マルコ

おかえり

Dec.2,2002

昨夜、去勢手術をして貰っているマルコを朝一番でお迎えに行く為に、私をラボまで送って貰ってから真っ直ぐ病院に向かって貰う事にした。後から出勤して来た人は、一様に「あれ、川口さん来ていたんですか?車は?」と訊く。その都度、うちの可愛い子が退院するので、車を使うんです・・・と説明する。比較的家が近く心の優しいヤマダ隊員・・・もといヤマダ研究員には、ずうずうしくも「帰りに近くまで乗せて行って下さいね」と予約しておいた。ヤマダさんは、「あ、もちろんお送りさせて戴きます」などと低姿勢である。何と謙虚な人なのだろう・・・。私も見習わねばいけない。

10時半頃、心配で家に電話をしてみる。「どう?」と訊くと「すっかりしょげ返っていて、凄く痛々しいよ・・・」とこうちゃんは言う。しかしトイレでオシッコもウンチも出来たし、お水も飲んだらしい。今日は早く帰るから・・・と言って電話を切る。しかし今日は、午後3時から月始めの全体ミーティングがあるのだ。カクモト先生はタイへ行っているが、タケウチ先生は「遠いぞ〜!」と大声で言いながら研究室に入って来た。遠いだろうなあ・・・電車とバスで来るとね。

ミーティングでは、始まったばかりのラボのローカルルール(何故ローカルかと言えば、大組織の本山が確固として存在するからだ)を所長が決め、それぞれの業務分担を明確にする。私はマスコミや行政からの取材の対応をしなければならない。それに伴うデモンストレーション資料(スライドやパンフレット類)を作らなければいけない。早速今月半ばに予定が入っている県からの見学の為に、準備しなければいけない。とほほ・・・。

しかもその前日には、兵庫県で行われるワークショップにも行くハメになってしまった。私は免れるだろうと高をくくっていたのだが。朝一番で入る為には、みんな前日の日曜日の移動らしい。最悪は2泊だという。それは困る。当日は遅くなってでも帰ってこ来よう。男性諸氏は、お泊りして夜の宴会にもお付き合いしなさい。私は帰るぞ。猫のいない部屋で2泊も出来るもんか。

ウェブサイトも第一期公開分が完成した。これで上層機関にお伺いを立てる。所長の名前でその伺い書を作り、何度かの推敲の結果、所長のハンコが戴けたのが18時15分。残りの仕事は明日に回して、ヤマダさんのボルボに乗せて戴いて帰路に着く。しかし凄い渋滞であった。川崎の第一京浜まで、30分近くかかってしまった。この先もきっと混んでいるだろうから、慣れた裏道へと案内する。そして、家の前まで送らせてしまった。このディープ日吉まで・・・。

当然、帰り道が判らないだろうから、幹線道路までうちの車で誘導してお別れする。ヤマダさん有り難う。とっても助かったわ。ボルボってエンジン音が静かなのね。

さてマルコだ。こうちゃんが電話の後の様子を報告してくれたのだが、何度も酷い嘔吐を繰り返し、自分でもそれがショックだったらしく、吐いた後で駆け出し、止まったところでオシッコをしてしまったらしい。部屋に入ると凄くオシッコ臭かったのは、そのせいか。顔も別人のようだ。出窓のCDコンポの上で固まっている。目がしょぼしょぼしていて、情けない表情だ。何度も名前を呼び、もうどこへも行かせないからね・・・と話しかける。そのうちに近づいて来て、PCデスクの上で毛繕いを始めたが、自分のオシッコで汚した身体が臭いらしくて、それを必死で舐めているようだ。こうちゃんが何度か拭いてやろうたしたが、嫌がって逃げてしまっていたらしい。

こうちゃんは心配で仕事が手に付かず、黄色い液体を吐いた後で先生にも電話して相談したようだが(過保護なのは私だけではない)、それは胆汁ですね、胃も荒れているはずだから今日は食べないかも知れませんね・・・と言われたそうだ。嘔吐が止まらなければ処置が必要だから連れて来て下さいとも言われたようだが、そう簡単に連れては行けないよなあ・・・。かなり怯えてしまっているし。

少しでも吐き気が治まるようにと、ミルクや水を少しずつでも飲ませてみる。飼い主が出来るだけの事をしてやりたい。あとは祈るしかない。しばらく私が撫でてやり、マルコは控え目にゴロゴロと喉を鳴らした。すっかり顔が変わってしまっていて、本当に痛々しく見える。去勢如きでこんなにも具合が悪くなった子はいなかったので、正直言えば不安だ。ミュウもジーコも、玉を取った位では、退院して来ればケロリとご飯を食べていたものね。しかし10数年前を思い出して見れば、その時ですら死ぬほど心配したのだが・・・。

今、やっとマルコがドライフードを数粒だけ食べた。しかし誰かがシャー!してしまい、マルコは再び出窓へとお篭りである。一体誰がシャーなんかしたのか?きっと病院の消毒薬臭いせいだとは思うが。

それにしても改めて感じる事でもないが、マルコが如何に大切で愛しい我が子であるか、またしても痛感してしまった。早く元気になって、またイタズラで我が儘一杯のマルコに戻って欲しい。オシッコなんか、どこで幾らでもしていいから。

さあ、マルコが落ち着いたみたいだから、私達もこれから晩ご飯だ。手が震えるほど、お腹が空いた。

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