随分前に仕込んだハッシュドビーフの残り・・・毎日、火入れだけは欠かさないでいたのだが、今朝食べてみたら驚いた。ドミグラス・ソースが深い味わいで、まさに絶品。成る程、洋食屋のドミグラス・ソースも何日も煮込んで作るところは美味しいが、家庭でも充分に近づける味なのだ。 そもそも素人である家庭の主婦がプロに適わない料理というのは、熟練の技術を要するものが多い。ウナギを主婦がさばいて蒸したり焼いたりして蒲焼きに仕立てる事は、まずあり得ない。天麩羅も、専門店で食べさせるものに近づく事は至難の技だ。にぎり鮨も家庭ではあまり作らないだろうし、美味しい蕎麦を打つのも大変だ。もちろん、素材と腕だけでは無理な部分もある。家庭の台所ではスペースも道具も乏しい。毎日そればかり作っている専門家のようには、用具を揃える事も出来ないし、年に何度か食べる(作る)だけでは腕前も上達するはずもない。 亡くなった祖母は蕎麦もうどんも自分で打っていたが、台所の床が粉だらけになっていたし、腕っ節の強い女丈夫であったから、あまり一般的な事例ではない。家族はみんなウナギが好きではあったが、当然の事ながら家でさばいて焼くなどという事はついぞ無かった。それは専門家の領域だと思っていたし。 しかし煮込み料理は、本当に家庭料理向けである。手抜きをせずに丁寧に真面目に作れば、ありきたりの材料でもプロ並みの味が出せる有り難い調理法だと思う。我が家は貧しいので、大した材料は買わない。牛のスネ肉、玉葱、セロリ、人参、トマト缶などで充分に美味しいシチューになるし、カレーは香辛料を揃える時にやや費用がかかるものの、市販のカレールウなど比べモノにならないほど自分で作ると美味しい。余所の家でたまに食べるとそこそこ美味しく感じるインスタントのカレーではあるが、我が家では使わない。 しかしその事と、外の料理屋で食べると嬉しいという事は別問題である。たまにしか外食しない私には、ファミレスであろうと結構嬉しい。これはズボラ願望である。私だって、いつもいつも気力がみなぎっている訳ではない。上げ膳据え膳は嬉しいに決まっている。主婦はみんなそうだよね? 加納さんの新たな保護猫チャオ君の写真を見ていて、どうしてこの人はこんなに猫たちを可愛く撮れるのだろう?と不思議な気持ちになった。しかも保護して来たばかりの子を、いつもいつも愛らしく撮ってあげている。彼女は猫をリラックスさせて、その魅力を引き出す魔法が使えるのだろうか?そう思いたくなる程に愛くるしい写真が続いて、つい里親募集のコーナーにも写真を追加してしまった。 今夜はイエス・キリストの誕生日前夜だ。私はクリスチャンなので、今夜だけはお酒を解禁にして祝った。明美さんから送って戴いた赤ワインとチーズで乾杯したのだが、ゴマを除く4匹は「チーズくれ!」「チーズくれ!」「もっとくれ!」と大変だった。今夜だけだよ、ちょっとだけだよ!と対応に追われる。赤ワインはブルゴーニュとは思えない程の強い個性のフルボディで、これまた珍しく匂いの強いブリーにとても良く合った。その後は炊きたてご飯に、烏賊のワタ炒めと漬け物、これまた頂き物の「いかなごのくぎ煮」ですっかり食べ過ぎてしまった。プレゼントやケーキ、一切の飾りものなしのクリスマスだが、神が私達人間の為にこの地上に生まれて来てくれた事に感謝し、祝う気持ちは一杯だ。 全ての命の上に神の愛がありますように!!
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