ジャム

初爪研ぎ

May.15,2001

昨日獣医で撮って来た仔猫たちは何故今月一杯で保健所に送られてしまうのかと疑問に思い、朝一番で獣医に電話した。すると、要は保護した人が「貰い手がなかったら保健所に引き取って貰って貰う」という条件で獣医に押し付けたらいのだ。つまり書類上の問題で今月中なのだと言う。しかし譲渡の書類があれば、その先も少しの間は置いてくれると言うので、私が引受け人(被譲渡人)となるしかないかと思う。必ず里親さんを探してやるからね。あんなに元気に甘えている仔猫たちを、どうしても殺処分させたくない。

最悪の場合は、避妊して私のエサ場で野良にしよう。保護した人は、どうしてそこまで出来なかったのかと考えた。金銭の問題ではあるのだろうが、獣医が野良猫の避妊に協力的でない事も悪い。この獣医には、教育的指導が必要だ。ワクチンも『猫の手倶楽部』で負担して接種させる事にした。もう生後3ヶ月・・・母胎からの免疫が切れる頃だろう。「その代り、安くして下さいよ!」と半ば強引に言ってやったぜ。

ゴリライモのような容貌にアバウトな性格でどうしようもない獣医だが、野良猫には温かいところもある。獣医が誰しも完全である訳ではない。我々も獣医の意識を育てる事が出来るかも知れないし、それが不可能ならば獣医を使い分けるしかないのだ。このゴリライモの場合は本当にだらしないのだけれど、どうしても置き場所のない保護猫を里親さんがつくまでの間、格安でとりあえず預かってくれるのだ。こちらも利用させては頂いている訳だ。それなりにきちんと金も落として来たけれど。

しかしあの獣医・・・だらしなさ過ぎる。今日も募集チラシを作って持って行った時に覗いたら、4匹のトイレの新聞紙はもうベチャベチャで乾いた部分は無く、足の踏み場もなかった。私が「掃除しますよ」と言っても「やる人が来るからいいですよ」と言う。私は「今」やってあげたいのだ!しかしあまり強引にうるさい事ばかり言っても、こういう男はそれ自体が煩わしくなって、今度は私を遠ざけたいと思うだろう。早くあそこから出してあげないと、健康な仔猫だって弱ってしまう。

猫のMさんから電話があり、先日紹介した里親候補の方は、去勢手術と室内飼いを約束させようとしたら、退いてしまったと言う。仕方ない。Mさんは、昨年あの怪しい男(指名手配写真のトクナガと名乗った男)の一件以来、ますます条件を厳しくして里親探しをしているのだ。今ではこれまでの保護エリアのみならず、鶴見の総持寺の野良猫の捕獲・避妊にも力を貸しているようだ。経験に基づく知恵や方法、そして資金の提供をしてくれているらしい。自分も身体がきついのに、この活動をしている人達はみな強い意志を持って自分にムチ打っている。私など、全くのど素人だ。

仕事が忙しくて、会社の仕事だけで疲れきってしまう。しかし里親募集の掲載依頼が届いている。頑張ってそれだけしたら寝よう。風呂は・・・パスだ。当然。

ジャムは、寝て起きると大きくなっている。立派な体つきになって来た。爪研ぎも真剣。遊びも真剣。そして眠っている時に、まるで母親のおっぱいを吸っているかのように口をチュパチュパと動かしているのを見たら、不憫で堪らなくなった。絶対に家の子になつた事が一番幸せであると言える位に、いっぱい愛してあげるからね。自分の境遇を知ってか知らずか、全部の猫に甘えて、私達に甘えて、やりたい放題で疲れて寝ている。おやすみ、ジャム。寝ている間は静かだから、ゆっくり寝なさい。


inserted by FC2 system