夢丸くん

Dec.23,2001

ニャムちゃんは天国に行ってしまったけれど、私たちの心にたくさんの思いを残してくれた。ニャムちゃんが天に召されたその日に、うれしい便りも届いた。SOSのサバちゃん(夢丸くん)を覚えてくれているだろうか?交通事故に遭い、視力を失い、顎の骨も折り、しかもエイズキャリアであるという酷い状態だった子だが、保護者の女性の努力が実り、ご家族の許しも得て家に置いて貰える事になった猫だった。(サバちゃん改め夢丸くんを知らない方は、SOSのコーナーでご参照下さい。)その夢丸くんの近況と写真が届いたのだ。以下、お便りを引用させて戴きます。
 

御無沙汰しております。夢丸の母です。

川口さんに連絡をしなくちゃ、夏頃から(!)ずっと思っており、年も押し迫ったここ数日はそのことが頭から離れなくなっていたところ(ホント)、昨日メールをいただいたので、かなりびっくりしました。

夢丸はとても元気です。もうすっかり家の中に入り込み、寒いこの頃では夜、ファンヒーターの前の椅子でまあるくなって寝てばかりいます。

今日ひさしぶりにHPを拝見して、相変わらず川口さんはすごいなぁと改めて感動しました。
(トップページが変わったんですね。)ずっとずっとお返しをしなくちゃ、と思いつつ、ばたばたとしていて数カ月過ぎてしまいました。ようやく仕事等、バタバタの原因も落ち着きましたので、
今日、猫の手倶楽部に1万円振り込ませていただきました。火曜日の扱いになってしまうと思いますが、御確認ください。

これからも御相談させていただくことがあるかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。

嬉しい。こういう事を続けていると、幸せになった子の様子を聞くのが何よりも一番嬉しい。私はなにをした訳でもない。ひたすら声援していただけだ。実際に現場で一人闘っていたのは、保護者の若い女性である。今では家族の方にも可愛がられている様子だし、夢丸くん自身がこんなにのびのびと落ち着いた様子を見せていて、顔もすっかり綺麗になっている。オシャレな豹柄の首輪まで着けて、お家の中でポカポカ暖まっているかと思うと、嬉しくて興奮してしまう。ありがとう、手を差し伸べてくれる人たち。夢丸くんの場合も、ニャムちゃんの場合も、アーちゃん達虐待された猫たち、川に落ちそうになって必死に兄妹で支え合っていた仔猫たち、カラスに目をえぐり取られてしまったSUNちゃん、ヤマトくん、チョロちゃん、ミーヤちゃん、そして辛い目に遭ってきた多くの他の猫たちに手を差し伸べて保護してくれた人達、それを引き受けてくれた人達、支援してくれた人達・・・その人達の事を思う度、人間だって素晴らしいと感じずにはいられない。
 

エサやりの帰りに、みょーこ姉ちゃんの家に寄った。どうも週末恒例になりつつあるな。鶴見の駅ビル地下の食品街にある魚屋で、お寿司と新鮮な烏賊をお土産にする。お寿司を一緒に食べようと考えて、電話もせずに突然訪ねたのだ。ちょうどお山の猫たちのエサやりの時間だったから留守だろうとは思ったが、マンションの前で待っていたら直ぐに帰って来た。その時、私達は空を見ていた。冬枯れの木の枝の間で、星のようなものが瞬いている。しかし星ではない。チカチカする光が3〜4個集まって光っている。飛行機かな?とも思ったが、殆ど動かない。少しだけ右に行ったかと思えば、またほんの僅かだけ左に移動している。光は確かに瞬いている。ヘリコプターはあんなに高い場所は飛ばないよね?と言いながら、一体なんだろう・・・と飽きずに眺めていた。そこにエサやりを済ませたみょーこ姉ちゃんが帰って来た。

部屋に入ると、愛次郎が急いで隠れるところに遭遇した。愛次郎と実々子だけはまだ隠れてしまう。しかし乃り子も有芽子も自分から膝に乗ってくれるし、倫太郎と瓢六も人懐こい。珠子もマイペースでいてくれる。大切にされている子たちを見ると、こちらも幸せな気分になる。何故猫が好きなのか・・・それは理屈では言えない。しかし見ているだけで幸せな気分にさせて貰えて、猫たちに感謝している事だけは確かだ。

みょーこ姉ちゃんは、南瓜の煮物と浸し豆と広島菜とポテトサラダを手早く用意してくれた。どれもヘルシーで美味しい。家は綺麗に片付いているし、料理はマメにするし、全ての猫達には優しいし、まるで実の姉を得たようである。また手料理を食べに行くからね。40匹の野良猫へのエサやり、お疲れさま!姉ちゃんのあかぎれだらけの手は、事務職のサラリーマンとは思えない、まるで昔の農家の嫁のようだったよ。私なんか楽しているなあ・・・と思う。

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