ニャンタロー

ジャムに警戒

May.26,2001

昨夜も遅くなり、夜明けに腹を減らして泣きながら寝たのだが、9時前に代引きの荷物が届くという電話で起こされてしまった。ネットの共同購入で買った「電子ハリ治療器1980円」だ。よりによって休日の朝はやめて欲しい。しかし腹が減って仕方ないので、出掛ける予定もある事だし、しぶしぶと起きてご飯を食べる。

荷物が届いたのは、何と11時をかなり回ってからだった。11時には家を出る予定だったのに。今日は、急に明美さんの家に行く事になった。ジャムも連れて行く。ジャムはキャリーに入れられても車が走り出しても、全然平気でくつろいでいた。流石に肝がすわっている。しかし、前を行くノロマの4駆(案の定、運転はオンナだよ!)が右折に手間取って信号が変りそうだったのでアタマに来てクラクションを鳴らし、やっとトップに出たのでガーッと踏み込んでスピードを上げたら、大きなキャリーの中で転がってしまったようだ。ごめんね、ジャム。しかし、そんなのは全然平っちゃらなジャムである。

横浜山手あたりは、休日とあって観光客が溢れていた。こちらは「お上りさんの観光じゃないもんね〜♪」と涼しい顔で明美さんの家に向う。家の前から携帯で電話を入れると、リュウ君がガレージの電動シャッターを開けに来てくれた。髪も背も少し伸びたような気がする。

いつ行っても素敵なお家だ。しかもお昼の時間をはずしたつもりだったのだが、ちゃんと手料理を用意してくれていた。もちろん美味しくいただく。今日は、松花堂弁当に美しく盛りつけられた料理の数々。大根と白身魚の酢の物、野菜と昆布を細切りにして薄味で炊いた煮物、鶏ササミのたたき、豚肉と野菜の団子、無農薬の生野菜、そして黒米のおにぎり(!)である。夕飯に食べて戴こうと思ってお土産に持って行った鮭とマグロの刺身もお持たせで出して戴いちゃった。お代わりは?と聞かれて、結局黒頃おにぎりを4つも食べてしまった。何が「お昼の時間をはずした」だ?

だけど明美さんの価値観がきちんと出ている生活ぶりや、その手間を惜しまない食生活には、お手本にしたいものがたくさんある。そして明美さんの優しさ・懐の深さには、私などが背伸びしたって追いつけない大人の女性としての許容量を感じる。だからつい甘えてご馳走になり、ひとしきり愚痴などこぼしてしまうのだ。

さてジャムの反応である。いつも通りニャンタローが、「子守り猫」の面目躍如で直ぐに来る。ショータローもマイペースながら、興味津々でつきまとっていた。あみっちとジュリナは隠れ家で寝ていて、ポッポ太郎は洗面所の棚の上で寝ていたが、私達が傍に行くと目を覚まして可愛い声で鳴いた。リビングにやって来ると、背中ポンポンをさんざんして貰い、ますます逞しくなった身体をゴロンゴロンさせていた。ポッポ8`・・・ミュウと同じだが、顔や骨格ががっしりと大きいので、ポッポの方が大きく見えてしまう。

ジャムはいつもよりはお行儀良く、あっちこっちを探検して回り、あまりに広いリビングと見慣れない猫に少し戸惑ったのかレースのカーテンの後ろに隠れたりもしたが、明美さんにもリュウくんにもリラックスして抱っこされていた。「今度はこの子が来たのかな?」とでも言いたげなニャンタローが、ソファの上のジャムを覗いていると、ジャムは何度でも助走をつけて挑んで行く。初めての場所だから、少しは自分を強く見せなくちゃ・・・とでも思ったのか、初めてシャーをしていた。しかし殆ど何も問題なし。ジャムは抵抗力があるなあ・・・。

