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《CAT'S EYES & CAT'S HANDS》猫の為の情報
先住猫との折り合いについてのケーススタディ
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case 13 「るなすけ」さんちの場合
先住猫のるなすけは10歳の避妊済み、それはそれは気性が荒い上に、私以外の人間には慣れず、気に入らなければ誰に対してでも猫パンチで応酬するというわがままな猫です。

その為、「もう1頭」という気持ちをずっと抑えてきたのですが2頭目ににゃーぶー(この子はFelv陽性なので完全に違う部屋にいます)を迎えた時から多頭飼いへのチャレンジを始めました。

そう思った時に、ちょうど野良猫なのに人懐っこく、でもマンションの住民同士でたらい回しのようになっていた子に出会いました。それがちーぼーです。今にして思えば、このちーぼーの性格が私の多頭飼いチャレンジを後押ししてくれました。

準備期間としてちーぼーには組み立てケージに入ってもらい、るなすけを自由にさせておきながら互いの匂いに慣れてもらうことにしました。結果は惨敗でした。るなすけの匂いに対してちーぼーはただ鼻をひくつかせる程度でしたが、ちーぼーの匂いに対してるなすけは猛り狂いました。主人はそばを通っただけですねを咬まれ、私が抱こうとしても猫パンチをして逃げていきました。

2週目になり、るなすけがちーぼーの匂いを嗅いでも「しゃーっ」と言うだけで済むようになった頃、時間を区切って自由に対面させるようにしました。ちーぼーは物怖じせずに寄っていきましたが、るなすけはそんなちーぼーの顔でも身体でもかまわず猫パンチを浴びせた挙句に、冷蔵庫の上に逃げました。

その後しばらくは、ちーぼーとの対面時間になるとパンチを浴びせてから冷蔵庫の上に逃げる、というパターンが出来上がってしまいました。この時期、一緒に飼うことを諦めかけました。元気といっても10歳を越えるるなすけにどれほどのストレスを与えているのか、という思いと顔を会わせる度に問答無用でパンチされるちーぼーへの不憫さ。わたしのわがままから2頭ともを不幸にしたのだ、と思ったのです。

3週目を越えた頃、ふとした変化が現れました。なんといったら、いいのでしょうか。るなすけのパンチと威嚇は変わらずでしたが、どこか「本気でない」ように見えたのです。実際にパンチした後にも逃げずに、自分からごろんと横倒しになり後ろ足で軽い蹴りを入れてみたり、といった風にです。どちらが追う、追われるというのでもなく追いかけっこをしているところを見るようになったのもこの頃からでした。

渋々ながらも、るなすけはちーぼーを受け入れることにしたようなのです。ただひとつ、そんな結果に落ち着くことができたのはひとえにちーぼーの性格によるものだったと思います。どんなにパンチをされても、威嚇されてもちーぼーは1つもやり返しませんでした。いつもただ、身体を小さくしてごろんとるなすけにお腹を見せました。

難しい、と言われるメス同士の同居でしたが、結局おろおろしていたのは飼い主である私1人で、2頭はいつのまにかお互いのエリアを決めてほどよい距離を保つようになっていきました。こたつの下や箪笥の上といった場所の1つ1つを、まるで陣取り合戦のように決めていっているようでした。

今、1ヶ月が過ぎて2つの部屋は開け放しています。地面はちーぼーが自由にしており、高い場所や押入れなどで居心地のいい空間はるなすけが占有しています。互いのテリトリーと共有部分はある程度変化したりするようですが、「私がお風呂中の湯船のふたの上」だけは今でも、るなすけだけの占有のようです。そこにいる時はあまりに本気で攻撃するので、ちーぼーも覚えて近寄らなくなりました。

ちーぼーはまだ遊びたい気持ちが残っているようで、るなすけを獲物に見立てて飛びついたりしますが、適度な取っ組み合いですんでいます。2頭は決して「仲良し」にはなりませんでしたし、これからもならないのではないかと思います。2頭で仲のよいお昼寝や互いの毛づくろいなどはありません。最初はそうなってくれたらいいな、との思いもありましたが、2頭が自分たちで互いの位置を築いたのですから、私も「こうなってほしい」という希望や思い込みをすっきりと捨てることができました。

互いのストレスによる食欲の低下やおしっこを我慢した結果の膀胱炎などを心配していましたが、思ったほど食欲は落ちず、トイレも自分のトイレでしてくれました。お互いのトイレを使ってしまうのだとしても、やはりトイレは頭数分が必要だと実感しました。

我が家でのケースは、何か工夫があったというわけでもなく、ただ飼い主は心配しているうちに事態が収束してしまったものなので、現在苦労されている方の参考にはならないかもしれないですね。でも、今回ちーぼーとるなすけが教えてくれたのは「案ずるより生むが易し」と「明けない夜はない」でした。私が思っていたよりも、この2頭の方が大人だったのかもしれません。

今、多頭飼いの道を模索されている方ももちろんですが、私の拙い経験が、もう1頭を増やそうかどうしようか、悩んでおられる方のお気持ちを少しでも「よいしょっ」と後押しすることになればとてもうれしいことだと思っています。1+1が2ではなく、3にも4にも5にもなってる我が家なものですから。

case 14 「ビーだママ」さんちの場合 
家には、生後1年9ヵ月だと思われる「もも」と言う避妊済みの雌猫がいます。そして去年12月に雄の子猫(なお)を入れました。どちらも野良ちゃんです。

