ミュウ

悪党とデブ

Mar.19,2002

二人とも朝まで仕事をしていたので、さて少しは寝ようか・・・という頃には、すっかり日が昇っていた。ウグイスが鳴いている。上手に鳴いているのもいるが、まだ下手糞でちゃんと「ホーホケキョ」と鳴けないのもいる。いっぱい鳴いて上手になりなさい・・・と思って耳を澄ませているが、「ひ〜〜〜よっこいしょ!」と聞こえるので、可笑しくてなかなか眠れない。この辺りは住宅地だが山の中で、夏までウグイスの鳴き声を楽しめる。群馬の町なかにいた頃にはウグイスだってろくに聴いた事がなかったのに、横浜は山だ。ウグイスを聞くのは初めてのジャムは、しきりにキョロキョロしている。「お前も寝ろ」とパパに言われていた。

やっと決意したのに、なかなかPCのデスクが手に入れられない。先ず家具屋が近くにない。PC−DEPOTを見たけれど、所謂PCラックのようなものしかない。通販カタログを片っ端から見ているが、みな帯に短したすきに長しである。ダブルベッドを退けた空きスペースは、幅140センチある。目一杯の幅とそこそこの奥行きが欲しいし、デスクの下には足湯器を置きたいと思うのでダイニングテーブルを考えていたのだが、安いモノは大抵が椅子4脚とセット販売である。高いモノは幅180センチというのが多い。やっと見つけた「これしかない!」というものは、問い合せしたところ既に取り扱い終了しているという返事だった。がっくり。やはり大きな家具センターのようなところに行かなくては駄目か。

エサやりの時チャッキーを探しに行ったら、バラック飲み屋のところに居た居た。私を見て「う゛に゛ゃ〜〜」と鳴くので「おお、元気か?」と声を掛けると、後ずさりして逃げた。他にも見た事のない子が何匹か居る。ここに疥癬の薬入りの缶詰を置いてやらなければならないだろう。一応、店の人に声を掛ける事にした。この店は、一昨年怜ちゃんを保護した時に声を掛けておいた店である。今日応対に出て来たのは、30代くらいの女性だったが、一昨年の事は聞き覚えていたようだ。「あの子、死んじゃったんですよね?」と言っていたので。チャッキーを去勢した事、疥癬が蔓延しているかも知れないのでお薬入りのフードを置かせて貰いたい事、他の子も順次捕獲・避妊する予定だという事、そして耳ピアスをしているけれどあれは虐待ではない事などを伝える。やはり耳ピアスには気付いていて、「何だか可哀想・・・」と感じていたらしい。きちんと説明したら、ちゃんと判ってくれて「ご苦労様ですね」と言われる。フードのトレイは、缶詰フードを食べきったら場所を決めて置いておいて貰えるようにお願いした。先ずは一歩前進。人とは話してみるものだ。しかし、地域猫の説明をした張り紙などは断られてしまった。

そしてそこには、もう何年かの付き合いのクロヅラ三毛がいた。今日はゆっくり全身を見る事が出来た。このクロヅラは、一昨年にはもう子供を産まなくなっているという話だったのだが、今日見たらお腹が大きいような気がする。しまった!どこを根城にしているのか判らないまま、年に何度か私のエサ場まで足を延ばしてきているのに遭遇するだけだったが、ビル建築ラッシュで居場所を失い、この飲み屋の裏に居ついていたのかも知れない。店の裏とは言っても、そこは両側に車の通る道を持つ駐車場であり、駅への近道という事でひっきりなしに人が通り過ぎる通路兼駐車場なのだ。いつでも捕獲するつもりで捕獲器は積んでいたのだが、工事の大型車両が来てドヤドヤと男たちがそのあたりに群れてしまい、猫たちはパーッと散っていってしまった。あまりに人通りが多くて、おちおち捕獲出来る場所ではない。私のいつものエサ場の方が、まだよほどマシである。今日は諦めて帰って来たが、疲れがどっと出て、クロヅラの事ではしばし落ち込む。もっと早く、そこら中を探し回ってでも捕まえておくべきだった。

しかし今更グズグスしてはいられないから、明日はウグイスの鳴くのを聴かずに出掛けよう。チャッキーの顔の傷が、たった数日で随分と良くなっていたのは唯一の救いだ。それに明らかに私に向かって何か言っていた。まさか「お姉さん、色々とありがとう」とは言ってはおるまい。「こないだは、よくも痛い目に遭わせてくれたな〜!覚えてろよ!タマは取られても、オレは強いんだぞ!!」と言いたそうな顔であった。バカモノ。強いならば、後ずさりして逃げるな。よりこやハナクソとは会えなかったが、無事でいてくれると信じる。あの子たちは、賢くてしぶといからね。

先日から、もの凄く気になっている里親募集の猫がいる。名前を「オオデコ」というらしい。写真を見ると、成る程・・・と思う。とぼけた顔の、とぼけた性格らしいが、飼い主だったおじいさんが亡くなるか何かで居なくなった後もそのアパートに住み続け、時々外を徘徊していたらしい。アパートが取り壊されてしまいオオデコは行方が判らなくなっていたのだが、次に発見された時には痩せ衰えていたそうだ。

保護主さんは既に多頭飼いで、しかも神経質な子がいるので、出来れば里子に出したいと言う事らしい。オオデコも、誰に威嚇されようが知らん顔でとぼけているそうだが、ストレスで下痢しているそうだから、やはりそれなりに気を使っているのだろう。もう若くもなければ器量よしでもないオオデコではあるが、何だか憎めない表情の、どうしても心に引っ掛かる猫なのだ。詳細は里親募集コーナーでもご覧頂けますし、『オオデコ Canopus』に行って頂けたら、写真がたくさん掲載されています。是非、オオデコを応援してあげて下さい。終の棲家が見つかることを、心から祈りたいと思います。オオデコ・・・頑張れ!

こちらにお問い合わせ頂いてもお取り次ぎ致しますので、是非あなたのおうちに余裕があればオオデコを迎えてあげてはいただけませんか?宜しくお願い致します。でも「オオデコ・・・可哀想だからウチで引き取ってあげられたら・・・」と心を動かしてくれる人に限って、これでもか!というような多頭飼いの人ばっかりなのだ。
ゴマの独り言

昨夜、パパとママはししゃもを焼いて食べていたの。脂の乗った、とっても美味しそうなししゃもだったからあたしも食べたくてお利口にして待っていたんだけど、テーブルの上ではミュウとジーコが「くれ、くれ!」「ししゃも、もっとくれ!」とワラワラしていたの。しばらくしてやっとデブと弱虫がいなくなったので、あたしが食器棚からテーブルに軽やかにジャンプして「あたしのししゃもは?」と尋いたら、「あ、ごめんゴマちゃん。もうなくなっちゃった・・・。」ですって。酷いと思わない?またベッドでオシッコしちゃおうかしら?でも、そのお陰でホタテを貰ったのよ、あたしだけね。うふふ・・・。


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