ゴマ

雷嫌い

Aug.2,2002

昨夜の雷は序章であったようだ。今日の午後の雷雨は、久し振りの本格的なものだった。ゴマはうろたえて落ち着かなかった。外にいた数ヶ月は、さぞかし恐い日々だったのだろう。真夏の間は野良猫だったし、やっと保護してやったのは台風の前兆の土砂降りの中だった。出産の最中だというのに、鳴きながら助けを求めて駆け寄ってきたゴマ。あの時の事を思い出す度、ゴマが可哀想で可哀想で、特にこの子の気持ちは生涯大切にしてやりたいと思う。

そのゴマが、上手にマルコをあやし始めている。マルコも他の猫の場合と違って、乱暴に抱きついて噛もうとしてもゴマに喉をなめられるとうっとりしておとなしくなってしまう。ゴマのやり方に、ちょっとした違いがあるのかも知れない。あまりに微笑ましい光景なので、当然私は写真を撮ろうとする。しかし私がカメラを取って来ようとその場をそっと立ち去ると、ゴマはマルコを忘れて、私に付いて来てしまう。そこでまた思い出した。

ゴマが別室で自分の赤ちゃんを子育てしていた時、それはそれは素晴らしい母親ぶりを発揮してした。忍耐強く、そして優しい母猫ぶりには、アインの子育ての様子とあまりに違うものだから(アインは授乳すら狂いそうで、嫌々しているように見えた)感心して見ていたものだ。しかし、私たちやアメショー軍団とは別室に置いていたものだから、時々様子を見に行ってあげるだけだ。さぞかし寂しかっただろう。部屋のドアの前まで行くと、その気配でゴマは鳴いた。ドアを開けて入って行くと、私の姿を見た途端に、お乳には仔猫たちが吸い付いているのに仔猫を振り払って近づいて来てしまうのだった。マルコを優しく舐めている様子を見て、久し振りにゴマの子育てぶりを思い出した。母性も人一倍あれば、自らが子供のままでもある。

さて、本日こういう内容のメールが届いた。全文を引用させて戴く。
http://caramel.2ch.net/test/read.cgi/dog/1027625136/
川口さんは、猫雑記に「メイちゃんとメルちゃん」の記事を
掲載されてますよね。是非上記URLを読んでみてください。
盗難事件自体が、狂言である可能性が出てきました。

URLを見る限りでは、有名な掲示板らしい。私はその掲示板に対して、今回ここで批判するつもりはない。真面目な人もいるようだし、ネット上でのみ、その匿名性を盾にとって雄弁になれるような弱い人達も出入りしているようだし、私の名前も出た事があるのは知っているが、だからと言って特に何か感慨もなかった。

私は実体のある人間としてのみ存在したいし、何事に関しても実名でのみ発言して来たし、今後もそうするつもりだ。それが通用しないネットの世界であるならば、潔く身を退こうとも考えている。

しかしそれは私個人の美学であって、他人にそのやり方を押し付けるつもりは皆無だ。私は人に指図されるのも、指図するのも好きではない。弱いものの味方をする人に対してはかなりお節介で親切な川口さんではあるものの、完全に個人主義である事も事実だ。人のやり方、生き方には口出ししないし、されたくもない。そして世の中で一番嫌いなのは、何もしないで批評家の真似事をしている人達である事だけは、私の中ではハッキリしている。

やり方が下手糞でも、そして例え100点満点ではなくとも自分に出来る事をしようと頑張っている人が私は好きだし、私自身も口を動かすよりは身体を動かすべきだと思っている。頭の良いつもりの凡人がいっぱしの批評家ぶっているのを見るにつけ、それで生計を立てている場合であれ、滑稽でぶざまだと感じる。しかしそれも放っておく。せめて自分はバカでもいいから、もっと人の為、弱者の為になる事をしたいと思う。私が弱者でないのか?という疑問は、また別の問題だ。(私だって弱くて貧しくて無知なのよ、本当は。)

少し考えて、以下の返事を出した。

お知らせ有難うございました。

実は、かなり早い段階から私の掲示板で善意のどなたかが猫探しの協力依頼をしてきました。

私は、ちょっと(かなり?)マヌケな話だなあ・・・と思いつつ、猫には罪はないのだから・・・と、私に出来る協力は2つだけであると判断し、そのどちらをも実行しました。

それは拙サイトでのPRとチラシ作りでした。その旨を申し出て、ご本人からも正式に依頼を戴きました。もちろんボランティアとしての協力です。私のサイトは「愛護」色が濃く、個人への支援を目的とする基金やカンパのお願いをしているコーナーもありますが、このケースにはあてはまらない事は言うまでもありません。

