テト

光と影

Nov. 1,2003
2003年11月1日
朝からハイテンションだった。寝不足のせいもあるが、そんな事は苦にならない程、緊張していた。しーちゃんを迎えに行くのだ。しーちゃんを預かって下さるという方が現れた。私が、しーちゃんのように「ご飯より抱っこ」を求める人馴れした野良猫は、とても危険で野良には置いておけないと泣き言を繰り返していたせいで、一昨日、とある猫仲間からメールが届いたのだ。預かります・・・と。

アライさんにその事を伝えると、喜んでくれて涙を浮かべていた。アライさんも心配していたのだ。「連れて帰ってあげられなくて、ごめんね、しーちゃん。」と言っていた事もあった。そんな風に思わせてしまって、そこまで巻き込んでしまった事を申し訳なく思ったり、それと同時にそこまで思ってくれて嬉しかったり・・・。

ともあれ、話は急転直下まとまって行った。明日の日曜日、そのご夫婦は千葉から東京湾アクアラインを渡って、お迎えに来て下さるのだ。昨年からお付き合いの続いていた方で、専らメールでのやりとりと、足立区のSOSの際にはやはり預かりを申し出て下さった事もあり(その件は、保護主さんが情緒不安定でお話がまとまらなかったのだが)、ご自身の保護猫を里親募集に掲載して差し上げた事も何度かあれば、プロポリスをお分けしたり梨を送って下さったり、ダブルキャリアの「ふくちゃん」がプロポリスでヨダレが止まって綺麗になったと喜んで下さり、そして闘病の末亡くなった時には丁寧なご挨拶を戴き、それを機に保護猫はご自分の家の子にして下さったり、ミュウの死を知った時には温かいお悔やみの言葉も戴いたし、掲示板にもたまにお越しになる。つまり、かなりお付き合いの長い方と言えるだろう。

願っても無い預かりのお申し出ではあったが、自分が出来ない事を人にしてもらうのは気が咎めるものがあった。でも、しーちゃんの里親募集が始められるのであれば、ここは恥を忍んでお願いしたいと思った。忙しい私の都合を考えて下さり、連休の中日、ご主人の運転で横浜までも迎えに来て戴けるのだ。

昨日のうちに、アライさんはしーちゃんとお別れをしておいてくれた。しーちゃんを抱いたアライさんの写真を、昼休みに何枚も撮った。ファインダーの中のアライさんは、優しい目をしてしーちゃんを見つめていた。我が子を抱く母親の顔をしていた。しーちゃんは、色んな意味で本当にラッキーだ。

私は昨日から落ち着かなかった。今朝のエサやりでしーちゃんを保護すれば良いと段取りしたものの、もしも出て来てくれなかったらどうしよう?昨日のうちに連れ帰っておいた方が良いのではないか?でも、兎に角しーちゃんの居場所を即席に作らなければならないので、帰宅してから風呂場を片付け、水を張っていない風呂桶に1枚ものの蓋をし、洗い場と蓋の上には毛布を敷いた。トイレも新しいものを用意し、あとはしーちゃんを連れ帰るだけとなり、今朝を迎えた。

いつもと同じ時刻にラボへと出向く。幸い、道は空いていた。帰りも混まない事を祈った。小雨降る中でみーちゃんとぼーちゃんにご飯をあげていたら、何時の間にかしーちゃんも出て来た。良かった!

