サンちゃん

mar.26,2001


日吉の慶応義塾大学構内で保護された、片目をカラスにえぐられてしまったサンちゃん(仮称)は、未だ里親さんを探せないでいる。「サンちゃん!」と声を掛けると、獣医のケージの中でゴロリと横たわって甘える仕草を見せる。もう一方の目も白濁してしまっていて完全に見えない世界で生きているけれど、とても甘ったれで可愛い子なのだ。1匹で置いて貰えるお家はないものだろうか?そう思いながら、直接に保護した相手が見えて来ない事と、この子の場合は獣医の好意でケージに置いて貰えているものだから、緊急扱いをせずに通常の里親募集のコーナーに載せていた。SOSとして呼びかけていたらシロちゃんの場合のように、また15匹猫の時のように反応があったのだろうか・・・そう自責の念にとらわれている。こういうケースは、全国に数限りなくあるはずだ。運良くSOSの発信者がいた時には、都筑のケースのように一斉に抗議文を送ったり、援助のリンクが発生したりするのだ。

では健常な猫はどうなのか?あるいは、風邪をひいている程度の仔猫はどうだろう?何年も家猫として飼われてきて、今飼い主の都合で見放されようとしている大人の猫はどうしたら良いのか?緊急でない里親募集は、あまり存在しないと言っても差し支えないかも知れない。そう思うと、自分がしている事が堪らなくなる。どこで選別しているのだ!?分け隔てなく全ての子に緊急扱いしていては、これは目立たない。数が少ないからこそ、アピールするのだ。

そこがあざといのだ。自分でしている事がどういう意味を持つのか・・・もう少しどの子にも力を入れてあげたいのに、それが叶わないでいるから少し落ち込んだりする今夜でした。暗い話でごめんなさい。判っているのです。全てを救う事は出来ないと。出来る事から、目の前の事からひとつずつ手がけていくしかないという事を。いつもそう言って来たくせに・・・。

でも、是非もう一度「サンちゃん」の顔を見てあげて下さい。もしも里親さんになって頂ける方は、川口までご連絡下さい。詳細は里親募集のコーナーをご覧頂けたら有り難いです。

川口メールアドレス: kkk@netpro.ne.jp またはPHS:070-6197-2394


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