ゴマ

ジャムには
負けます

Sep. 8,2001

今朝、大和くんは無事退院した。同時に退院するはずだった隼人くんは、尻尾を切り落とした傷を自分で掻きむしってしまったらしく、膿んでしまったので入院期間が延びた。大和くんはエイズと腎臓・肝臓の症状があるものの、一応は元気に暴れていたらしい。一旦は家に連れ帰ったものの、ケージに入れたら、フードを与えたりトイレの始末の時ですら脱走の危険がある程に、閉じ込めておく事が難しい子だ。保護主の美保さんとそのパートナーは獣医さんとも良く相談し、私にも電話で相談してくれた上で、今日のうちに大和君を元の場所に戻す決意をした。辛い決断だっただろうと思う。

キャリーに入れたまま電車で四谷に運び元の場所に行くと、それまではキャリーの隅でお尻を向けて固まったままだった大和くんが、古巣の空気を嗅いでこちら向きになり、ドアを開けると一度威嚇してから勢いよく走り去った。しかし・・・踵を返して再び美保さんたちの近くに走り寄って、睨みつけるように見上げてからもう一度走って行ったという。美保さんは恨まれているように感じたと言うが、そうではないと思う。わざわざ戻って来て、顔を見て行ったのだもの。きっと何か感謝の気持ちを伝えたかったのではないだろうか?美保さん、エイズのキャリアの子を去勢してあげただけでも、喧嘩や交尾の可能性がなくなったし、足や耳の怪我も治療してあげられたし、脱水症状も治してあげられたのだから、立派に捕獲した責任を果たしてあげたと思って、胸を張ってこれからも大和くんを見守ってあげてね。

隼人くんの退院時も、その状態によっては同様の決断をしなければならないと思っている。仔猫ではないから里親さんも探しにくく、保護して置くと言ってもペット不可というばかりか、正式に承諾を得ようとして大家さんからも不動産屋からも断られているという状況で、そう長くは隠して置いておけないだろう。それに兄弟のいる古巣に戻りたい気持ちもあるはずだ。暖かい家とご飯のある生活の方が良いだろう・・・と思う気持ちも当然ある。しかしハナクソを野良に戻した時も、これ以上狭いケージに閉じこめておいては、この子はストレスでおかしくなってしまう・・・と判断せざるを得なかった。そしてその後で、寒い冬間日々には毎晩のように後悔もした。だけど仕方ない。そうするしかない場合もあるのよ、美保さん。誰も貴女の判断を間違いだと言う人はいないはず。これからも自分に出来る事を、そして自分独りでは出来ない事を、人とのコミュニケーションと協力によって成し遂げて行って欲しい。お節介オバサンはそう思う。

今日はみきこの誕生日であった。何もプレゼントはないが、電話してしばしお喋りをした。みきこは、昨夜こうちゃんが命名したうめちゃんの「恥ずかしい名前」の『アヌーク・うーめ』をいたく気に入ってくれて、古い映画の話題でも盛り上がった。話は尽きず、また会って喋り明かそうという事で電話を切った。しんちゃんは中国出張から戻っていなくて、みきこと5匹の猫たちだけでの誕生日らしい。首輪を着ける習慣のない5匹たちに、《猫手屋》のネックレスを買ってやる事にしてくれた。これはお祭りだ!と言う気持ちに賛同してくれたのが嬉しい。それに、本当に品物が良いもの。今日もモデルの写真がいっぱい追加出来た。みなさん、本当に見事に可愛い。しかも飼い主の見立ても素晴らしい。我が子の似合うものは、みなさん良く知っている。

ゴマは、今朝方やっとトイレに入ってオシッコした。既に寝ようとしていた私もこうちゃんも、同時に飛び起きて「ゴマちゃん、偉いね〜!」と大袈裟に誉め、ご褒美をあげた。当然ジャムが割り込んで来て先に貰おうとする。ゴマもジャムには勝てない。だけどジャムのお陰で、ゴマの気持ちが落ち着いて来ているのだと思うと、ジャムにもご褒美で良いのかな?

追記:大和くんたちの保護主の美保さんから、今日の経緯を知らせてくれるメールが届いたので、早速SOSの方に掲載した。是非そちらもご参照下さい。


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