今回なおが7ヵ月になるし、庭に向って「わおーわおー」と鳴き出したので、去勢することにしました。なおはビビリで其れ故に抱く事も触るのも侭成らない状態でした。かかり付けの医者は「洗濯ネットに入れて来て」といとも簡単に言うけどそれが出来れば苦労はしません。

地域のボランティアの方が「携帯のケイジに入れれる?あとは任せなさい。」と言って下さったので、前日の夜中12時からももと離して餌を与えず翌日決死の覚悟でなおを捕まえ、ケイジに入れ(すぐにケイジを立てて扉やいたるとこをガム・テープで補強)そして布を被せて約束の場所へ。その間なおは大人しくしてました。

夕方引き取りケイジから出すと(反省点・ももと別の部屋に入れるべきでした)さぁーと何時もの隠れ家に入ってしまいました。3時間ぐらいして出て来て、ももが近付くと「シャー」と威嚇しももは驚いて反射的に「うー」と返しました。(なおは気分が悪くももに近付いて欲しく無かったんだと思います。)

この時点でやっと私はももを離さなければと気付き2階にももの部屋(私の寝室)を作りました。(餌、水、トイレ設置)その夜はももを抱いて寝ました。


次の日何の気無しにももが居間に入って来、なおと鼻を突き合わせ確認してましたが次の瞬間「シャー」「ふー」が始まりました。その日1日その状態で、家の中の空気もジトーとして私は頭痛がして来ました。あんなに仲が良かったのに・・・

次の日なおが元気になりました。去勢前と同じで居間の中を走り回っています。ところがももが居間に降りて来たがりません。しばらく様子を見てました。お昼前ももが降りて来るとなおは何時もの調子でももの前で寝っ転がって「ももちゃん、遊んで!」ってやるのですが、ももは低く「うー」と威嚇してました。

この時思ったのが、ももはなおは雄とインプットしてたのに目の前に居るのは、どうも違うという不信感からじゃ無いかと思ったのですが・・・・それでも、もう時間の問題だと思い気が楽になりました。

夕方頃から同じ部屋に居てもももは嫌がらなくなりました。夜には一緒に餌皿に並んで顔を突っ込んでいました。術後始めて一緒の部屋で寝かせました。


今朝トイレも1つにしました。

1匹の時はこんな苦労はしませんでした。2匹目となると留守番猫ちゃんの精神的な打撃もある物だと思いました。

お読みになった方で、ここは違うと思われた方はメールを下さい。学習させて頂きます。
アドレス tomoidei@ma.rosenet.ne.jp

以上です。

添付の写真は、隠れ家に隠れたなお。ともう1枚は少しなれて同じ部屋で居れる様になったももとなお。今日おやつを仲良く食べてる2人。

(そして最後の写真は、サイトオーナー川口が、ビーだママさんの掲示板への書き込み時に貼り付けて下さったものを、勝手に引用いたしました。素晴らしい1枚ですね。)

case 15 「さりりん」さんちの場合   
我が家の場合、あまり、というか全然苦労も工夫もなかったのですが、多頭飼いのプラス効果がはっきりしていたので、お仲間に入れていただけたらと、まとめてみました。

先住猫サリン王子(雄、去勢済み)は8歳まで一人っ子。最初は昼間は会社に連れて行って飼っていたこともあって、周囲の人間たちに甘やかし放題され、わがままで神経質に育ちました。

6歳の時に原因不明の病気(ふらついて歩けない)にかかり、主治医の投薬で復活はしたものの、以来、眠ってばかりで動かない、食欲もない状態になってしまいました。2匹目を考えたのは、「このままボケたら大変。ショック療法になれば」という考えもありました。

8歳になった一昨年、保護施設で黒猫少女の花火に出会いました。「お試し可」とのことで、思い切ってトライしました。

不勉強だったこともあり、いきなり部屋で同居させました。それまで人間しか知らなかった王子は、興味はもったものの、びくびく。一方の花火は、なつっこくついていって、嫌がられても逃げられてもパンチ(といっても下手)されてもお構いなしに甘え倒して、1週間ぐらいで猫団子で眠ったりなめっこするようになりました。

うまくいった理由は、花火が保護施設のたくさんの猫たちの中で、もまれて?きたために、猫対応がうまかったことが第一だと思います。甘えたり遊びに誘うだけでなく、王子が真面目に怒ると、ごろんとお腹を見せて降参します。加えて、だんなが徹底的に王子を優先したことで、しっかりした上下関係ができて、王子も「ま、いいか」的に受け入れたのでしょう。

さて、肝心の花火効果ですが、花火が来てから王子は競って食べ、追いかけっこして走ったりジャンプするようになりました。病後の様子から一変です。たくさんなめっこするので、毛艶もよくなりました。花火が見当たらないと鳴いて探したりもします。

そういえば、作家の早坂暁さんの猫物語にも、2匹目を入れたことで高齢猫が元気になった話がありましたっけ。ということは、うちだけではないのですね。最近は2匹を見ていると、家猫ではあっても猫社会が必要なのだなと感じます。

case 16 
折り合いが悪いままのお宅でも構いません。レポートをお送り下さい。 

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