アイン
この夏もうらめしや

Jul 20,2001

夕方おつかいに行こうと下に降りていったら、ソファに座っていた舅が「おはよう!おはよう!」と声を掛けた。昨夜は玄関のドアチェーンをかけ忘れたら、何度もドアを開け閉めしていた。誰かを招き入れているかの言葉を発しながら。(ぞ〜〜っ!)別の部屋に行ったスキに、素早くチェーンをかけてしまった。その後「おかあちゃん、おかあちゃん!」と叫んでいたが、諦めて寝たようだ。すっかり昼夜逆転しているから、買い出しから帰った時には「朝ご飯は何時食べさせてくれるんだ?」と言っていた。とほほ。「朝ご飯はね、好物のウナギを買ってきましたよ!」

昔からウナギや握り寿司は、ご飯をすっかり残して上っ面だけ食べる人なので、そんな贅沢は敵だ!とばかりに、ウナギは一口大に刻んでタレと混ぜて、いわゆる「ひつまぶし」に仕上げてしまった。この手に限るかな?

夜、障害児を扱ったドキュメンタリー番組を見ていたので更新が遅れてしまった。高校生の頃までは、ガールスカウトのボランティア活動で隣町の養護施設に時々行っていた。ダウン症の子供を預かっている全寮制の養護施設で、まだ小さい子供ばかりなのだが親元を離れてそこで暮らしていた。その頃は特に信念で行っていた訳ではなく、ただ単純に「ボランティアというものはした方が良いのだ」という程度の意識だったと思う。あの時もっと考えていたならば、その後の道の選択は違ったものになっていたかも知れないのに、そこで目的を見いだせる程には私は心をこめていなかったのだろう。

しかもガールスカウトのリーダーにはそこの保母さんもいた。その人は東京の両家の令嬢で、大学卒業の後にはアメリカで教育を受け、どんな華やかな職業にも就けたであろう優秀な人だったが、ダウン症の子供たちど出会って迷わず自分の進む道を決めたと言っていた。私など利発なつもりでも、何とぼーっとしていた事だろう。身近にいた尊敬する人から何か吸収する事もなしに、無目的なまま大学進学して、なりたいものもないまま会社勤めをして来た私。

だけど私がこんな事を言ったら、みきこちゃんはきっと「そんな風に使命感を持って養護学校の先生になる人ばかりじゃないよ。」と言ってくれる事だろう。今、ヒデちゃんが3日間の連休で里帰りしている。昨夜は電話で久し振りに声を聞いた。ちゃんと覚えていて「トム赤ちゃん!」と第一声に言ってくれた。明るい声だった。ドライブの約束もまだ果たしていない。来月には長いお休みで帰って来ると言うから、その時にはドライブに行こうね、ヒデちゃん。

とりわけ暑い夏だ。猫たちもぐったりしている。とは言っても、弱くエアコンをつけっぱなしにしている部屋の中だ。人間だけだったらガマンするのだが、猫には過保護でいけない。涼し過ぎてもいけないからと、始終温度管理に神経を使う。一日中寝ている猫たち。

今夜はどこかで花火大会があったらしく、音だけが風に乗って聞こえていた。今年も綱島の花火大会はないのだろうか。ベランダで猫たちと観ていた頃が懐かしい。花火大会と言えば、SUNちゃんのお家の方でも花火だったらしい。お母さんとの『往復書簡』で全文載せる前に、また一部分だけ抜粋してしまう。しみじみとして下さい。

「SUNちゃん、ほら見てごらん。今夜は宇品の花火大会だよ。屋上から見るとこん
なに綺麗だ。見えるでしょう。もうすっかり夏がやって来たね。」


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