即日、チラシを作り、仲間のオフィスで1000枚コピーして送付しました。

(途中削除。私ではなくて、猫を盗難に遭った人のプライバシーに関る内容ですので、ここで公表することは控えます)

そしてご本人のメールの内容から、ブリーダーである事も知りましたが、どこの猫だろうが、猫は可哀想だと思いました。

先に申し上げた通り、猫に罪はないから・・・と一度掲載した記事を削除する事は致しませんでした。

しかし、盗難そのものが狂言であるかどうかは別として、意図的に盗んだ猫を、ああやって私が個人サイトで掲載していても、先ず見つかることはあり得ないだろうと改めて考えます。可哀想な現実ですが・・・。

そこで、一切を削除いたします。

尚、私も一番最初は野良猫や家のない可哀想な猫の存在を知らず、ブリーダーから仲介されて純血種の猫を買いましたが、今では野良猫保護をする立場であり、里親探しのサイトの運営はかなり真面目に、大袈裟ではなく命を削ってしておりますので、ブリーダーやペットショップの宣伝はするつもりありません。そして、素人がブリーディングなどを営利目的でするべきではないという明確な意見も持っています。

素人と玄人の線引きは難しいですが、今回の方は、大事な猫の扱いに関しては甚だ緊張感と責任感が乏しかった事は事実で、あの失敗を教訓にして、今後のことは考えて戴きたいと願っていますが、私は忙しいので、ご本人とはその後接触しておりません。もっと優先順位の高い懸案事項が山積しているので、多分この内容もご本人にはお伝えする程には親切ではないでしょう。

わざわざお知らせ下さった事は、多分ご好意によるものだと判断し、お返事しております。ご好意で知らせて下さったのがどなたなのかが判れば、もっと更に気持ちが良いのですが、すみませんね、私は実名主義なもので・・・。どうして皆さん、実名で言い合わないのでしょう?

また、削除するにあたり、この内容で「猫雑記」でも報告したいと考えています。

考える機会を与えていただき、有難うございました。

こうは書いたものの、ブリーダーをしているというご本人が、私には嘘をついているとは到底思えない。

何度かメールのやりとりをした感じでは、謙虚で感じの良い女性である。ご本人の名誉の為に証言しておくが、私の愛護色の濃いサイトを見てくれて、自分がブリーダーをし始めた事も少し戸惑っていたのだ。決して悪い人ではないと思う。


今回のような、愛猫を失って傷ついている人を、あまりにもバッシングするのは如何なものかと疑問に思う。そっとしておいてはあげられないのだろうか?若干でも手伝った私が何も苦情を言わないのに、何もしないで批判だけする人達は、相当に暇でしかも害悪だと思う。その時間を、少し私に提供してはくれないだろうか?

私がもし愛するミュウたちをある日突然盗まれたりしたら(人間との付き合いもおろそかにして、猫と一緒にいる事を選択している私たち夫婦なので、あまり可能性はないと思うけれど、仮に・・・である)、残りの人生は日本中しらみつぶしに捜し歩くか、悲しみのあまり死んだ方がマシだと考えるだろう。

この事は、決してプリーダーの姿勢を批判している訳ではない。私と長年家族として共に生きて来たの猫たちとの関係と、ブリーダーと暮らしてまだ月日の浅い仔猫たちとの関係とは自ずと違うものだし、それを差し引いて考えても、彼女の悲しみの大きさだって想像するに難くないのだ。兎に角、そっとしてあげようじゃないの。ねえ?そして奇跡が起きて猫たちが無事に戻るか、大切にされて生きている事だけを切に願っている。



その後、プロバイダの私のメールサーバーでエラーが発生しているらしく、一切のメール受信が出来なくなった。誰かが不適切な形式のメールを送った可能性が高い。つい先日も同様の現象が起こり、問い合わせして調べて貰ったところ、そういう原因を指摘された。メーラーを代えて受信する事で、意外とあっけなく解消されたのだが、今回はそれでも駄目だ。夜中では問い合せも不可能なので、留守電には吹き込んでおいたが、明日以降の解決を期待する他ない。

どうか、今夜はメールを送らないで下さい。最悪の場合は、現在サーバーにある問題ない全てのメールすら削除しなければならなくなります。問題解消のお知らせを掲示板でするまでは、メールを送らないで下さい。送信は出来ますので、今の間に溜まった返信をしようかとは考えております。こうしている間にも、受信メールの数が増えていますが、問題メールがつっかえていて、一切の受信が出来ません。ご迷惑をお掛けしますが、緊急の場合は電話にして下さい。

前日の「猫雑記」へ 翌日の「猫雑記」へ

月別INDEXへ戻る

「猫雑記」INDEXへ戻る

《CAT'S EYES & CAT'S HANDS》INDEXへ戻る

inserted by FC2 system