ゴマ

窓辺

Feb.26,2002

ゴマは綺麗だ。猫は皆それぞれに綺麗だが、サビ猫の美しさは格別だと思う。もちろん親の欲目もあるだろうが、余所のサビ猫を見ても惚れ惚れするのだから、あながち欲目ばかりでもないような気がする。野良にいた時には本当に地味で汚く見えたものだったが、それは私の審美眼が成熟していなかったせいだとも思う。光の中で輝く被毛の美しさは、どの毛色にも負けない。隠れていた茶トラ縞までが浮き上がって見えたり、複雑に何色もが入り混じっている様子は、つい見とれてしまう。窓辺でのこの写真は、ゴマのページにも載せておいた。ゴマの美しさを、あちこちで気付いて欲しいという親心だ。

ゴマの頭のハゲの部分にも、うっすらと毛が生えて来た。しかし今日見たら、同じ場所に爪の鞘が抜け落ちてからみついており、それを取り除いたら毛が束で取れた。またジャムか?!あんなに可愛がった仔猫にこんな仕打ちを受けるとは、可哀想なゴマちゃん。これ以上やられないように、ゴマに鉄カブト(ヘルメットとも言う)をかぶせたい位だ。

加納さんは、今日も朝からジェイ君の残りの兄妹の1匹を探しに出掛けていた。周辺を聞き込みしてみると、母犬を含め数頭の野良犬が棲息している事が判ったようだ。その事実の重さに愕然とするが、日本全国のあちこちに存在する問題でもある。流石に都会では野犬を見る事はなくなったが、自然の残る場所では相変らず犬が捨てられて野犬化し、それが繁殖もしている。山梨の犬捨て山の例を持ち出すまでもなく、全国各地にある現象なのだ。人間の勝手な都合で捨てられる犬や猫たち・・・それも避妊すらしないで捨てる人間。ペットを捨てる事の出来るような人間には、避妊という意識など所詮持ち合わせていないのかも知れないが、人間はやっぱり振り向けば「鬼」なのだと思う。地獄で針の山を登らされるまでは、自分の罪を悔いる事はないのだろう。

ジェイ君の兄妹らしき1匹は、姿だけは今日も確認出来ているので、保護出来るように祈っている。お天気が崩れて来そうなのが心配だ。犬も猫も、そして一日中外で奔走している加納さんも。体力には限界がある。せめて暖かい晴れの日が続いてくれるだけでも有り難いのだが・・・。

そんな話題の後に申し訳ないのだが、今日1ヶ月ぶり(いや、それ以上か?)ハナクソの姿を確認出来た。どう言うべきか・・・いや、単純に嬉しい!廃屋のようなあばら屋の、屋根の一番てっぺんにいた。「ハナちゃん、ハナクソ!」と呼ぶとこっちを見ているが、全然降りては来ない。辺りを見たら、エサ場のバイクの陰にやっぱり茶白のオスがいた。こいつが真っ先に缶詰を食べているのだ。しかし大量に持って行っている。この茶白が立ち去れば、ハナクソも降りて来るだろう。別のエサ場も確認したが、ちゃんと大量のカリカリが置かれていた。しかもクロヅラがその脇で腹這いになっていた。みんな逞しいわ、あの辺りの野良猫は。しかしハナクソが一番可愛い顔をしている事は確かだ。遠目に見ても、ふっくら丸々と愛らしい体つきだった。傍には近寄れなくても、元気でいてくれるだけで良い。あばら屋が取り壊される日が来ませんように!(永久に・・・という訳にはいかないだろうが・・・)

今夜は豚肉の生姜焼き。豚は肩ロースが美味しい。焼く直前に生姜のすり下ろしと醤油・酒に漬けて、あまり長い時間浸しておかないようにする。さっと肉の両面に味をまぶしたら、熱々のフライパンで一気に焼く。一瞬で焦げ目が付くように焼かないと、豚肉の生姜煮のようになってしまう。ここからはアレンジ。焼き上げる寸前に、セロリの斜め薄切りを加えて炒りつける。セロリは下の方の軸の太いところをスティックサラダにしてしまい、瞬時に炒めるには上の方の葉の付いた軸の細い部分が良い。爽やかな香りと歯触りが加わって、他の野菜を一緒に炒めたりするよりも美味しい。うちでは、それを丼ご飯にのっけてしまう。だから「今夜は豚肉の生姜焼き丼」と言った方が正しいかな。

でも最近、体調が良くなくて食欲がない。今夜も二人にご飯は2合で済んでしまった。疲れているのか、歳のせいなのか・・・。気掛かりな事もあるから、食欲にはてきめんに影響する。え?二人に2合でも多い?多かね〜よっ!
ジャムの独り言

ゴマはあたしのママなの?一番遊んでくれるけど、叩き返すのもゴマママだけよ。あたしたちって似たもの同士なんだもん。あたしだってママになっていたら、きっとおしとやかになれたのに、手術されちゃったからね・・・。もう一生このまま怪獣として生きるしかないのよね、きっと。


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