猫雑記20130712

2013年　CAT'S EYES & CAT'S HANDS　

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2013年7月12日　金曜日　（禁煙３２３日目）

何だか今日が一番暑いように感じる。

放射冷却されず、どんどん熱が蓄積されて行くようだ。

陽の出る前から水やりして汗だく。

大量の蚊が襲って来るから仕方ないけれど、長袖で小一時間の水遣り・・・これはもう拷問に近いかも。

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いや、拷問なんて言葉を軽々しく使うべきでは無かった。

今夜、映画【あなたになら言える秘密のこと】を、またＢＳでやっていた。

以前にもここで書いた事がある。

いつだっただろう・・・と日記を調べたら、２００８年１２月７日、もう４年７個月も前の事だった。

【あなたになら言える秘密のこと】

改めて見ると、初回に見た時には解らなかった幾つかの事が、やっと解った気がする。

ラストのナレーションをする女の子が誰なのか。

ある母親と娘の事として語られた事が、実はハンナとその娘の事だったのだろうと。

鈍い私。

ある残酷なエピソードは女友達の事として、そしてまたある残虐なエピソードはどこかの母娘の事としてしか、ハンナには語れなかったのだろう。

恐ろしい過去を改めて口にする事、思い起こす事の恐ろしさ、辛さは、当人にしか解らない。

私がイマジネーションをどんなに働かせて他人の痛みを我がものにしようとしたところで、本当の痛みを味わった訳ではないのだ。

その友達の名は？と聞くジョゼフ。

「ハンナ」と答え、そのシーンは終わる。

実はハンナ、ジョゼフには「コーラ」と偽名を使っていた。

しかし、ジョゼフはそれがハンナの身に起きた出来事だったのだと悟ったのだろう。

救急車に乗せられて運ばれる時、何度も「ハンナ」と叫だ。

バカだな、そういう部分が初回には良く見えていなかった。

ジョゼフを介護し始めた頃のハンナ

一生受け止めて放さない大きな胸であって欲しいと願ってやまないよ、ジョゼフ君

ハンナが語ったのはボスニア紛争の事だろうか・・・味方のクロアチアの兵士達に捕らわれて、繰り返し受けた性的暴力、そして肉体への信じられない程手の込んだ拷問。

ニュースでは、「民族浄化」の名目で、何万人もの女性たちが強制的に妊娠させられたという事は聞いていたのに、具体的にはこういう事だったのかと、血が凍る思いがした。

観終えてからも、いつまででも恐ろしい。

人間は残酷だ。

残酷だったのは、なにもナチスドイツだけじゃないのだ。

体中、何百箇所もナイフで切られ、塩を擦り込まれて、深く縫われる。

手足からは血が滴り続け、少しずつ、とてもゆっくりと衰弱して行く。

ゆっくりとではなく、いま直ぐに死なせて下さいと神に祈るほどの苦痛。

レイプされて妊娠し、産まされた娘を、母親にむごたらしいやり方で殺させる、その憎むべき残虐さ。

そうさせた人間を憎み、呪う事は簡単だけれど、その過去を決して消せないで生き続けるしかない人間の苦しみを、一体どこまで理解出来るだろう。

私達は何を感じ、どう受け止めれば良いのだろう。

何の為の暴力なのか。

勿論、暴力に種類や意味など求めてはいけないのだが、これはもう、暴力そのものを楽しんでいるとしか思えないような類の暴力。

そうだ、埼玉の女子高生コンクリート詰め殺人事件のように。

女性をレイプしたり暴力をふるうのは、何もクロアチア人兵士だけではないのは勿論だ。

日本軍だって、アメリカ軍だって、ドイツ軍だって、古くは十字軍兵士だって、古今東西例外なくどこの民族であろうが犯して来た罪であるはず。

人間は歴史から学ばない。

愚かな罪を繰り返す、愚かな生き物なんだ。

何故、弱いものに力をふるうのか？

それは多分、弱い者が自分は強いと思いたいからではなかろうか。

どうあるのが真の強さなのかを、弱くて頭の悪いダメ男には解らないのだ。

憎むべきは戦争である・・・などと、大きなものに責任転嫁していてはいけない。

もっと憎むべき弱さや狡さが、私達誰の中にも存在していて、それが表に出て来る事を己が許してしまった時、戦争に大義を借りてとんでもない暴力行為を行ったりするのだ。

他人事では無い。

誰の中にでもある弱さであり、凶暴性であり、嫌らしさ、狡さなのだという事を忘れてはならない。

そしてその自分の中にある下等な悪魔のような性質を野放しにしてはいけない。

それが出来ない限り、このような悲劇が後を絶たず、戦争だって絶えないのだ。

世の中や政治、戦争などのせいにしてはいけない。

悪いのは私達一人一人の中にある悪なのだから。

とりあえず、ハッピー・エンドに分類されるだろう事が救いだ。

このまま悲劇的な終わり方をした実際の人生の方が、きっと遥かに多いのだろうと思う事も忘れてはならないのだが。