昨夜は疲れてもう寝ようとしたら地震があったり、ちょっとややこしい相談が入ったりして、結局寝そびれた。ご相談メールの返信を１つし終えた時、たまたまＮＨＫでジャズの特集（歴史というべきか）を放送していて、ついつい午前３時まで見てしまった。久し振りで聴いたジョン・コルトレーン、やっぱり好きだ。４０歳で癌で死んだ。殉教者のように。

ただぼーっと見ていては勿体無いのと、先日来ずっと強い酒が飲みたかった思いも手伝い、いつだったか滋子ちゃんが送ってくれた泡盛の古酒を飲む事にした。それだけでは胃に悪いから肴を幾つか作る。既に午前１時だというのに・・・。

キャベツと玉葱と胡瓜を千切りにして、白ワインビネガーとオリーブオイルと塩コショウをジャバジャバと振り入れて、よく混ぜる。蓮根とベーコンを炒めて塩コショウし、仕上げにレモン汁をかける。具のないソース焼きそばを作る。深夜にこんなに食べて良いのか？数年前はそんな自問はせずに食べていたが、朝起きた時の胸焼けを経験するようになってからは、ちょっと逡巡するのだ。結局は食べるけど。

久々の泡盛は凄く美味しかった。甘い香りで舌には辛い。辛口の日本酒やジンよりも、ずっと辛い。なのにあの甘酒のような香りは素晴らしい。もしかしたら泡盛が一番好きかな。八朔が死ぬほど好きだと言ったり、たらの芽の天麩羅が偏執的に好きだったり、のめり込んで好きなものばかりで困る。いや、別に困りはしないが、大袈裟な性格だと思われるかも知れない。大袈裟な性格であるのだが。

昨日の夕方は歯科治療だったのだが、骨を削る事はせず、マウスピースの調整だけで終わった。左の奥歯が１本なくなった事で、右の奥歯への負荷が増したらしい。噛み合わせを何度も調べて、相当強く右の奥歯が噛み合わされていると言われた。実はここ数日、右の奥歯が何となく痛む。これも虫歯でも歯周病でもないのだ。この１ヶ月余り、左の抜歯跡がなかなか塞がらない事、そして骨の尖っている直ぐ記が時々痛む事もあって、努めて右だけで噛むよう心掛けていたけれど、そのせいもあるのだろうか。右の奥歯も抜く羽目になったら大変。

という事で、右の奥歯が当たらないよう、マウスピースを削ってくれたのだ。そのマウスピースを、寝る時だけでも装着するように言われている。マウスピースを着けた経験のある人は解かって戴けると思うが、あれを着けているととても嫌な気分である。歯が苦しい。ボクサーが着けるような大きなものではないのだが、それでも喋り難いし（寝ながら喋らないが）、口元が波野久里子みたいになっちゃう。

いちいちマウスピースと書くのは長くて面倒なので、以後「入れ歯」と書く。入れ歯じゃないけど、既に我が家ではそう呼んでいるのだ。その入れ歯を、昨夜は真面目に着けて寝た。もちろん歯を磨いてからだ。強く噛み締めないよう注意して、口元の力を抜いているが、何だか出っ歯になったような気分だ。出っ歯の人の気持ちが少し解かったような気がする。今までは、朝まで着けていた事が一度もない。苦しくなって、数１０分ではずしてしまっていた。昨夜はそんな事は絶対にしないつもりで寝た。

しかし今朝起きて２階へ上がり、一服していて気づいた。入れ歯をしていない。はずした覚えはない。かと言って、自然にはずれる事はない位、きっちりはめられているのだ。カワムラがはずしたとは思えない。それで１階に戻って、布団の中や下、部屋の物陰などくまなく探したのだが、どうしても発見出来ない。きっとルスかリマがどこかへ運んだのだ。山ほど買い与えた玩具がひとつも見当たらない（食ってしまったわけではない）かと思えば、何時の間にかまたどこからか出して来るのと同じに、いつか発見されるのかも知れないが、今夜寝るまでに発見出来るだろうか、私の入れ歯。困ったな。

リマはカワムラの背中に噛み付いて踏み踏みしながら眠るのが好きだが、昨夜見ていたら私に腕枕されているルスの背中にも噛み付いていた。「きゃん」と鳴いてルスが嫌がる。「やめなさい」と離すが、また始める。リマはどうも乳離れしていないようだ。同じ姉妹でも、ルスは本当にお姉ちゃんらしいし、リマは赤ちゃんだ。やっぱり入れ歯はリマが隠したのかな？