キジ白旅立ち

Jun.24,2001

今日広島空港に向けて輸送するはずだった獣医の仔猫は、急遽出雲空港に変更になってしまった。広島上空の天候不順で、飛行機が羽田に戻って来てしまっていると、家を出てから携帯に日本航空貨物から電話が入った。そんな事を言われても困る・・・と思ったが、相手がお天気では勝ち目はない。仕方なく引き返して、家から里親さんに連絡を取る。元々、さとおやさんは出雲の方なのだ。今日、呉まで奥さんを車で迎えに行くので、広島で受け取れるようにしたいという依頼だったのだ。出雲にトンボ帰りして受け取って戴く事にした。

さてそれからが大変だった。手元には日本航空と全日空の時刻表しかない。全日空では、羽田から出雲に飛行機は飛んでいないのだ。福岡・出雲間を飛んでいるというのに、どうして?悔しいが104に電話して、日本エアシステムの電話を聞く。念のため、出雲空港にも電話して天候を聞く。それから予約を入れ、里親さんに確認を取り、獣医に迎えに行く時間を遅らせると電話する。獣医は日曜日は昼までしかいないと言うのを、連れ出しててしまってからコンテナで連れ歩くのは可哀想だから、少しでもお迎え自体を遅らせようと思った。前回は断られたのだが、誰の為に動いてやっているんだ?と腹が立った。今日は有無を言わさなかった。こうちゃんが電話したせいもあるかも知れないが・・・。

里親さんと何度か電話で話し、手紙を入れた封筒をコンテナに貼り付けて、ようやく再度出発する。この時点で既にクタクタだ。まったく何が起きるか判らない。日曜日でも第一京浜は意外と混んでいて、環八に入ってからようやくスイスイと走る。里子に行くキジ白は、なかなか度胸が座っていて、しばらくはニャーニャー鳴いていたのだが、やがて眠ってしまった。

羽田空港の敷地内は広い。速度制限はあるのか?という位、みんな飛ばしている。これから陽が出るのか、東京湾は眩しく靄っていた。貨物地区は一番遠いので、なかなか走り応えがある。ゲートで書類に記入してパスを貰い、JASのカウンターで荷送りの手続きを済ませる。仔猫をコンテナから出して抱き上げ、お別れに記念撮影をした。まだ名前もない仔猫。これから遠くまで一人で旅をするのだ。航空会社の人が「もう少しご一緒にいて貰っても結構ですよ。」と言ってくれる。自分が育てた子ではないものの、縁あって間に入り、島根県まで送る事になった仔猫。目が大きくて、抱っこが大好きな男の子だった。さようなら。幸せになるんだよ。

帰り道、私もこうちゃんも頭がガンガンと痛くなった。緊張が緩んだせいだろう。昨夜あまり寝ていないせいもある。給油だけして帰っ(それにしても、このところガソリンを良く入れるなあ・・・)て、すぐ眠るつもりだったのだがなかなかそうもいかない。遅い昼食を済ませ、家事を済ませてから1時間半ほど熟睡した。腹の立つ夢を見て、隣で寝ていたこうちゃんの肩口をぶん殴って目が醒めた。夢で敵の攻撃を受け止めたところだった(笑)。のろのろと起き出して煙草に火をつけ、オレンジジュースを1杯飲む。夢の名残で気分が悪い。

しかしメールチェックすると、里親さんが決まりましたという知らせが何と3つも届いていた!これが嬉しい。自分が出した仔猫のデータ移行も必要だし、さあ、これから『里子に行った猫たち』へデータを移行しなくちゃ。獣医の仔猫はまだ3匹残っているのだが、2匹は結膜炎が酷くなっていて、今すぐには里子に出せる状態ではなかったし、もう1匹は獣医が家で飼おうと思うと言っていた。これで縁切りとしたいものだ。あとは、チロちゃんの仔猫たちの事と、チロちゃんの家庭内捕獲と避妊、そしてその後の方針も決めなくちゃ。そして自分のこれからも。


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