もそう教育を受けたんじゃないだろうか?
「またまた~じゃないの。
ホント、死活問題なんですからね。
うちの会社、不渡り出しそうだし、貴方の会社、融資してくれないかしらね?
あ、お金は貸さないの?そう、じゃあ仕方ないわね。
え?株もドルも、もうありませんよ。とっくに大損しながら手放して、全部支払いにあてちゃいましたから。
そうそう、リーマン(ショック)の後。あれでもうスッテンテンよ、うちは」
嘘嘘、ぜ~んぶ口から出まかせ。
うちの会社って何の事だ?
会社も当座預金も手形も小切手も持っていないし、商売すらしていない。
ドルだろうが株だろうが純金だろうが持っていた事無いし、この先もたとえ持てても持たないだろうと思う。
嘘は続く。
「あのね、言っときますけどね、お金さえあれば、私、ハイリスクなマネーゲーム大好きなのよ。
お宅のように実績のある会社の、しかも実力ある営業さんとおつき合いして、お金儲けしたいのよ。
うちは祖父も父も、みんな投資家で、破産してるの(嘘ばっかり・・・ごめんね、お祖父ちゃん、パパ)。
それでも私も弟も投機が好きなのよね、やっぱり血かしらね」
嘘八百をまくしたてる。
そして間髪を入れず、こう言ってやる。
「貴方のような優秀な人だったら、そんな企業に勤めてこんな手の掛る電話セールスをちまちましているよりも、個人で株のトレーダーやった方がず~っと成功するんじゃないの?」
すると彼は自尊心をくすぐられたようで、ちょっと得意げにこう言った。
「やってますよ、実は個人で。私、株で損をした事は一度もありません」
よし、あと一息だ。
「ねえ、 それじゃ貴方、儲かっているんでしょう?だったら個人的に貸してくれないかな?ぜったい返すから。
貸して貰えたら、不渡りも出さないで済むし、残ったら貴方の勧めてくれる金融商品やるわよ。
必ず儲かるわよね?
そしたらいずれ全額返せる事、間違いなしでしょ。
高めに利息つけて貰って良いから。
無理?無理か~そうよねえ・・・いいの、ごめんなさい。
え、いいのいいの、私には神様がついているし、今、主人も金策に回ってるから。
全然帰って来ないのよ、もう半月。
携帯、繋がらないし、どこ行ってるんだか・・・
まったくもう、誰かお金貸してよ!」
「ああ、そうそう、貴方の連絡先、教えて下さる?何かあれば必ず貴方に連絡しますから。
はい、もうペン握ってるから、どうぞ。
***商事のM井さん、電話は**-****-****ですね。
電話番号、復唱しますよ***-****ね?
オーケイ、ここに電話して貴方の名前を言えば解るのね?
1年後にはもう居ないなんて事ないでしょうね?」
「そうだ、失礼ですけど、貴方、お歳はお幾つ?
まあ、随分しっかりしているわね。もっと上かと思った。
他の業界は経験しているの?
結婚はしてらっしゃるの?
転職する気ない?
あ、そう。そっか・・・」
この辺で相手はもう電話を切りたそうな話しぶりになってきた。
でもしつこく一押し。
「うちもあぶく金が出来たら、直ぐに電話しますよ、M井さんにね。
はい、有り難う、貴方も頑張ってね。
はいはい、どう致しまして。
見込みの無い客でごめんなさいね。
***商事のM井さん、39歳、独身、融資はしない・・・と。
はい、ちゃんと書いておきましたよ。
はい、さようなら」
以上。
しまいには「これから少し景気は上向くと思いますので、どうぞお気持ちを明るく、お元気で」とまで言われちゃったよ、私。
ごめんね、M井さん。
いい人だったのね、きっと。
時間の無駄させちゃいましたね。
そう言う私も時間の無駄遣いをしたのかも知れないし、いい加減物好きだとは思うけど、たまには異業種の人とも話をしなきゃ、頭の体操になるし。
いずれにしても、しつこい電話セールスに情けは無用だ。
あまりしつこかったら、ひるまず、怪しげな宗教の勧誘をやり返すのも良いかも知れない。
しかもしつこく、しつこく、相手に話させず。
今回だって、もっと虚構の世界を膨らませて、(架空の)ヤバそうな仕事をしている事を匂わせても良かったんだけど、そろそろお遊びは切り上げないといけないので、やめておいたんだ。
もっと色んな物語を仕立てたかったなあ・・・。
でも、私、ここまでの嘘は、普通だったら決してつきません。
正直だけが取り柄なんだから・・・なんて言っても、嘘臭くなるなあ、どうも。
最後に・・・
私、もしあぶく銭を手にしても、金融商品になんか投資しない。
投機的な事は嫌いだもの。
私はね、地味に堅実に・・・というのが性に合っているし、そもそもこういう人間のところにあぶく銭は絶対に転がり込みやしないのだ。
それでも万一あぶく銭を手にしたら・・・その時はちょっとだけ手元に残して、も少しだけ大きな規模の動物病院を建ててプレゼントしてから死にたいと話しているんだ、こうちゃんと。
勿論、うちの大恩人の先生にね。
後の事はどうするか解らないけど、きっと野良猫たちの為に、今まで通り、これからも頑張って下さると思う。
あと少しだけ病院が大きくなれば、院長と奥さん先生それぞれの診療室が2つ出来て、狂犬病ワクチンの時期にあんなに酷く混まずに済むかも知れない。
野良猫の保護をしている皆さんも、そしたら少しは待ち時間が少なくなるよね。
院長も奥さん先生も、スタッフの二人も楽になるよね。
スタッフは、最低でもあと二人欲しいよね・・・入院室も犬と猫別々に作れて、怖がりの猫たちもちょっとだけストレスが減るんじゃないの?な~んて勝手な事を言っている訳だ。
兎に角、もう、毎回あんなに待つのは嫌だ~。 |
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