昨夜は、カワムラさんに枕を盗られないように、ど真ん中に頭を乗せて布団を顔の真ん中まで被って寝た。しかしカワムラ爺はやって来た。耳元でしばらく「グーッ、ゲーッ！」と鼻息荒く佇んでいたが、意を決したように私の顔をまたいで、枕の僅かな余地で身を構えた。得意技の原爆突きで、私の顎をグイグイと押す。私の頭がのけぞったところで、すかさずマルクなって寝場所を確保した。のけぞったままでは苦しいので、体勢を変えたら、そのまま枕の縁から頭が落ちた。そのまま枕なしで朝まで寝た。

 

いや、朝までというよりは、リマに起こされるまでだ。パジャマのズボンが膝上までめくれていたので、片足の太股の上に乗ったリマが私の向う脛を引っ掻いている。「痛いよ、やめて。」と寝惚けながら制止するが、しばらくするとまた始める。この時点ではリマとは判っていないけれど、目を開けると枕元にルスが見えるから、悪戯しているのはリマという事になる。爪は切っているので、傷になる程ではないが、しつこくゆっくりゆっくり片手ずつ爪を出して、こちらの皮膚の感触を味わうようにじっくりと引っ掻いている。掛け布団はちゃんと掛かっている。何が楽しくて、そんな真似をしているのだろう？猫って解らない。

こうちゃんに起こされる前に起き出し、２階へと上がって行く。どうせシャワーを浴びるのだから１階にある風呂場に直行すれば良さそうなものだが、なかなかそうもいかない。先ずは起きぬけの一服をしないと駄目なのだ。目覚めの一服・・・身体には凄く悪いだろう。なぜか１階では煙草を吸わない。舅が生きていた頃からの習慣だ。２階の換気扇の下に行かないと、最近では吸った気がしない。そして１階は、まだ自分たちの家という実感がなくてリラックス出来ないのだろう。

２階に上がると、既にこうちゃんは起きていた。着替えも済ませて、いつもの事だがこざっぱりとした顔をしている。もう起きて来ちゃったの？等と優しい事を言う。私は髪もボサボサだ。だって、寝ているとルスが私のひっ詰めた髪の毛で遊んだり食べたりしているのだもの。２階で寝れば、同じ事をジャムがする。ジャムなんか、髪を結わえているゴムまで噛み千切る。破壊ばかりしていて一体何が面白いのか・・・。

濃くなってしまったであろう血液を薄めようと水を飲みながら、兎に角毒の煙を肺いっぱいに吸い込む。マルコは煙草の煙を興味深そうに見ている。猫って何かを習慣化する事が多い。最近のマルコは、私が換気扇の下で煙草を吸い始めると、さっさとやって来てレンジ台で落ち着く。そして煙を見ているのが好きだ。大きな顔だ。丸い目だ。間抜けな表情だ。そして滅茶苦茶可愛い。

一服を終えるとＰＣを立ち上げてメールチェックをするが、どうやらメールサーバーが落ちているらしい。又か・・・。掲示板のチェックは後回しにして、兎に角シャワーを浴びてしまおう。私だって、本当はゆったりと風呂に入りたい。しかし風呂になんか入ったら最後、疲れが表面に出て来てしまって、とてもじゃないが起きていられない。一体、年に何回風呂に入る事か・・・。シャワーだって本当は面倒臭いのだ。身体を拭くのが面倒、髪を乾かすのが面倒（最近では乾かさないでほったらかしておくと、毛が少ないせいか出掛ける頃には乾いているけど）、着ぐるみのように皮膚を脱いで、洗濯機で洗って乾燥出来れば良いのに。ついでに、肺も取り出して、タールで汚れた肺を山奥の谷川の清流で漱ぎたい。

しかし総じて、私は水の中に入るのは嫌いなのだ。風呂然り、プール然り、海などはTV画面で見る程度で充分（そもそもしょっぱ過ぎるし足が立たない）。ニュースで時々「両党間では水面下の綱引きが続いています。」などという比喩をされると、ああ恐ろしい・・・と感じてしまう。きっと考え付いた人は「我ながら上手い表現だぜ！」と感じ入った事だろうが、水の中になんか入りたくない私にとっては、嫌いな常套句のひとつだ。関係ないが「無言の帰宅」という表現も好きじゃない。

薬が効いて、歯茎や顔の痛みは大分マシだが熱はある。冷たいものが食べたいので（かと言ってプリンだとかヨーグルトなんかじゃ食事にならない）、いつものチーズトーストはやめてサンドイッチを作る。具はハムとキュウリだけ。辛子を効かせてマヨネーズをチュルチュルと絞る。口の細いタイプのマヨネーズボトルがあるのだが、これは便利。但し大量に使う場合はもどかしくて駄目。ハム食べる〜！とミュウとジーコが寄って来る。駄目に決まってんでしょ〜！と言いながら、ちびっとだけあげる。本当は駄目なのよ、塩気があるんだからね。

今日は週末だから、イノウさんが車で出勤して来ていた。インプレッサが２台並ぶと何とも可愛い。久し振りで可愛い子たちを撮ってあげた。ヤマダさんのボルボはフレームに入らなくてごめんね。でもボルボは別に可愛くないから・・・。


昼休み、別のブースでアライさんやロボットのみんなとお弁当を食べていたら、電話の呼び出し音。誰も席にいないのかと思って慌てて走って行って電話をとって見たら、研究員全員席にいた（フルトさんがいれば電話に出たのだろうが、彼は弁当を買いに出掛けていたらしい）。そして電話も当然置いてある席に着いている人に取り次いだ。変なの？！なんて横着なの？！昨日は昨日で「カワグチさん、（プリンタが）紙詰まり！」と当たり前のように言われた。詰まった紙くらい、私じゃなくてもプリントしている人間（しかもプリンタのところにいるのだから）が取ればいいでしょうが〜？最近些細な事でムカついて仕方ない。やっぱ更年期かな。

ロボットチームの研究員その１・クワハラさんは、以前から自宅の窓の下の猫の糞害で困っていたのだが、フード付トイレをお勧めしたら、ちゃんと置いてやったらしい。しかしそこにはウンコをせず、茶トラとキジトラが仲良く入り込んで寝ていると言う。雨の日も風の日も、これで安心だ。しかも結果として、そこではウンコをしなくなったとも言う。近隣には避妊してエサやりをしている人もいるらしい。同じ横浜市内、うちとは隣の区だ。クワハラさんは、ズボンのポケットに削り節のパックを入れていたし、なかなか猫に優しい。イノウさんも、ガムテープで猫の身体から直接抜け毛を取ったりしないようにね。そういう悪い子は、猫の惑星に不時着したら、ヒゲを毛抜きで抜かれちゃうよ。ヒゲじゃなくても別にどこの毛でもいいけどさ・・・。

さて、明日は歯医者だ。そしてその前に、かねてより予定していたシャブパーティがある。シャブったって豚しゃぶだけど。当然アルコールは抜き。ただでさえ歯茎が腫れているのに、酒なんか飲むはずないさね。たまにはとことん飲みたいけどね。２０代の頃は毎晩毎晩浴びる程飲んでいたのに、すっかり品行方正になってしまったものだ。つまらない私。