アイン

コテコテ

Jun.20,2001

新しい洗濯機は、午前中の配送予定が大幅に遅れて2時過ぎに届いた。雨の五十日だから道が混んだのだろうが、午後からは仕事に出るつもりでいたのが狂ってしまった。まあ仕方ない。狭い階段や踊り場を運ぶのだからと、踊り場に置いてある本棚を移動させたり、キッチンのテーブルも移動、洗濯機回りも片付けて待つ。何とまあ、色んな物が溢れんばかりにしまい込まれていた事か。こんなに長年引っ越しをしない事はなかったので、やはり知らず知らず物が増えていたのだ。

配送のお兄さんはパンクな若い青年だったが、「あ、アメショーだ!何匹いるんですか?」と言うので話してみると、彼もアメショーの仔猫を飼い始めたばかりだと言う。ミュウを見て「大きいですねぇ・・・」と感心していた。そう、大きいのよ。ミュゥとジーコは並んでベッドに座っておとなしくしていたのだが、人間大好きなアインちゃんは、お兄さんの手にスリスリして甘えていた。これだものな!

古い方の洗濯機を運び出しながら「今のうちに下を掃除しておいて下さい」と言うので見てみると、思わず赤面する程に汚い。ホコリは大量だし、ワインのコルクが10個以上、ビンのフタも何個か、冷蔵庫のマグネットも2〜3個、煙草の箱、ライター、小さなキューピー人形などびっしりと敷き詰めてあった。いや、アインがサッカーした結果なのだが。何年か前まではいつも夜中に独りで、手頃な物をテーブルから落としては(あるいはジャンプして冷蔵庫のマグネットを叩き落として)サッカーしていたものね。きっと冷蔵庫の下にも色々入っているんだろうな・・・。猫好きなお兄さんに氷をたくさん入れたジュースを差し出したら、美味しそうに飲み干してくれた。もう一人いたのだが、こちらは「飲むとバテるから・・・」と素っ気なく断られてしまった。

新しい洗濯機は、イオンすすぎとやらが出来る物だ。何という事はない、塩をセットしておいて水道水の中の成分を中和するだけなのだが。早速洗おうと思ったが、蛇口まで給水のホースが届かない。こんなに短いホースが標準セットなのか?仕方なく、延長ホースを買いに出た。

川っぷちにある日曜大工の店に行く。ここの店主は、これまでにもとても親切に説明してくれる人で好感を抱いていた。今日もホースだけでなく、寝室のドアの鍵が壊れてしまった事も相談したのだが、大変明快な説明をしてくれて、先ずは言われた通りに構造を見る事にした。ついでに窓の補助ロックも買っておいた。風を入れたい時に少しだけ窓を開けていると、ロックをはずした途端にミュウがサッシを開けてベランダに出てしまうのだ。ベランダくらい出ても良い・・・とは言えなくなって来た。また枯れ枝でも食べて喉につかえたりしたら大変だから。ミュウの気管支の炎症や肺炎は、多分それが原因だと思うから。

店のご主人は、猫ちゃんの為だけだったら防犯の為という事ではないので簡単な構造の補助ロックで良いでしょう・・・と安い補助ロックを勧めてくれた。他にも壊れつつあるウォシュレットの給水部やシステムキッチンの混合水栓のパッキンの取り替え(これが大変に複雑な構造でなかなか手が出ない)など、相談したい事は山ほどあるのだが、一度にはやめておこうと思って先ずは帰宅した。お腹も空いていた。ずっと配達を待っていて、昼を食べ損なっていたのだ。

食材を色々と仕入れて家に戻ると、ゴマが2日ぶりでベッドでオシッコしていた。洗濯機が壊れてから、一度もしていなかったのだ。頭いいね、ゴマ。早速洗濯する。そして冷やし中華を作って食べる。具は薄焼き卵とキュウリ、ハム、そしてトマト。蒸し暑くて、冷たいものが食べたかった。

移動させた家具を戻し、洗濯物を干し終わる頃には疲れてしまった。電話も次々とかかってくるし、夕飯はもう簡単に済ませようという事で、ご飯を炊き、胡瓜と茄子の塩もみに青唐辛子を大量に刻んで加えた我が家の夏の定番の一夜漬け、そしてイカをさっと焼いて食べた。青唐辛子は予想・期待以上にとても辛かった。辛くて、熱いご飯が舌に痛い程だった。さっぱりと美味しいご飯だった。

アインは、今夜は大部調子良いみたいで、熱心に顔を洗っている。具合悪いとグルーミングなどしなくなるのだ。よかった。毎日が気掛かりだが、新しい季節が来ると思うので、また生活のパターンも変えていかなくちゃ。一番大切なのは猫たちだもの。この子たちの気持ちを居た番に考えて生きていきたい。

そして、あの店のおじさんに言われた通りにやってみたところ、鍵は壊れていた訳ではなくて、ちゃんと直ったのだった!私達の留守中に、施錠してあるところを何度も何度も舅が力任せにガチャガチャと開けようとするものだから、ネジが緩んでいただけだった。ネジだって、表に出ている訳ではない、どこがどう回るのかなど素人には判らない。また簡単に判ってしまう構造では、鍵の役目を果たさないのうが。かなり手こずったのも確かだが、業者を呼ばなくて良かった。ドアの鍵というものの仕組みも判ったし、何よりもお金がかからずに済んだ。こう次々と物が壊れていては、我が家は破産する。破産せずに済んだので、八百屋で安く売っていた小粒の枇杷を食べ、さあ今夜はお風呂に入ろう。


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