ジーコ

きりっ!

May.31,2002

昨夜も寝苦しい夜だった。あまりにしんどいので朝の4時には諦めて起きかけたが、それでは本末転倒だ。身体を休める事も自分の責任だ。暗闇の中で氷水を作って飲み、タバコを2本吸ってまたベッドに戻った。ゴマは律儀にキッチンについて来て「にゃんにゃん」と鳴いたが、「ゴマちゃんも寝なさい」と言って私は寝てしまった。

次に起きるともう8時。こうちゃんは起きて仕事を始めていた。コーヒーを淹れて、なに食べる〜?と訊くと、パンでいいよと答える。しからばチーズトーストだ。厚切りのパンにチーズたんまり・・・チーズを焦がして食べる。熱くて上顎に火傷した。居酒屋ではないが、「冷やしトマト」も食べる。こう書かないと、トマト単品で食べる場合は何というのだろう?トマトサラダなんてものじゃない。一切手を加えず、洗って切っただけ。

『お気に入り』コーナーで紹介している水掃除機に関して、「あなたは騙されています」という親切な書き込みがあった。少し前にも多分別の男性から「ぼったくりですか?」という唐突な書き込みがあったが、今回の人はきちんとご自分のサイトのURLも記入してあり、丁寧なご挨拶から始まる礼儀正しいものだった。早速その方のサイトを見に行くと、ご本人はきちんと正体を明らかにしている珍しい方で、これにも好感が持てる。

あの掃除機は、確かに高価である。40万円近い金額で、今頃の季節に購入して冬のボーナス一括払いで支払った。もちろん痛い出費だった。改めて断るまでもないだろうが、我が家は裕福ではない。むしろ貧乏に限りなく近い。しかし真面目に働いて、節約すべきところは真面目に節約して貯金もしてきた。だからいざ欲しいモノがある場合は、割と思い切って買える。特にこの10年というものは、舅・姑の傲慢さに耐える為に、いつかマンションか家を買ってこんな家を出てやるぞ!と心に決めながら、せっせと共稼ぎしてせっせと貯めた。

私の価値観は、若い頃から非常に偏っている。自分が納得しないものにお金を遣う事は、大変なストレスとなる。成人式も結婚披露宴も新婚旅行もしなかった。親が出すと言ったとしても、親に金を出させる事もストレスなのだ。学生時代はアルバイトもせずに、親からの仕送りだけで生活していた。実際のところ、毎日の宿題(大学生なのに・・・)とテスト、購読や即読の講義の為の予習、そして自炊していたので家事労働に忙しかったからアルバイトなどとても出来なかった。

真面目と言えば真面目なのだが、高校生の時にあまりに世間をナメて勉強以外のたくさんの事に精を出していたら、あっという間に箸にも棒にもかからない程のスーパー劣等生に転落した苦い思い出があるのと、勉強が好きではないとしか思えない娘の大学進学には反対していた父親に逆らって、母親と結託して無理やり進学させて貰った負い目があるのとで、実は大学の4年間は必死で勉強した。後にも先にも、あの頃ほど勉強した事はない。20歳にもなって仮性近視になった程、薄暗い電灯の下で夜なべをして勉強した。

あのときの勉強が何の役に立っているのかと言えば、直接役立っている事はないと断言出来るが、その気になれば自分も頑張りが効くのだという自信回復には繋がった。天才ではないどころか、むしろ人よりも怠け者でおっちょこちょいの私なんか人並み以上にコツコツ努力しないと何事も成就しないのだと、あの頃しみじみ感じた。

話が一見すると脱線したようだが、つまり限られた時間と体力、そして経済力しか与えられていない事を自覚した時から、その限られた条件の中で自分が費やす時間とお金の使い道は、意識して努力して取捨選択するようになったのだ・・・という事を言いたい訳だ。これは、大変に「ケチ」な人生の幕開けでもあった。

洋服にお金をかけたのは、33歳の時のほんの1年だけだ。仕事柄きちんとしたスーツを着なければならなかった時期に、仕方なく買った。当時まだ交際すらしていなかったこうちゃんが服装を上手に誉めてくれるものだから、単純な頭の私はどんどん洋服を買った。今にして思うと無駄であるが、あの時期はこうちゃんを釣り上げる助走でもあったのだから、まあ仕方ないだろう。(はい、一着も着られませんよ、今では。5号サイズのミニのスーツで良ければ、差し上げます。)

あとは化粧品は買わない、旅行はしない、外に飲みには行かない(食べに行くことはたまにある)、衣類は擦り切れるまで着る(しかもいつも同じものを着ている事はみょーこ姉ちゃんが証言してくれるだろうし、何ヶ月か一度しか会わない「8匹のかあたん」も「前に会ったときもそのトレーナーだったわね。」と言っていた)し、その服だって妹からのお下がりである。何年かに一度、誰もくれないパンツやブラジャーを渋々と買う程度で、そのパンツも穴が開くまで穿くのだ。清潔にさえしていれば、何を着ていても気にならない。

これでタバコも止めれば更に節約出来るのだろうが、何から何まで節約してお金を貯めたい訳ではない。どうせ苦しい人生だもの、わざわざする事は楽しんで出来る事に限定したい。タバコもPCも猫も車も、私には楽しんでしている道楽なんだから、別にケチる必要はない。ついでに言えば、鍋・食器・家具・の類は売る程ある。これも好きなのだから仕方ない。

そういう訳で、掃除機40万円が高いか安いかの議論は、価値観の違う人としてもまったく無意味なのだ。私は衝動買いの性癖もあるから、生活に必要のないドイツ人画家のリトグラフ36万も一目惚れして買ったし、今ではお蔵入りの羽毛布団も5層構造鍋もローンで買った。しかし、買って後悔しているものは少ない。たとえ安くても、使わなかったり楽しめなかったりすれば無駄遣いである。200万円と言われれば買えなかっただろうが、40万円は元をとる程に満足して使い続けている。

親切で忠告してくれたであろう若者に、牙をむいては申し訳なかったが、私も若い頃には大人に叩かれて成長した。叩いてくれる大人は親切なのだ。猫がからむと辛抱強く付き合うけれど、それ以外の場面では議論をするまでもなく切り捨てる。私が30年以上かけて作り上げてきた価値観は、誰にも崩せないのだ。自己満足出来たら、それが何よりも一番なのよん。
ジャムの独り言

ジャムばっかり出てくるって?それは手抜きしているママに言ってよ。

来週末に、また声の大きいオバチャンが来るんだって。オバチャンは、ジャムがおっきく可愛くなったって驚くかなあ?早くミュウも追い越したいなあ・・・!(それじゃアイちゃんだって・・・)

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