2018年7月1日 日曜日 |
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午前3時、隣の敷地で何かの声が聞こえた。
それはとても微かな声で、「キュー」とも「ヒュー」ともつかない、悲しげな小さな声だ。
絶対に何かが捕まっていると確信した。
私は捕獲機が気になって眠れず、トイレの窓から時々様子を窺っていたのだ。
こうちゃんを叩き起こし、2人で様子を見に飛んで行く。
うちからお貸しした捕獲機は、門を入って直ぐの玄関脇に置かれ、いつでも入って来てチェックして戴いて良いので・・・と言われていた。
案の定、タヌキが掛かっていた。
まだ小さくて子供だ。
急いで逃がしてやり、捕獲機の扉は閉めたままにした。
よほど恐ろしかったのだろう、捕獲機の中で脱糞していた。
それを見て、思わず涙が出た。
私たちの場合、野良猫の捕獲をする場合だが、捕獲機を仕掛けたまま放置しておく事は絶対にしない。
居場所を特定出来たら、物陰から見守れるよあにして、付きっ切りで捕獲する。
人に粕場合でも、置きっ放しにはしないで欲しいと強くお願いしている。
しかし愛護団体やボランティアさんでも、平気で一晩中置きっ放しの捕獲をする人が多い。
お隣さんの携帯にメールを入れるが、時間も時間だし、心労もあるだろうし、実際疲れて寝てしまっているのだろう、反応が無い。
それで決意した。
朝まで待たずに捕獲機を引き上げ、こちらで洗ってしまおう。
でないと、捕獲機にも時間にも無駄が出る。
昨日、捕獲機をもう1台、地元のまた別の愛護団体の人から借りて、庭に設置したと言っていた。
しかし、そこの場所までは入って行けないので、チェックは出来ない。
他の動物が入っていないと良いのだけれど、私の網安さんタイプと比べると精度はぐっと落ちるので(私も別タイプを幾つも持っていたから知っている)、おそらく捕まえてはいないだろう。
朝になり、メールでやりとりしたところ、更にもう1台捕獲機を団体から借りて来ると言う。
なので再度、捕獲の注意点を確認し、我が家の捕獲機はうちの庭で目撃する事が出来た時に、うちの庭に仕掛けようと思うと伝える。
一晩中とても悩んだ。
放置しての捕獲はやっぱり弊害が多過ぎるし、心も耐えられない。
幸い、お隣は動物好きで、野良猫やハクビシン、タヌキなどのこのあたりに棲息する野生動物にも温かい気持ちをお持ちだという事が解ってきた。
他の生き物を傷つけないで済むように努めるとも約束してくれた。
そうあって欲しい、あの子ダヌキの怯えた目を思い出すと辛い。
余談だが、更にそのお隣など、ハクビシン捕獲の為に業者に依頼して捕獲機を仕掛けたのだ。
そして言った。
「処分までしてくれるらしいですよ」と。
ハクビシンだろうがアライグマだろうが、殺される事が平気ではいられない。
しかし害獣指定されており、合法的に捕殺される事も知っている。
私は、出来るだけ棲み分けて欲しいと祈るような思いでいる。
人の目につかない所で安全に生き抜いて欲しい。
日本という国は、やっぱり「ごうつくばり」だ。
これ以上、野山を開発しないで欲しい。
コスタ・リカのように、国として開発を禁じ、生き物を守る政策をとれない日本が情けない。
どこまで経済発展ばかり望むのか。
こんな事言い始めたらキリがないけど。
保護出来るまで長期戦ともなれば、寝なければ誰だって参ってしまうし、仕事に差し支えるだろう。
だから寝る時には、捕獲機を一旦撤去する事が求められる。
少なくとも私たちは、捕まえようとする猫の気持ちを真摯に考えた結果、そういう考え方、やり方に到達した。
目の前で捕獲機に入り、狂ったように暴れて逃げようとする野良猫の様子を見た事があれば、そういう気持ちになって当たり前。
置きっ放し捕獲をする人は、常に置きっ放しでばかり捕獲していて、あの痛ましい姿を見た事が無いのだろうな。
捕獲経験のない人は仕方ないとしても、世の中の動物愛護の人たちで、捕獲機を一晩中置いて捕獲する人たちのやり方は全く支持出来ない。
動物病院でも、捕獲機で捕獲され連れて来られた野良猫の様子が、いい加減に包んだ布の大きな隙間から見える事が多かった。
その鼻ヅラは血だらけだった。
捕獲出来てからも直ぐに駆けつけられず放置していると、どうにかして逃げようと必死で力の限り暴れ続け、鼻ヅラは擦り傷でだらけ血だらけになるのだ。
可哀想に。
ボランティアで不妊手術するという「良い行い」に慢心し、罠で捕まり怖い不安な思いをしているであろう猫の気持ちにまで考えが至らないのかも知れない。
もし、ちゃんと解っていて、考えてしている事だとしたら、考えたなりの対処をすべきなのだ。
していない事は、考えていない事と同じと言われても仕方ない。
私も、自分自身が何も考えていないと評価される事があるとしたら、それは甘んじるしかないと覚悟している。
