イオ

高窓の縁

Aug.27,2003
アインが日に4回も吐いた。うち3回は私の留守中だが。かなり進んでいるのだろうか、腎不全が。大阪のあけみさんちの(アインと良く似たシルバータビーの)ミャーちゃんが、急性腎不全で亡くなった。あけみさんと久し振りで電話で話したばかりだった。眠っているかのような安らかな顔を見て、胸が詰まってしまいPCの電源を落とした。言葉がない。あけみさんは折に触れ、私がピンチの時にはいつも裏でそっと声をかけてくれていた。私に関するトンデモナイ中傷を吹き込まれても、きちんと私を見て判断して信じてくれていた。

昨年末、思いがけずあけみさん本人と会えた時、小さくて細くておっとりした可愛い人なのに驚いた。こんなに華奢な人が、日本一大きいと言っても差し支えないタクを育てているのだ。獣医にキャリーで連れて行こうとすると、キャリーが壊れたと言う。だったら次からは、タクにまたがって行きなさいと言ってやった。今はそんな冗談も出ないけれど、彼女の気持ちを静かに想いたい。私は、あのあけみさんの事が好きだから。そして、そういう事態はいつ自分の事となるか解からない今の状態だが、その時私はどうするのだろう?

車の中で聴くCDが、またまた尽きてきた。今までは運転中には相応しくないと思って、家から持ち出さずにした曲まで、そろそろ動員してみるか。どういう曲が相応しいのかという事は何度も書いてきたが、朝は精神を鼓舞させるような曲、そして仕事の後の夜には神経細胞を立たせないようなものを私の場合は好んで聴いていた。前者の場合は硬質な音を音量も凄まじく、しかも神経を集中させて聴く場合が多いし、後者の場合は柔らかい音で特に集中してひとつひとつの音に耳を傾ける事はしない。つまり疲れているんだな、夜の帰り道は。

てな訳で、遂にはベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタまで持ち出した。パールマンとアシュケナージの往年の録音のもの。1枚に「クロイツェル」と「春」が収録されている。このコンビを「往年」と呼ばねばならないのはちょっと辛い。当時学生だった私も、同様に歳をとった事を認めざるを得ないからだ。あの当時の母親の歳に、私がなってしまっている。当時の私みたいな娘が今の私にいたら、さぞかし心配が尽きないだろうと思う。別段不良娘ではなかったものの、若気の至りで結構エキセントリックな娘だったと思うから。自分でそんな娘を持っていたら相当イライラするに違いない。やはり母には色んな意味で敵わないなと思う。有り難うございます、見捨てないで育ててくれて。

あの頃の扱い難い自分を思えば、ジャムがどんなに我が侭だろうが、ゴマがどれだけ何を考えているのか読めない複雑な性格だろうが、カワムラが自分本位の図々しい性格だろうが大した問題とは思えない。今はマーキングする子もいないし、ジーコやアイン、ミュウに吐かせずにちゃんと食べさせる事にだけ苦労していれば、あとは本当にハッピーで楽チンな毎日と言える。あとはもう少し眠りたいだけさ。

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