しーちゃんは少し缶詰を食べてから、私に付いて回るところを抱き上げ、しばらく抱っこした後に、用意してあったキャリーに入れてしまった。扉を閉めると猛烈に鳴き始めたが、運ぶ途中は、先日避妊の為に連れ帰ったときと比べるとずっとおとなしかった。学習したのだろう、そんなに怖がる必要はないと。

いつもエサの皿を置いているエアコンの室外機には、アライさんからのプレゼントの袋が貼り付けてあった。メッセージは半ば雨に濡れていたけれど、優しい言葉はちゃんと読み取れた。プレゼントは、猫たちがみんな大好きなオモチャだった。昨夜のうちに、真っ暗な中、届けておいてくれたようだ。嬉しいね、しーちゃん。

帰宅すると直ぐに風呂場へ直行。先ずは落ち着かせないと。キャリーから出ると、途端に抱っこをせがむ。風呂場には毛布を敷き詰めているから、私もお尻を下ろして座って抱いてやる。用意したナチュバラのドライや水には目もくれず、ひたすら鳴いて不安がる。知らない場所に連れて来られたんだものね。少し休ませた方が良いだろうから、兎に角ドアを閉めて立ち去る。後でまた遊ぼうね。

昼には、鶴見の捕獲の搬送部隊の鈴木さんと動物病院の駐車場で落ち合う。大磯からの出動と、先日も色々とお気遣い下さったお礼を言いたかったのだ。昼食を済ませてから、ご贔屓のカワムラさんと会って戴く為に家にお連れして、ミュウにお線香もあげて戴き、慌ただしくお別れした。鈴木さんは想像していた通りの、聡明で素敵な大人の女性だった。努力しているからこその楽観的な考え方が小気味良かった。

その後、プロポリス代の振り込みを銀行で済ませてから色々と買い出しをし、最後にミュウの為の花を買いに行く。今回もまた、八重咲きの小さな花を1本の枝に3〜4個つける「カントリーガール」だ。オールドローズの類で、大輪のバラとは全く違う野趣に、すっかり魅了されてしまった。

しかし、夕方過ぎまで歩き回り、かなり疲れてしまった。急いで戻り、しーちゃんの部屋(?)へと急ぐ。しーちゃんは蓋の方の毛布の上で寝ていたガ、私が入って行くと鳴いて飛びついた。抱っこしながら、ずっと話し掛けていた。

しーちゃん、しーちゃんは千葉のお金持ちのおうちに行くんだよ。うちは貧乏で、こんなお風呂場に閉じ込めてしまったけれど、しーちゃんにはちゃんと専用のお部屋を与えてくれるみたいだよ。シーマで迎えに来てくれるんだよ。シーバも持たせてあげるからね・・・と、お喋りすると、いちいちしーちゃんは「もう・・・解かってるってば。」「まったく勝手な事ばっかり決めちゃって、ちっとはアタシにも相談してよね。」とでも言っているかのように、威張った文句ったらしい鳴き方をしていた。

何度も蒸しタオルを替えて、しーちゃんの身体を念入りに拭いてやる。最初のうちは白いタオルがうっすらと汚れたけれど、次第に汚れが付かなくなった。まだ白い部分は真っ白にはならないけれど、お家の中でだけ過ごすようになれば、あっという間に綺麗になるだろう。しーちゃんは拭かれるのが気持ち良いみたいで、目を細めてじっとしていてくれた。何てお利口さんなのだろう。

爪も切った。4本の足の全ての爪を切った。指の間も拭き上げて、耳の中も点検してから拭いた。目やにも出ておらず、耳の中は綺麗だった。3週間前の避妊の時に、フロントラインは済ませている。念の為、駆虫薬は貰ってあったので、それを飲ませた。たくさん撫でてやり、頬ずりする。綺麗に念入りに拭いたせいか、先日雨に濡れた時に嗅いだより、ずっと臭くない。頭突きされて、腕を舐めて貰って、いっぱい撫で回す。ネックレスを着けてやるが、別に嫌そうな素振りもしない。とても似合うよ、しーちゃん。明日はまたまた車で移動だけど、頑張ろうね。

アイン

新しいチョーカー

Nov. 1,2003

晩ご飯は、厚焼き卵とキムチ、梅干し、味噌汁・・・と、まるで朝食メニューだ。出掛ける用事が多くて、疲れた。ミュウちゃん、今日も色々な事に力を与えてくれて有り難う。

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