ジーコ

緊張

Feb. 2,2002

皆様に激励して頂いていたクーちゃんは、今日の昼前に天国に召されて行った。ずっと苦しい息づかいだったのが、最後に3回ほど「う〜〜ん」と全身で伸びをして、小さく啼いてから息を引き取ったと言う。

クーちゃんは本当に幸せだったと思う。捨て猫で、且つ白血病のキャリアで、家に入れた時には既に弱っていたのだ。この1年の間に栄養状態も好くなり、すっかり元気になって太っていた。そしてお家で最期を迎える事が出来たのは、何よりも安心だっただろう。貴子さん・あやこさん、お疲れさま。まだたくさんいる保護猫たちの為にも、元気を出して欲しい。

舅は昨日家に戻ってから1階の仏間に寝かされているのだが、同じ1階の寝室で寝る姑は「トイレに起きたりした時に怖い」などととぼけた事を言うので、昨日の夜は義姉が泊まってくれた。私は「そんな事言っても、お義父さまはお義母さまのところに行って『おかあちゃん、おかあちゃん』といつものように起こしますよ、きっと。」と言ってやった。姑は「そうしたら、あっちにロコちゃん(義姉の愛称)が寝ているわよ・・・と言ってやるわよ。」と笑っていた。明るくしてくれているので有り難い。我が儘いっぱいの幸せな91年の人生を終えたのだ。身内が泣いては却って舅に失礼だ。幼い頃に死んだお母さんのところに、やっと行けますね、と祝ってあげたい位だ。

密葬で・・・とは言っても、セレモニーとしてはあまり変らない内容なので、やるべき支度は結構多かった。しまった。隣近所を呼ばないという事は、全部家族に手間が掛かってくるのだ。お通夜と告別式の後の料理は、仕出しを頼む事にする。とてもじゃないがこの嫁には、9人前の料理など作れないぞ。平素2人で4人前食べているからと言うのとは、また別問題である。

祭壇には13個のおダンゴをお供えしろと葬儀屋が言うので、さっきエサやりに行った帰りに上新粉を買って来た。自分でダンゴなど作るのは初めての経験だ。子供の頃には、母親の作った月見ダンゴを食べた記憶がある。しかし自活するようになってからは、十五夜のお供えなど思い出しもしなかった。しかしここは、霊前へのお供えである。作りましたよ、何とか。

しかし真ん丸のダンゴを作るのが、あんなに大変だとは思わなかった。子供の頃に粘土でおダンゴを作っていたはずなのだが、真ん丸に形を整えるのは意外と難しい。やっと13個丸めて、現代の嫁は電子レンジの蒸し器で蒸した。チーン!で取り出して見たら、ダンゴ同士がくっついてしまって取れないものが幾つもある。しかも固い。4個位ずつくっつきあったものを、上手く組み合わせてピラミッド形に盛り上げる。これを食べろと言われたらちょっと嫌かも知れないと思いつつ、舅に供えて来た。上手く出来なくてごめんね、お義父さま・・・でも、どうせおダンコなんか嫌いでしょ?死ぬ前日まで飲みたいと言っていたほど大好きだった缶ビールもついでにお供えしたから、機嫌を悪くしないでね。

いつもより遙かに人の出入りが多いし、今日は義姉夫婦が犬のキューティを連れて来ていたので、鳴き声がする度にジーコは緊張していた。合間を見ては2階に上がって来ているが、しばらくママは出たり入ったりだよ。ちょっとの間、我慢してね。


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