ロルカ(スペインの詩人 Federico Garcia Lorca 1898 - 1936)のロマンセで一番好きだった『夢遊病者のロマンセ』の一部を紹介したのは、もう1年近く前だと思う。確か舅が寝たきりになった頃の事だったから。
別に恐い内容ではないのだが、アインが夢遊病(?)状態になるとその時の気分を思い出す。 今朝、アインがまた見えないものを見ていた。そういう時は、いくら呼んでも耳すら動かない。平素はいくら拒絶しようが、しつこくしつこく抱っこに来てしまう位にママが好きなくせに、「何か」を見ている時はママなんか眼中にない。 朝からせっせと仕事に励んでいたが、11時過ぎにSOSが入る。3匹の保護猫の里親募集もしている、大田区のももりんちゃんからだった。毎日エサやりしている野良猫の首に紐が巻き付いてぐったりしており、その後姿を消してしまって保護出来ないと言う事だった。
少し考えたが、昼間自由に動けるのも今のうちかも知れないので、思い切って捕獲器を持って駆けつける事にした。大田区ならば日吉からは近い。ガス橋通りを除けば綱島街道も池上通りも渋滞らしい渋滞はなかったので、昼を少し過ぎた頃には到着出来た。 初めて会うももりんちゃんは、なかなか可愛い人妻である。家には可愛い3匹の仔猫と、その母猫と先のシーズンに生まれたらしいお兄ちゃん猫(母子ともに保護したのだ)、そして6匹のフェレットがいる。 2階建ての一軒家なので、猫たちが動き回れるスペースは充分だ。 焦らず、良い里親さんとの出会いを努力しながら待とうね・・・と話す。茶トラばかりの3兄弟で、とても可愛い。まだ生後1ヶ月ほどで、とても小さくて寝てばかりいた。 しかし問題は虐待されたらしい野良猫の捕獲だ。予め仕掛けのエサは用意しておいて貰ったので、それを捕獲器に取り付ける。いつもご飯を食べに来るというベランダに設置し、あとは祈りつつ待つだけだ。 2時間ほどして、私たちはお暇する。車は環七に停めておいたので駐禁が心配だし、あまり長時間は家を空けていられない。 車を出そうとしたら、少し後ろに白バイ警官が見えた。陸橋を下りて来る速度超過の車を隠れて待ち伏せしているらしい。姑息なやっちゃ。 帰り道は国道1号線をドーンと下る事にした。すぐ後ろにパトカーが入った。ムカムカ。しかし多摩川を渡ってしまえば、警視庁のパトカーは付いて来られまい。県境だものな。 そして南武沿線道路に入り、ひたすら家路を急ぐ。 今朝も6時起きで、睡眠は2時間半だけだたので、ちょっと眠い。少し寝ようかと思ったのだが、折角撮って来た里親募集の仔猫たちの写真をPCに取り込んで加工してしまわないといけない。 夜には、一昨日にお知らせした「7年間繋がれっ放しだった猫」の引き受けがある。その後は即座にSOSを立ち上げないと・・・・・。 写真の処理が出来た頃、仕事の件で何度か電話を戴く。有り難いお誘いを戴いているのだ。連休前にちょっとお話を戴き、ここ数日で前向きに検討し、金曜日に直接お会いして話を聞く事にした。どういう結果になるかはまだ未定。 そして7時過ぎに再び出掛けて、Kさんに動物病院まで件のたぬき君(仮名)を連れて来て貰い、そこで先生に良く今後の事をお願いする。 写真を撮ろうとすると、目が見えないのに敏感に察するらしくてそっぽ向いてしまう。何度もケージの周りをぐるぐると回っては、たぬき君の顔を写そうと努める。 やっと数枚撮れたが、白く濁ってブツブツとなった眼球が痛々しい。片目は殆ど眼球がない。落ちてしまったというよりは、しぼんでしまった感じだが、良くは解らない。今後の様子を見つつ、検査と去勢と目の治療(あるいは摘出手術)を一切合財お願いした。 先生には本当に申し訳ない。こんな子ばかり預けるハメになっている。しかし何とかしてあげたい。自由に歩き回れる野良猫の方がまだマシだと言える位、酷い扱いを受けていたのだもの。 帰宅して、即座にSOSを立ち上げる為の作業にかかる。写真はとても可愛いと思うが、実物はちょっと哀れだった。綺麗にしてあげて、目の治療が済めば(どう済むのだろう?)きっと愛らしい猫になる。 『SOSたぬき君(仮名)』を、どうか応援して下さい。 たぬき君を連れて来てくれたKさんからは、彼女の猫の歴史を写真と文章でまとめたものを貰った。何ページか見ていて、胸が詰った。写真は嘘をつかない。猫たちの写真には彼女が猫を見つめる温かい目が表れており、猫を抱く彼女の顔にも誠実さと優しさが溢れていた。 今はもういない猫たちへのレクイエムを、私はとても一気には読めなかった。大切に後で読ませて戴こうと思う。 夜中は凄い雷雨になった。ハナクソたちはどうしているだろう? 長い一日が終る。これ以上の更新は、今夜はもう出来ないと思う。
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