途中ももさんから電話を戴き、不要になったケージとトイレを取りに伺う事になったので、明美さんの家からの帰り道に立ち寄らせて戴く。掲示板で「要りませんか?」と呼びかけてくれていたものに「いります!」と名乗りを挙げたのだ。こう里子に出す猫が多くなってキャリーやコンテナを買ってばかりいては、いずれ財宝(?)も底をつく。しかも自分の保護した猫ではないのに、幾らでも私が里親さんを連れて来ると思っているあのカバ獣医は、何一つ用意していないのだ。ああ、また腹が立ってきたぞ。

ももさんの家は、高台の静かな住宅地にあった。偶然、その社宅が建つ前にあったアパートにはこうちゃんの友人が住んでいて、20年以上前に訪ねて来た事があったというまさにその場所であった。驚いた。ジャムを連れていたので玄関先で失礼したのではあるが、猫のももちゃんとにゃあこも出て来てくれて、写真も撮らせて戴いた。優しい顔をしている。抱っこしても、ちゃんと大人しくしている。愛されて育ったのが良く判る。2匹の写真は、《猫の手倶楽部》のページに物資カンパのお礼と共に載せさせて戴こうと思うので、どうぞお楽しみに。その際はまた、更新ガイドでお知らせする。

ご主人は背の高い優しそうな方だったし、ももさんは若くてかなり綺麗な人だったので、くたびれた顔と服とボサボサの髪で初めて会う事になってしまった私はちょっと恥ずかしかったが、とても気さくなカンジの良い女性で始終笑顔を見せてくれた。綺麗に洗っておいてくれたケージとトイレはにゃあこちゃんとももちゃんのお別れの儀式も受けて、何とお薦めの店のキムチまで用意してくれていた!お、重たい!これは半端な量ではない。良い匂いが袋から漏れている。早く食べてみたい。よし、今夜は焼き肉だ!と帰路、突然肉を買って帰る事にした。

しかしジャムを早く家に連れて帰りたいので、私だけスーパーの近くで降ろして貰う。ジャムを置き、猫たちの世話をしてから迎えに来て貰うのだ。ゆっくり買い物して店を出ると、こうちゃんが駐車場に車を停めて走って来た。やけに汗をかいている。「どうしたの?」と尋くと、家で年寄りたちが騒いでいると言う。電話が使えなくなったという事だ。2階の電話を使わせろと舅が上がって来るのだが、電話したいだけではない事は先刻承知である。話し相手をさせ、逐一報告させたいのだ。ボケても支配欲はちゃんと残っている。

何と言う事はない、電話は子機で電話してちゃんと切っていなかったものだから、親機でかけられないだけだった。私達が出掛けていたものだから、近所の人に助けを求めたらしい。NTTに電話して修理に来て貰うと言っていたが、むろん故障などではない。そうそう壊れるものではない。そろそろ電話も使えなくなったか。

舅はその後も何度も2階に上がって来るのだが、その理由が奮っている。よくもまあ思いつくものだ・・・と感心するような理由を考えて現れるのだ。かなり呆けているのも確かだが、まだまだ気は抜けないぞ、このじいさんは。

焼き肉は3人分たっぷり用意して、もし西村さんが仕事帰りに寄れれば食べさせようと考えていたのだが、今日は終日仕事で明日も朝から出社すると言うので、残念ながら2人で全部食べた。ももさんのキムチは、本格的な白菜キムチとニンニクの茎のキムチ、そして青唐辛子の味噌漬けまであった。どれも凄く美味しい。2人でご飯3合、ペロリだった。それにしてもキムチ・・・高いものなのにこんなに一杯・・・申し訳なくて、だけど有り難い。毎日たんと食べるぞ!私が食べられなくなったら、もうおしまいだ。明日も朝から予定がある。里親さんを獣医に連れて行って、仔猫をお迎えしたらお宅まで送って行くのだ。朝寝がしたいなあ・・・。

さあ、ニャンタローのちょっと困った顔が今夜の顔だ。気の好いニャンちゃん・ショーちゃん、そしてリュウ君、今日はジャムと遊んでくれて有り難う!

明美さんお手製弁当


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