ペリー

弱虫

Aug. 1, 2003
今夜もどこが花火が上がっている。但し、ベランダからも見えないで、音だけが響いている。見たい。花火は「非日常」のひとつである。いつぞやも書いたかも知れないが、若い頃の私は、如何に多くの「非日常」を享受出来るかに人生を賭けていた。この場合の「非日常」とは、花火程度の事ではない。まあ、「花火」以上「犯罪」未満というところか。「君の美しさは犯罪だ。」なんちて。

昨夜から、またもやペリー・イオ部屋とカワムラ・ルス・リマ部屋を開け放った。リマはあっと言う間に床上80センチ程の敷居をすっ飛んで、あっちの部屋に行ってしまった。ルスはリマ程はジャンプ力がない。2匹とも太り具合は同じなのだが、リマのジャンプ力は仔猫のころから凄かった。ルスはアインと同様、何度も高さを確かめるように退いてはお尻を振って、やっと乗り越えて行った。

カワムラが問題だ。コイツは死にかけていたくせに、物凄いジャンプ力を発揮して、あっちの部屋のどこへでも行って寛いでしまう。ペリーの特等席を乗っ取り、イオの大好きな場所に臭い付けする。しかも変な声を出しながら。ペリーは部屋の隅っこで固まっている。イオはベッドカバーの裾に隠れてしまう。それでも「これは通過儀礼なんだから・・・」と心を鬼にして、一晩放置しておいた。それにカワムラは、やがて私の枕にやって来て、今度は私を乗っ取るかの如く、口や鼻に毛が入り込むのもお構いなしにグウグウ寝てしまったから。

窓辺のブドウ棚に来ているらしいヒグラシの鳴き声で目覚めた。まだ4時だ。ヒグラシは4匹いるようで、それぞれ違う音色で鳴いている。遠くで聴こえるとなかなか風情のあるヒグラシの声だが、近くでやられると相当にうるさい。しかしこれで起きれば良いのだ。下の5匹にご飯にしてあげようとすると、それぞれの部屋にちゃんと分かれていた。仕切りを閉めて、別々の部屋で給餌する。そうしないと、他の4匹の残りはカワムラが全て食い尽くしてしまうのだ。カワムラは食欲だけで生きているボケ老人のようだ。

昼間の暑い間は再び開け放して、5匹を一緒にしていたのだが、ペリーがタンスの陰に隠れたままで、イオもベッドカバーの裾に隠れ続けている。名前を呼びながら撫でても、いつものようにゴロゴロ言わない。これはちょっと可哀想・・・とこうちゃんと話して、またも隔離してしまった。ペリーは神経質で、自分の場所が次々とカワムラによって侵されていくのが耐えられないように見える。イオはルス・リマとは仲良しだが、やはりカワムラの気配が怖いようだ。過保護過ぎるかも知れないが、イオとペリーだけで仲良く寛いでいる姿が思い出されて、やっぱり別々の部屋が良いのではないかと思ってしまうのだ。それぞれに充分なスペースがあるのだし・・・。

そもそもカワムラが図々し過ぎる。他の子の分まで食べては全てのトイレを使って大糞をし、ガブガブ水を飲むから大ションベンをする。ヨダレだらけの口の端を、どこでも構わずスリスリする。私の顔にもする。並外れてデカイ図体で、特等席を占領しまくる。それも目が据わっているから、ちょっと不気味。決して悪い奴ではないし、むしろこれ程気の良い猫もいないと思うのだが、ペリーとイオには怖い余所のオジサンなのだ。ルスリマのように、仔猫の時から一緒に過ごした訳ではないからね。

それにルスとリマは真冬にやって来た。狭い6畳間で3匹寄り添って一冬過ごしたのが、何よりも絆を強めたのかも知れない。彼らは確実に「家族」だが、ペリーとイオはこの子たちだけで「家族」なのだ。惨い言い方ではあるが、カワムラが天国に行ってしまった後、改めて4匹を一緒にしてみよう。それまでは、また3部屋での隔離生活を続ける事にした。ペリーがこんなにも弱虫だとは・・・。そしてイオがこれ程ビビリだなんて。

今し方それぞれの部屋を覗いて見たら、イオとペリーはベッドの上で抱き合って眠っていた。ルスとリマは単純だから、私を待ち伏せしたり2匹で追いかけっこしたりして、結構楽しくやっているようだ。カワムラは何があろうといつもと変わらず。そんなジジイだが、ルスとリマの入院していた夜には、私にも寄り付かず孫娘達を探して寂しがっていたけれどね。多頭飼いするにも色んな形があるから、どうするのがベストだとは一概には言えないとつくづく思った。

イオ

ビビリ

Aug. 1, 2003

具合の悪い事ばかり言いたくないのだが、根本がおかしくなって来ているので、ひとつを引き金にあっちもこっちも弱点がどんどんアカン事になってきた。浮腫みのせいか体内の炎症のせいか、歯茎が腫れて来た。噛み合せられないほど痛い。プリンやヨーグルト、コーヒー牛乳など、カロリーの高い冷たいツルリとしたものをいっぱい買い込んだ。この不具合が全部すっきり良くなる事があったら夢のようだろうなあ・・・と、病気の人はみんな思うのだろうね。

さて、寝る。

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