ジャム

この目は涼しげ?

Jul.23,2002


朝から笑わせて貰った。みょーこ姉ちゃんの掲示板の書込みに。

電話が鳴る。はずみで出た。
「○△□と申します。奥様ですか?」「違います」「お嬢様ですか?」「違います」「(絶句)、ただ今クーラーのお掃除キャンペーンで50円にてお引き受けしています」「ウチはクーラーありません」「(絶句)、お布団の丸洗いもお安くしております」「ウチはフトン有りません」「(絶句)、失礼いたしました」

内容は違えど、休暇で家にいると結構こんな電話多いな。迷惑だ。今度「奥様は鹿鳴館にテレサ様と踊りに行ってます。わたすは女中だで、分かりませーん」と言ってやろう。
電話は乃り子と愛次郎がよく切ってくれる。今度自分で切って乃り子のせいにしよう。

これではナンシー関だ。エッチ電話がかかってくる。「ハアハア・・・奥さん・・・」「奥さんじゃねーよ!」「じゃあお嬢さん?」「お嬢さんじゃねーよ!」「アンタ幾つ?」「47(歳)!]確かこんなやりとりを、故人の何らかのエッセイで読んだ記憶がある。

実はこのセールス電話はうちにもかかってきた。会社名に聞き覚えがある。そうだ、私がサクラの如く宣伝してやった水フィルターの掃除機を扱っている会社だ。なので「うちにはおたくの高価な掃除機があって大変重宝しています。人にも宣伝していますし、高いと言って悪評を流す人をやっつけてあげてもいます。御社から感謝状を戴きたい位です。ところで貴女はあの掃除機を買いましたか?まだだったら是非お買いになると良いですよ。どういう風に良いかは、多分貴女よりも私の方がずーっと詳しく知っている位です。」と一気にまくしたててやったら、今後ともどうぞ宜しくお願い致しますと言ってさっさと電話を切られてしまった。残念だ。

会社で事務をとっている頃にも、しょっちゅうセールス電話があった。社長さんはいらっしゃいますか?とくる。いちいち繋いでいられないので、必ず「おさしつかえなければご用件はワタクシが承らせて戴いております。」と慇懃に且つ流暢に高圧的に言う。すると大抵が金の先物取引の勧誘だったりするので、今度は少し演技して「ウチは資金の余裕がないので・・・」としおらしく言ってみる。すると案の定「いや、そんなご謙遜を・・・」等と言う。そこですかさず「ところで、おたくからはお金を融資していただけないですかねえ?」と言うと、困ったように笑って電話を切ろうとする営業マンばかりだった。その当時いた会社は、社長が金にルーズで厚顔無恥。私は残業代もナシで経理と営業と人事と社長一族のプライベートな問題の処理に至るまで何から何まで一手に押し付けられ、しかも年がら年中資金繰りに窮していたものだからこんな手が使えた訳で、信用を重んじるまともな会社ではこんな応対をしている事が知れたら大目玉であろう。

その当時一緒に働いていた社長の叔父さんにあたる山本老人という人が、大変に剛毅で面白い人だった。たまたま山本さんが電話に出た場合は、「おう、そうかい。そんなに金の先物は儲かるのかい?」等とからかい始める。この山本老人は、ボケ防止の為にと週に2〜3度出社して来て、私にコーヒーを淹れて貰い、お昼を買って来て貰い、色々な面白い四方山話(彼はオリンピック代表に選ばれるはずの陸上選手だったのが、特攻隊に入って鹿児島で終戦を迎えたという経歴の持ち主だった)を聞かせてくれ、電話の少ない暇な時期は少し昼寝をして、ラッシュになる前に「オレはそろそろ帰ってもいいかい?」と必ず同じ事を訊いては、機嫌よく帰って行く人だった。私は山本さんが大好きだった。

その山本さんが「そうかい・・・そんなに儲かるのかい・・・」と金相場の営業の電話にしきりに感心している。相手は、なかなか口調の偉そうな老人が話に乗って来ているので、色々と力説しているようだ。山本さんは「なるほどねえ・・・うん、そりゃあ面白そうだね。」等と言っていたかと思ったら、いよいよクロージングを始める。「そんなに儲かるんだったら、アンタも是非投資してみたいだろう?オレがさ、アンタに金を1千万ほど貸してやるよ。それでアンタ、先物投資してみなよ。利息はさあ・・・そうだなあ、1割でいいよ。なあ、いい話だろう?どうだい?やってみないかい?」と大きな声で畳み掛けている。しかし誰一人として乗って来た相手はいなかった。ヤバイ相手だと思ったのだろうか?一様にさっさと電話を切りたがっていた。

ちなみに山本さんは、少しもヤバイ筋の人なんかじゃなく、旧家の生まれの真面目な団体職員であったのだが、自分の定年後は、ずっと年下の奥さん(20歳近く年下だったと思う)はまだ現役で働いているので留守番は退屈だからと、甥の会社に遊びに来ては甲斐甲斐しい川口さん(私の事である)に世話を焼いてもらうのが楽しみな人だった。私も剛毅で硬派の山本さんは、自宅に帰ると関所を作っている口うるさくて女々しい舅と比べると遥かに接し易くて好きだったから、色んな話をしては笑い転げていた。大抵の時間がたった二人きりのオフィスでは、たまにそんな風に退屈しのぎにセールスをからかったりしないと、下手をすると二人とも居眠りしそうな暇な日もあったのだ。あの頃は楽しかったね・・・山本さん。山本さんももう90歳近いと思うとけど、まだお元気だろうか?

物凄く暑かったので冷たいものを食べるつもりが、朝にはクッパ、昼にはニンニクと唐辛子たっぷりのペペロンチーノ、いずれも食べ終わると汗が吹き出た。この2階はクーラーをかけていても全然涼しくない。しかしトイレに行ってみると、部屋が涼しかった事を知る。せめて夜は冷たいものが食べたい。鶏肉があるので、酒蒸しにして冷やしてから棒々鶏風のサラダにしよう。しかし猫が欲しがるだろうな。猫と言っても、鶏肉を欲しがるのはアメショー3匹だけなのだが。

マルコは昼間はベッドの下に入って寝ていたようだが、誰かが通りかかると手を出してじゃれつく。開け放したケージの中はゴマが気に入って寝ていたのだが、そこに入り込んでまたじゃれる。しばらく組み伏せては舐めてやって相手をしていたゴマだが、マルコのしつこさに最後は逃げる。マルコ今度はジーコの尻尾にじゃれる。ジーコ飛びかかるが相手はしない。毎日少しずつ、みんなの距離が縮まって来ているような気がする。アインも特に調子を崩していないし、明日はほぼ1日留守にしなければならないのだが、多分もう大丈夫だろう。みんな、しっかりとお留守番をお願いね。

今年は里親募集が本当に多い。そうなると需要と供給のバランスは全然とれていない。頭も胃も痛い。掲載するだけ・・・と事務的になれないのが困る。どうしても入り込み過ぎるのだ。仕方ないな、そういう性分なのだから。


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