ヒドゥン -THE HIDDEN-

最初が暗かったので、大好きなB級エンタテンンメントを。

ヒドゥンとは、hide(ヒデと読まないで。「隠れる」の英語です)の過去分詞ですね。何が隠れているのか・・・それはグロテスクなエイリアンです。地球上の生物に隠れて地球支配を企む地球外生物と、それを追って地球にやって来た別のエイリアンの闘いのお話です。主演は若き日のカイル・マクラクラン。いかにも国籍不明、年齢不詳という役柄の似合う俳優でした。(初めて観たのは「デューン 砂の惑星」のポール・アトレイデス役でした。)

この映画では、悪いエイリアンは次々と人間の身体に入り込み、この身体を乗り物として消耗させて行きます。操っているのはエイリアンですから、乗り物の身体が幾ら銃で撃たれようと死にません。いよいよボロボロになると、それを脱ぎ捨てるように別の身体に入り込むのです。このエイリアン、女好きでハードロックが好き、クルマはフェラーリという俗物に徹底していて、それが可笑しい。

このエイリアンを追っているのがカイル・マクラクラン扮するFBI捜査官、しかし実体はやはりエイリアンです。作品の性質上、これ以上の内容説明はタブーでしょうが、ハラハラもさせるし笑える部分も多いし、最後はちょっとホロッとさせてくれる佳作です。エイリアンものとしては特別何という事はないのですが、配役の妙とディーテイルに凝った、映画ならではの娯楽性があります。行きがかり上パートナーとなる刑事の男臭さやタフなデカさと、カイル・マクラクランの清潔で高貴な雰囲気、頼りない感じが好対照で、この映画の持ち味を支えています。必見の娯楽映画です。

脚本 ボブ・ハント
監督 ジャック・ショルダー
音楽 マイケル・コンバーチノ
1987年
アメリカ映画


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