しかし、他人からの評価の為にする訳ではないのもまた事実なのだが。
自分の良心と弱さとの闘いの中で、出来ないでいた頃の苦しさの方が、リスクを承知でやった事の苦労よりずっと苦しいという事も経験したからこそしている事だ。
誰かに褒められたい、評価されたいとは思っちゃいない。
でも、思い切って行動した人、頑張った人の事は誉めて差し上げたい。
勇気が要る事だと知っているから。
私は多分、融通の利かない嫌な人間かも知れない。
でも、融通を利かせるべきケースとそうでない場合とがある。
命と心は、ないがしろにすべきではない。
どうか捕獲される側の気持ちになって考えてみて欲しい。
捕獲される事がどれだけ恐ろしく、逃げられないと解った時にはどれ程絶望的な気持ちになるものかを。
そんな残酷な事が平気で出来る人間は、ナチスの死の収容所に向かう貨物列車とか、英国の奴隷貿易船の船倉とかにすし詰めにされ、そこで絶望と恐怖の中、何日も糞尿まみれで過ごしてみないと解らないのかも知れない。
捕獲された猫の恐怖と絶望はそれくらいのものであると、私たちはいつも肝に銘じて捕獲している。
言い過ぎでしょうか?
だったら、こんな事を言われないようにちゃんとして欲しいし、言わせないで欲しい。
失敗を反省し、真心を以て善処して欲しい。
そして手間いるところから、少しでも進化して欲しい。
ともあれ、捕獲機をお貸しした200件以上のケースで、脱走猫を保護出来なかった事は1件もなかった。
どれだけ長く掛かろうと諦めず、保護に努め続けて欲しい。
私としては、それを支えて差し上げられるようでありたい。
猫に罪はないのだし、少なくとも野良猫・保護猫に対する愛情をお持ちの人なのだから、是非今回は貴重な失敗と成功の体験をして、今後に生かして欲しい。
無事に戻れますように。
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2015年のデンちゃん お外は怖いんだよ
Jul. 1 2017
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そうだったよね、デンちゃん。
デンちゃんは野良時代にたくさんの怖い目に遭い、大怪我もしたんだものね。
家猫にしてやれて良かった。
私に捕まってくれて良かった。
家猫として死なせてやれて良かった。
私の自己満足じゃない、デンちゃんは他の子たちと仲良しで、毎日が楽しそうだったもの。
血のつながらない猫同士で、みんな仲良しなんだもの、我が家は。
猫嫌いのジャムとフレア、ガラの例もあるけれど、総数から考えれば少ない方だし、嫌いだからと言って大した問題には発展しないで済んだ。
まあ、ガラとフレアは個室だし、ジャムはパパとママを独占状態のお姫様だったから。
デンちゃんは猫が好きだったね。
そもそも野良時代、シロちゃんが大好きだった。
ベランダまで来て、ガラス窓越しにジャムにまでお腹を見せて甘えようとしていた。
ジャムの性格を知りもしないで。
同室になったチャイともプティとも大の仲良しになった。
人間は最期まで信用しなかったけれど、猫には可愛いかったデンちゃん。
力を貸してあげて、脱走した「チロ」ちゃんに。
おうちに戻りなさいと、天国から声を掛けてあげて欲しい。
猛暑の中、夕方4時半になってから買い出しに出る。
4時半では、まだまだ明るくて暑い。
あまりに暑くて、帰りに家の近くのコンビニでパフェを買った。
急いで帰ったけど、食べようとしたらここまで溶けてしまっていた。
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白桃パフェ Jul. 1 , 2017
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美味しい!
桃のシロップ煮かと思いきや、生の腿が凍らせてあるようで、甘過ぎず、とても美味しかった。
350円は高いのか安いのか・・・そりゃあ、安くはないよね。
でも、これだけ美味しければいいか。
体の内側から冷やして、やっと落ち着いた。
今年は早くから猛暑らしいから、冷たいものを摂らないと無理だ。
明日、「クーリッシュ」を買い込んでおこうかな。
買いに行くのが暑くて嫌だけど。
脱走猫も、野良猫も、タヌキもハクビシンも、さぞかし暑かろう。
誰が飲んでも良いから、庭にも何か所か水を汲んで置いている。
1日のうちでも時々替えてやらないと水が温まってしまうし、ボウフラがわいてしまうのは困る。
熱く灼けたアスファルトに撒いてしまえば良い。
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夜廻り猫 1,2巻(3巻も出てるよ)
著者:深谷かほる |
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