ああ、美味しかった。みょーこ姉ちゃんちでイタリアン（クッキング）・トマトをたくさん貰って来たので、とてもシンプルなトマトソースを作った。深鍋にニンニクのみじん切りを丸ごと１個くらい多目のオイルで炒めておいて、そこに洗っただけのトマトを次々と手で潰しながら入れる。私は皮を剥かない。出来上がりに、とろこどころに皮の歯ざわりが良いし、味も深みが加わるような気がするから。

小ぶりのトマト（サン･マルツァーノ種）が３０個位だっただろうか・・・深鍋は８分目位までいっぱいになる。日本のトマトと比べて水気の少ないトマトなのだが、蓋をして火にかけているうちにどんどんジュースが出て来て量が減り、トマトとニンニクの良い匂いで部屋が満たされる。１５分位かけて水分を煮詰めたら、塩と胡椒と輪切りの鷹の爪で味を調えておしまい。ソースとして使うので、塩は強めでもＯＫ。

これで朝からスパゲッティを食べた。ソースをフライパンに大目に取って、かなり硬めに茹でたスパゲッティ（あっさりしたソースなので細めを使った。１．３〜１．４ミリ程度のもの。）を加えて手早く混ぜる。仕上げに生のバジル（これはトマトのおまけ）を手で千切って加える。ちょっと汁気が多いので、パスタが伸びないうちに大急ぎで食べる。酸味が強くなくて丸い味だ。感動的に美味しい。

どれ位美味しかったかと言えば、食べ終わって姉ちゃんにお礼の電話を入れ、その直後にネットで同じ商品を即注文してしまった位に美味しかった（また気に入った同じ物をたくさん買い込む悪い癖が出た。でも安いんだよ！）。届いたらまたソースにしておけば、瓶詰めにして保管出来る。きちんと保存の出来る瓶詰め作りに関しては、またその時に薀蓄をお聞かせしよう。大学生の頃、日本にはトマトの水煮缶などなかったと思うが（もう２０年以上も前の事だ）、『私の保存食作り』という本を目黒区民センターの図書館で借りて、それを読みながらトマトの瓶詰めを作ったのだ。保存用に作られたという瓶も、わざわざ瓶専門店まで買いに行った。

しかし当時は完熟トマトというものは少なくて、あってもかなり高かった。そんな高い野菜を生で食べる以外に瓶詰め作りするなど、これは本末転倒というものだ。大量に収穫したり、安くて美味しい季節に仕方なく保存する手段であったはずなのだから。保存用の瓶もフランス製の輸入品しかなかった。従って、随分と高くついた保存食作りになってしまった。しかも使い道のレパートリーは今ほどなかったので、確かカレーやビーフシチューに加えただけだったと思う。

グラビアを見て外国のキッチンの棚にズラリと並んだ保存食の瓶を見ると、ストック好きの私の胸は俄然ときめいた。ブランドもののバッグや服にはときめかないが、様々な野菜のピクルスや腸詰、果物のコンポートの瓶などが色とりどりに並んでいると、もういけない。従ってトマトの水煮の手作りに一度で懲りたにも拘らず、その後も保存食作りの衝動は抑えきれずに食べもしないママレードやジャムを作り、伽羅蕗や菊の花の三杯酢などを大量に作っては腐らせた。とても手間暇かけたのに・・・馬鹿としか言いようがない。やりたい事を抑えられず突き進んでしまうのはあの頃から変わっていないという事がよく解る。でも今度は水煮状態ではなくて調理済みだからもっと手軽に使えるし、ちゃんと全部食べるぞ・・・多分。

しかし、あの頃と比べると今は良い時代だ。イタリアのトマトさえ日本で作っているし、ネットでしかも安く手に入る。もちろん風土が違うから本物の味とは多少違うかも知れないだろうが、それでもかなり美味しいと思う。ネギも大根も美味しかったし、焼き鳥も美味しかった。些細なものだが、食べ物をオーダーすると届くのが楽しみである。やっぱり自分で作ったものが一番美味しいし、家族を大事にしている実感が湧く。気が小さいから、手間を掛けないと大事にしている自信が持てないのだろう・・・と言われればぐうの音も出ません。

昼にはピザトースト（具にイタリアン・トマト、玉葱、ロースハム）とアイスコーヒー。朝も昼もイタリアンとは・・・これではイタリア人になってしまうではないか・・・ならないか・・・。せめて夜は日本人に戻ろうと、けんちん汁に秋刀魚に白菜の漬物。けんちん汁は大量に作ったので、明日も明後日も食べられる。ほくほく。

掲示板では猫フードの話題でいっぱいだし、こちらも食べ物で終始してしまった。猫フードに関しては、我が家の場合は兎に角食べてアレルギー反応で「吐かない」事、飽きずによく食べる嗜好性・栄養価が高いものである事、添加物が入っていない事・・・これがポイントかな？何をあげても食べないので常時３０種類も揃えていた時代もあったが、今では缶詰はタローズさんの「プリセプト」缶とナチュラルバランスだけ。プレミアム･フードは多少高いけれど、残さないから無駄が出ないので結局は安上がりなのだ。時折サイエンス・ダイエットの缶詰もあげてみている。（昔と比べると種類も増え美味しくなったようだ。こちらは安い。）

さて、あとは野良ちゃんのご飯の配達だけだ。そろそろ夜は冷えるので、チーズも加えている。これから行くから、みんな待っててね。