幻の愛次郎

Oct.9,2001

ようやく他人の手によって愛次郎の姿が撮影された。愛次郎とは、みょーこ姉ちゃんの家の忍者猫である。私はまだ、実物を殆ど拝ませて貰えていない。兄貴の倫太郎は抱っこもしたし大部触らせてくれるようになったのだが、愛次郎はいつも押入の中でじつと気配を殺している。撮影に成功したのは、みょーこ姉ちゃんの家にお泊まりした月光仮面である。見ればおニャアニャンの家のマシェリか雅か・・・という面差しではないか。尤もマシェリと雅の方が、ずっと堂々としているが・・・。80cの時に兄貴の倫太郎と共にヨックモックの缶に入れられて棄てられていた愛次郎。預かる人もなく、仕事に出掛けている間に死んでいるのじゃないかと気が気でなかったというみょーこ姉ちゃんの代りに、乃り子ちゃんが子守りをしてくれていたらしい。乃り子は、それを契機にオネショ癖が治ったのだと言う。まるでゴマだ。倫太郎・愛次郎・・・良く育ったなあ!乃り子は偉いぞ!!

昨日はある野良猫を捕獲に行ったのだが、何時間待っても遂に姿を現してくれなかった。雨のせいなのか、それとも私達から「捕獲」のオーラが出過ぎていたのか(笑)、兎に角影も形も見せてくれなかった。ある野良猫というのは、とある家の庭に住みついた捨て猫で、名前をヒョウ太郎という。人懐こい可愛いヤツなのだが大変な暴れん坊で、洗濯物は落としてしまうわ、余所の家の庭は荒らすわ(その「余所の家」の人の言う事ではあるが)で、近所では既に毒ダンゴを置かれている。殺して保健所に引き取って貰うと言われている猫である。外猫としてエサをあげているSさんは、既に捕獲して去勢手術も済ませているのだが・・・。

実はこのヒョウ太郎・・・去勢手術の後、あるボランティアさんのエサやり担当地区に放したのだった。住みついた家からは人間の足でも40分はかかる場所である。山の中の森で、充分なテリトリーが確保出来、しかも交通事故の心配のない広大な場所、そして毎朝・毎晩潤沢なエサを与えられ、エサやりもその場所から正式に認知されているという恵まれた環境だった。ところが、放して2週間ほど経ったある朝、ヒョウ太郎は元居た庭に戻って来ていた。奇しくもそれは、その家の主の誕生日だったそうだ。どうやって、どこのルートを通って戻ったのか・・・この話を聞いて、その道のりの交通量や距離を考えるだに不思議でならない。猫が平気で移動出来る道のりではないのだ。それ程に、あの場所に戻りたいという執念があったという事か・・・。

その家には臆病な保護猫が家猫として飼われてている。乱暴者のヒョウ太郎との同居は難しいようだ。非常に悩んだ奥さん(卓球の天才少女「愛ちゃん」に似ているので、私達夫婦は勝手に「愛ちゃん」と呼んでいる)は先のボランティアHさんに相談して、もう一度捕獲する事に決めたのだった。愛ちゃんは、本当は家に置きたい気持ちが強いのだと思う。責任感も強いし、人に依存するタイプではない。猫の為には、かなりの犠牲を払える熱血漢の愛ちゃんである。

そしてヒョウ太郎は、今朝無事(?)に捕獲器に入ったらしい。日が暮れたら、また山に放すと聞いた。だけどまた戻るのではないか?今度は途中で轢かれてしまうのではないか?いろいろな不安がよぎる。しかしこの場合、一体どんな解決策があるだろうか?今も隣家の周りには、ターゲットはヒョウ太郎だけでなしに毒ダンゴが置かれているのだ。話し合いの余地がない相手というのは確かにいる。いくら地域猫として責任を持って糞やエサの食べ残しを掃除していても、そういう野良猫の存在そのものが許せないと言う相手がいる事を、改めて思い知らされる。猫好きが聞いたら悶死する程のひどい事を、平気でする人間が現実にいるのだ。多分、引っ越しの時に置いて行かれた猫なのだろうと、愛ちゃんは言う。自分を棄てた飼い主との楽しい想い出のある土地なのかも知れない。賢くて不憫なヒョウ太郎。どんな運命が待っているのだろう?

