乃り子ちゃん

Sep.13,2001

今は14日である。過去の日付で「猫雑記」を書いた事はなかったのだが、ひとつの記録として書いておこうかと思う。不思議な出来事を。

この日、「みょーこ姉ちゃん」の家に行った。初対面ではあるのだが、既に私はこの人を姉と慕っている。その気持ちは会ってみて更に強まった。ずっと前から知っている人のような気もするし、それはかなり肉親に対する思いに近い事を再確認した。みょーこ姉ちゃんも私を可愛がって大事にしてくれているのを自惚れではなく感じていたし、その思いは更に強まった。

みょーこ姉ちゃんは美味しいものをいっぱい作ってくれていたので、私とこうちゃんはせっせと食べた。箸を置く暇なし。6匹の猫たちは既に『ペット自慢』で掲載したので写真は見ていたが、実際に会ってみると実に愛らしい。いずれも保護猫であり、当初は悲惨な子もいたようだが、愛されてどんどん可愛くなった見本だ。中でもオシッコが続いていたのに、倫太郎・愛次郎兄弟が来た時には乳母を務め、それを契機にオネショが治ったという乃り子ちゃんのエピソードなどゴマと同じだと思っていたら態度まで一緒で、こうちゃんの膝に自分から駆け上ったかと思いきや、寝返りまで打って眠り続けた。これもゴマと同じだ。

鍼灸師の資格とゴッドハンドを持つみょーこ姉ちゃんは、私の肩を揉んでくれながら、こんな酷い肩は見た事がないと怒っていた。疲労が溜まっているというよりは、性格が問題なのだと言われる。そうだろうな・・・と自分でも納得する。性格はもう治らない。少しくらい揉んだところでほぐれる肩じゃないぞ!と叱られながらも、この人だって相当に自分の身体を粗末にしていると感じていた。みょーこ姉ちゃんは、私と同じ持病を持っているのだ。そして人に任せる事をせず、自分で全て抱え込んでしまう短気(誤解を恐れずに敢て「短気」と表現しよう)な性格。私達は同類なのだ・・・と。

私達はビールを飲み、たらふく料理を頂いた。しかしみょーこ姉ちゃんは一口も料理を食べない。毎日仕事と猫の世話に生き、酒と煙草だけで露命を繋いでいるような人だった。私には身体を大切にしろと言いながら、オーバーな言い方をすれば自分は死に急いでいるような気がしてならなかった。ふと話のついでに出た、そのマンションのある辺りの土地にまつわる話を聞いたのだが、そこは第二次世界大戦末期に大本営の秘密基地を作った場所の脇で、その基地の工事に従事した作業員が秘密保持の為に大量に殺されて埋められ場所の近くだと言う。なので新築工事がある度に人骨がたくさん掘り出されるとか、人によっては2度と来たくないと言う人もいると言う。大と山の間の狭い谷間の土地で、昨日は雨の後のひんやりとした冷気が溜まっている感じの重たい空気だった。

お互い朝が早い身なので、あまり遅くならないうちにおいとまして帰って来た。いっぱいお土産を持たされて。固まっていたリンパを揉まれて、その痛さの余りにビールのほろ酔いはすっかり醒めていたし、姉ちゃんが出来た事の嬉しさでルンルンと帰って来たのだが、家に戻ると間もなく調子が悪くなってきた。身体の奥底にあった疲れが表面に出てきたのだろう・・・という位にしか考えなかったのだが、PCを立ち上げる事も出来ない程の状態になり、訳も判らずそのまま眠ってしまった。更新をしなかったらみんな心配するだろうな・・・とぼんやり考えながらも、身体はもう動かなかった。明日になれば元に戻るさ・・・と思いながら・・・。本当に恐くなったのは、今日14日になってからだ。

続きは14日の「猫雑記」で。


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