2018年6月14日 木曜日 |
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蒸し暑くて、空は雨雲らしき雲が垂れ込めていて暗い。
だけど雨は今日も戻って来ない。
いや、来なくても良いんだけどね。
向かいのつる草がまたぞろ伸びて電線に巻き付こうとしている。
放置しておこうと思うのだけど、我慢していられなくて、結局また刈り取りをする。
しかし藪蚊が多く、いっぱい刺されてしまった。
顔まで刺された。
向かいの敷地は熱帯雨林かと思うほど草ぼうぼうだもの、そりゃ藪蚊天国だわね。
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テト 天国にも色々あるよね
Jun. 14 , 2017
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そうだよ~、解る?テト君。
草を刈っていたところ、やはりこの空き地を真向かいに臨む家の未亡人が車で帰って来て、同じくこの放置されたままの空き地を怒っていた。
でも所有者がどこにいるのかもわからず(九州に住んでいるらしいとは、かつて検地に来た行政の代理人から聞いたが)、連絡も取れず、私達ただの近所の住人にはどうも出来ない。
時々草刈りをして、最低限、道と我が家へのつる草の侵出を防ぐしか出来ない。
どうして普通の草だけでなく、これ程にごっついつる草がはびこってしまったんだろう?
草には罪はないけれど、こうも迷惑な事態までになると忌々しい。
本当は我が家の草刈もしたかったのに、向かいの空地の草刈りだけで疲れ果ててしまった。
蚊に刺されて痒いし。
蚊に刺されると言えば、先日観たドキュメンタリー番組を思い出した。
【ターシャ・テューダーの森から~ひ孫たちの夏日記~】。
ターシャ亡き後、ターシャの広大な30万坪の広大な庭を引き継いで管理している孫夫婦とその娘たち(ターシャのひ孫たち)の暮らしぶりは、ターシャの生前のドキュメンタリーと同じか、それ以上に観る者の心に染み入った事だろう。
私もしみじみと、こんな暮らしが出来たらなあ・・・と夢見ていた。
ターシャの一見古びた新築の家は、息子のセスが1人で建ててくれたものだった。
広大な庭の一角を譲り受けた孫のウィンズローもまた、結婚を目前に自力で1年半掛けて家を建てたのだと言う。
凄い親子だ。
だけど、ターシャの死後、広大な土地や遺産の相続の権利を主張して、セス以外の息子や娘たちが訴訟を起こした事も知られている。
土地と家や家財道具は息子と孫が、あとの弟姉妹には、それぞれ1千万ドルが与えられるという遺言だったそうだが、1千万ドルでは不服という事か。
ターシャの長年の夢を叶える為に、たった1人でターシャの望む家を建てた息子のセスは、歩いて10分のところに住み、毎日、年老いた母親の様子を見に通い、買い物や家や庭の補修をしていた。
孫のウィンズローも、その嫁も、ターシャの心を受け継ごうとして、ターシャの暮らしぶりを現在も続けている。
まだ幼いウィンズローの娘たち(ターシャのひ孫たち)ですら既に、自然の中で木々や動物たちから学び、ちょっとしたナチュラリストとして成長しつつある。
あの土地を維持・管理し続けるだけで、どれだけの苦労が伴う事だろう。
3人の弟姉妹たちと長男セスとは、今はもう和解しているらしいが、ちょっぴり嫌な話だと思った。
現実の世界には、ターシャの庭のような夢のような世界だけではない、うんざりするような欲得が渦巻いているんだな。
ターシャの理想や頑固なまでのライフスタイルは、息子のセスに、そしてセスの優しさや開拓精神は息子ウィンズローに受け継がれ、それらが全て、ひ孫の姉妹へと受け継がれようとしているのが感じられる。
それはどんな有形の財産よりも、素晴らしい遺産ではないか。
心とDNAをしっかりと受け継ぐという幸せがあるから、私たちが観ていても微笑ましいのだ。
ライフスタイルがどんなに素敵だとしても、そこに殺伐とした心が介在していては、少しも羨ましくない。
子供も孫もいない私は、ちゃんと自分の人生をお終いに出来るよう、生活を畳んでいかなくちゃ・・・と改めて心に誓うしかない。
ターシャの広大な庭は、放置していれば草が伸び放題。
その草取りは、ターシャの存命中からずっと、セス夫婦とウィンズロー夫婦、そして知人友人にも集まって貰って、手作りのお菓子や冷たいお茶をふるまいつつ、草取りパーティーとして毎年催しているらしい。
ターシャ譲りの昔の道具で、孫のウィンズローがもてなしのお菓子を作る。
ウィンズローは家族の為に料理もするし、大工仕事も土木工事も出来る。
ターシャのようにバターも手作りし、そのバターをたっぷり使って料理をするのだ。
鶏を飼い、鶏の事はひ孫のお姉ちゃんはとても詳しく、労わりと愛情をもって育てている。
そして朝には、産みたての卵を鶏から戴きに行くのもひ孫たちだ。
作ったばかりのフレッシュバター、丁寧に世話をしている家族のような鶏の生みたて卵・・・美味しくないはずがない。
まさしく開拓時代の暮らしを受け継いでいるのだ。
しかし思う。
草取りに集まった皆さんは、あの広大な草むらと森、沼まである庭で、腕も足もむき出しで作業していたけれど、蚊に刺されないのだろうか?と。
見ていて不思議で仕方なかった。
幾ら積雪量も多く、年間平均気温が6度のバーモント州とは言え、夏は暑いらしいし、虫も出るだろう。
極寒の地シベリアですら、春には大量の蚊が孵化して、蚊柱が立つ様子を見た事がある。
バーモントは豪雪地帯だけに、春の雪解けでは湿地が出来るという位だから、きっと蚊もわいている事だろう。
刺されないのだろうか?余計なお世話だけど。
ターシャは生前、毎日の殆どの時間を庭の草木の手入れに費やしていたそうだ。
狭い我が家の庭ですら、真面目に手入れしようとしたら1日中庭にいないといけなくなる。
蚊の問題と紫外線の問題とあって、とても日差しの中で過ごせないから、私はもう庭仕事向きではないのだと諦めたけれど、いつまでも憧れだけは残る。
美しい庭は、ほったらかしていては成立しないのだ。
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ターシャの息子「セス」夫婦と孫の「ウィンズロー」夫婦、そしてひ孫姉妹 |
いまどき、こんな生活が出来る事は、本当に夢のようだ。
だけど、それはお金持ちだからこそできる事でもある。
日々の食べ物を買う為に働き続けるだけの庶民が、ヤギの乳を搾り、バターを作り、子供たちの洋服からおもちゃから全て手作りする事など、到底不可能だ。
でも、そのスピリットだけは真似出来るはずだ。
私のようなセカセカと生きている人間でも、せめて食べる事くらいは丁寧にしようと決意し直す。
そして庭の掃除や、生花の花もちを良くするための水切りや水替えも、その手間そのものを楽しまなければ勿体ないと思うようになった。
それはそうなんだけどね、他所の家の放置された空き地の草刈りまでは、なんだか釈然としないのよね。
時間にも心にも余裕がなく、そして精神修養が足りないのね、きっと。
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夜廻り猫 1,2巻(3巻も出てるよ)
著者:深谷かほる |
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