アイン

いつもここ

Nov.27,2002

今日はラボに、川崎市とNHKが見学に来ていた。今後見学者情報管理は、私が「広報」としてする事になってしまった。広報と言えば聞こえが良いが、兎に角頭数が少ない状態でやっているし、始まったばかりの機関だから、全てのローカルルールはこれから決めて行く上、一人で何役もこなさなければならない事になる。

私は一人で全ての研究員の補助業務とウェブやパンフレットやポスター作り、掲示物などの作成と管理、そして今度は見学者の管理だ。と言っても受付をする訳ではない。こんなみすぼらしい受付嬢はいない。来客の対応は、美人の総務タケウチさんがするのだ。私は髪を振り乱して、ほぼ一日中PCに向かっている。

このラボは、以前はある有名巨大企業の体育館だった。かつてはバレーやバスケットのチーム(トップクラスの有名なチームだった)が、ここで練習をしていたのだろうと思いを馳せる。そこを改装して、高い高い天井を持つ空間にガラス張りの大きな水槽のような研究室を置いてある。

水槽とは言ってもかなりシステマティックな構造で、単なるパーティションという区切りではない個室もあれば、エアコンも各人のブースでリモコン管理出来るし、扉も重い。しかし閉塞感はある。朝は一番乗りで出勤するから寒いけれど、いったん暖まってしまうといつまでも空気が澱んでいて暑い。そういうところは、やっぱり閉鎖された水槽と似ているかも知れない。幾ら濾過装置を付けても、要するに同じ水を循環させているだけの水槽の中・・・。もちろん換気はしているが、換気する先の空気は体育館(研究所と呼ぶべきか・・・)の室内のものである。

昭和27年に建ったというこの体育館も、スチームの暖房装置がめぐらされているが、今では使われていない。ボイラーはあるが、稼動させていないと思う。だから水槽の外に出ると寒い。喫煙室もトイレも寒い。喫煙室には換気扇が回っており、凍えながら煙草を吸う。長居は出来ない。トイレも冷蔵庫の中のようだ。パンツを下ろすと(失礼)、お尻に鳥肌が立ちそうだ。しかし2つある個室のうち、片方が暖房便座なのが判って助かった。寒いトイレで、冷たい便器にお尻を下ろすのはとても勇気が要ったから。ただでさえトイレに立つのが億劫なのに、ますます行きたくなくなるところだった。

仕出し弁当・・・今日はカレーで不味かった。ご飯は発砲スチロールの箱の中で保温されているが、おかずは冷えている。冷えた黄色いカレー・・・割り箸ですくって食べる。わびしい・・・。しかし320円だから仕方ない。350円の仕出しは飽きたので、和食中心だという320円の方にしてみたのだが、こちらもすぐに飽きそうだ。そして、自分で弁当を作る余裕はもう無い。

朝はスープとパンかお餅、余りご飯で雑炊というのがやとっとこさなのだ。晩御飯も夜中近くに食べる事になるので、フライパンひとつで直ぐに作れるものに限られる。煮物なんか絶対にしない。でも食べたいなあ、美味しい筑前煮、豚の角煮、薄味で柔らかく煮た結び昆布、烏賊と里芋の煮物、ブリ大根・・・。これらは得意料理だっのに、作る気が起きない。平日、夜の10時11時にそんなもの作っていられっか!という気分だ。

カクモト先生はラボに来ると、目一杯スケジュールが詰まっていてお忙しいのに「どう?」とニッコリ話しかけて下さる。研究員ヤマダ・フルトも(呼び捨てとは大胆だが)、カクモト先生が来て下さると嬉しいみたいだ。その気持ちが良く解る。私など研究テーマにはあまり関係ないけれど、ヤマダ・フルトは先生の研究チームなのだし。私ですら安心して嬉しくなる位だもの、いわんや・・・である。

そのカクモト先生の、このラボのプロジェクトでの研究テーマのページもウェブ用に作り終えた。次はこれまた滅多にお会い出来ないタケウチ先生の研究テーマのページであるが、ここのラボがコアとなる研究テーマとサブチームの研究テーマとを全部収めたCDを開いてみたら、タケウチ先生の分だけがPDFファイルになっていた。もちろんそれでも良いのだが、間に図を差し込みたいのに、うまく手直しが出来ない。尚且つ書式を揃えたいと思って「PDF化する前のものをお送り下さいませんでしょうか?」とメールしたところ、あっという間に返信して戴いた。タケウチ先生は、いつも物凄く対応が早い。私のような地を這う虫けらの如き存在に対しても、必ず素早く対応して下さる。

しかし、その中身は私にはお手上げだった。折角編集してメールの中に書き込んで下さったようなのだが、その形式がptexファイルであった。添付ファイルではなく。兎に角ここでは私がウェブ担当なのだから、僅かしかしない忙しい研究者人に訊く前に自分で調べないといけないと思い、ネットで検索する。勿論たくさんのページにヒットする。しかし、今すぐ私が対処出来るとは思えなかった。さりとて、何度も先生を煩わせるのも気が引ける。

つい先日6匹の母子猫を捕獲して、現在8匹を置いているイ忙しいナガキさんにメールして訊いてみた。(職場では遠慮して、イナガキさんにはしないのか?)すると「そんなに悲観するものではないと思いますよ。むしろ、知らなくて当然くらいのつもりでいいと思います。」と慰めてくれた。そうだ、私は初心者なのだ。知らなくて当然であろう。しかし改めて「何も知らないのだ」という事を痛感する。ウェブデザイナーでもなければ、PCや情報処理の専門家でもない。ど素人と言っても過言ではないのだ。しかし組織で働く事(つまり何かと理不尽な事があっても辛抱強いという意味である)には慣れているし、一応事務系の仕事は何でも出来る。ナリはみすぼらしいが接客も出来るし、営業だって出来るぞ。尤もここでは営業は無いが。

やたらと忙しくなったのは、所長の挨拶文の推敲が繰り返し入っているのと(それは兎に角素晴らしい事なのだが)、その中に加筆された部分で「詳しくはそれぞれのページをご覧下さい」と書かれてしまい、その「それぞれのページ」を作るハメになったからだ。しかし所長はダンディで人格者なので、喜んでお役に立ちたい。しかし言葉はソフトで少ないけど、要求は厳しい。先生方は皆そうだ。

課題をいっぱい残して、やり終えないと落ち着かない性格ゆえに心も残して、今夜も遅くなって帰る。こうちゃんと猫たちに早く会いたい。

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