そうこうしているうちに(ここまで書いたところで)、Hさんの家で一時預かりをする事になった!既に6匹の家猫がいるので、しばらくはケージ飼いで様子を見るとの事。駆けつけて見れば、何と大人しい甘えん坊の猫じやないか。捕獲器の中に手を入れても、威嚇するどころかスリスリしてくる。抱っこも出来る。歯や爪も見させてくれる。愛ちゃんの言う通り、棄てられた家猫である事は一目瞭然だ。肉球も柔らかい綺麗な状態だし、耳や鼻面にも傷ひとつない。去勢したのがほんの2週間ほど前なのだから、あの大きさのオス猫がずっと野良猫でいたら喧嘩傷だらけのはずだ。

Hさんはもう山には放したくないから家の子にする努力をしたいと言うので、一応良い里親さんが見つかるよう努力してみるつもりだ。愛ちゃんとも電話で話したが、Hさんの好意に甘えて成り行きを見守ろうとよ・・・言っておいた。責任感の塊みたいな愛ちゃんは大部恐縮していたけれど、愛ちゃんの娘は山に放す事をとても悲しんでいたと言うし、この事を知ったらきっと喜ぶだろう。良い結果になるといいね。Hさんは・・・えーい、まどろっこしい!Hさんというのはみょーこ姉ちゃんである・・・みょーこ姉ちゃんは最悪の場合自分が飼うと決心しているのだが、こんな健気なヒョウ太郎を我が子にしてくれる人を是非探したいと私は思う。近日中に写真を撮りに行くので、そうしたら綺麗なヒョウ太郎の姿をお目に掛けます。

そんな訳で今夜もバタバタしていたのだが、家に戻った途端にアインの様子がおかしくなった。部屋の隅でうずくまり、苦しそうにしている。これは・・・と思い、発作の時に打つ為の利尿剤を思い切って打ってみた。今はもう落ち着いているのだが、発作の時は表情が変ってしまう。あまりに険しい顔をしていたので、無力な自分が腹立たしかった。利尿剤自体は直ぐに効き目を現わし、何度もオシッコしては水を飲んでいる。今は抱っこしてグルグルうるさい位にしているのだが、やはり油断しているとこんな事になるのかな・・・と反省した。出来るだけ傍にいてやるからね。

うめちゃんちの保護猫・ぽんきちのその後であるが、相変わらず健気に甘えるぽんきちに、先住のうめきちが襲いかかろうとするようだ。どちらの心も判るだけに、うめちゃんは苦しんでいる。ぽんきちがエイズキャリアである事は、もはやうめちゃんがぽんきちを飼う気持ちを鈍らせてはいない。2匹が仲良く幸せに暮らせる為に、どうしたら良いのか・・・それだけを考えての里親さん探しなのだ。このぽんきちの無邪気な表情と、うめちゃんの近況報告を併せてご覧戴きたいと思う。あまりにも可愛いぽんきちの顔。私だって、もの凄く心が動くんだぞ。アインがこんな状況では、とても受け入れられないのだが、せめてこちらも良い結末になる事だけを祈る気持ちだ。
 

ぽんきち

あどけない

Oct.9,2001

昨日うめきちが、ぽんきちを襲おうとしたのを止めに入り
ぽんきちの代りに噛まれてしまい負傷を受けました。
後からうめきちも私を噛んだのだと気付き、申し訳なさそうにしていました。
ぽんきちが負傷を受けずに良かったのですが
今回は脂肪が出る程、深く噛まれてしまいました。

お互いにストレスを感じているのですね。。。。

この環境で様子をみてもいいものなのか? なんだか複雑な気持ちです。
里親希望の方は、猫エイズの事を話すと引いてしまわれます。
内心ホッとした気持ちもします。。。
いっそこのまま、うちでと思う気もありますが難しいですね。
言葉が話せたら、両方の猫に気持ちを聞きたいです。
これからは接触しないようにして様子をみてみます。
多分日にちが過ぎても仲良くなるのは無理だと実感しました。

ぽんきちを心から受け入れてくださる方が見つかる迄
私も頑張っていきます。


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