１階の５匹ご対面
昨夜、初めて１階の２部屋を開け放した。つまりペリー・イオ部屋とカワムラ・ルス・リマ部屋を、行き来出来るようにしてみたのだ。既に曇りガラス戸越しにじゃれあっていたので、特にトラブルは起きなかった。広いリビング･ダイニング・廊下を使っていたカワムラ家３匹と、寝室としては広い８畳程度の洋室を使っていたペリーとイオ。仕切られていた腰高のガラス戸を開けると、５匹が境界線に集結した。腰高の仕切り戸・・・部屋と部屋をこんなもので仕切るのは大変におかしな造りだが、元々は外に面していたガラス戸だったものが、建て増しして寝室が出来たので、人が行き来する事のない間仕切りとなっていたのだ。

リマとペリーが鼻をくっつけて、腰高窓の敷居の上で挨拶している。何事も起きない。リマは寝室へと侵入して行った。次に大きなカワムラが無遠慮にペリーの頭の上でクンクンすると、ペリーはちょっと怖くて一度シャーをした。カワムラも寝室へとずかずか入って行き、イオや今はいないリンリンのお気に入りのタンスの上まで探索する。ペリーとルスは慎重に、それぞれの部屋へと足を踏み出す。イオとルス・リマは、もう以前からの友達のように、鼻と鼻で挨拶してすれ違う。

どうやら、これで５匹は問題なく共に暮らせそうだ。しかし問題がひとつあった。食事の仕方が違うのだ。イオとペリーは、一度で食べない。ダラダラ食いで時間がかかる。しかしカワムラ家の３匹は、朝晩２度食べきりの食事である。もしも残した子がいると、カワムラは食べてしまう。リマもそのやり方をカワムラに学んだのか、人の食べ残しを食べようとする。これでは折角、給餌量を管理出来ているのに、また滅茶苦茶になるし、食べ過ぎて下痢をする子も出てくる。ペリーやルスのように、遊びながらでないと食べないバカタレは、食いっぱぐれてしまう事請け合いだ。

どうしたものかと思いながらも、私は横になったら眠くて眠くて寝てしまった。特に誰かが暴れていた様子もないし、私は深く眠った。夢も見ず（見たのかも知れないが、全く覚えていない）、朝までぐっすりと。目覚めると、いつものように枕の上には私の頭とカワムラの身体があった。カワムラは、常に特等席を占拠している。一応、カワムラが１階では最年長で、身体も一番デカいからね。ずうずうしさも一番だし。

私が起き上がっても、全員眠っているらしい。誰も寄って来ない。暗くて静かな朝だ。下には時計がないので、這うようにして２階に上がり、時計を見るとなんと９時過ぎ。天気が悪くて薄暗く、暑くもないので、すっかり寝過ごしてしまったらしい。

こうちゃんが、既にご飯を上げてくれていたらしい。１階に下りて行くと、猫たちはそれぞれの部屋で分かれて寝ていたと言う。ペリーとイオは寝室のベッドの上、カワムラは私の横、ルスリマは出窓のクッションの上。そのまま仕切りを閉めて、それぞれにご飯を上げたらしい。これだったら、食事の問題もない。昼間にはまた開け放して、みんなが思い思いの場所で過ごせば良いだろう。

ご飯をあげたついでに、私が毛布をすっかり剥いで眠っていたので、それを身体に掛けてくれたらしい。すると「カズエちゃんはいつもみたいに怒らないで、嬉しそうに毛布にスリスリしていたよ。」と言う。だから「そりゃそうだよ、昨夜は寒かったもん。」と言ってやる。するとこうちゃん「そんな事言うけど、昨夜は『暑くていつまでもこんな布団掛けていられないよ！』と怒るから綿毛布に替えてあげたら、『夏はこれだ！』と偉そうに言ったんだよ。」と憎たらしい事を言う。多分に脚色していると思う。こうちゃんは大袈裟だからな。

それにしても、こうちゃんが下りて来て、猫たちがワラワラとご飯を食べて、トイレの掃除もして、私に毛布を掛けてくれてからまた２階へ戻って行った気配すら気づかずに寝ていたとは・・・。これでは泥棒が入って来ても解からないかも知れない。そういう意味でも、寝不足が続くのは良くない事だ。