ジーコ

カイカイ

Nov. 22, 2003

2003年11月22日


朝飽きると腰が痛かった。

いつもの背骨の歪みやぎっくり腰系の腰痛ではない。疲労による乳酸が溜まった痛みだ。

疲れているなあ・・・先日TV『試してガッテン』で、こういう腰痛は風呂に浸かって温め、痛みが一番減ったところに湿布し冷やさない事が一番だと言っていたが、風呂に入らない・入る時間がないのだから仕方ない。

風呂には入りたいが、手間の掛かる依頼が多くて時間が幾らあっても足りないのだ。従って、一年中シャワーのみ。疲れは取れないよなあ・・・





朝はパンだったので、昼には五目かたヤキソバにする。

麺までは自分では揚げない。粉末のスープが付いた揚げ麺を買って来るのだ。具なんかどうとでもなる。キャベツか白菜、そして人参なら大抵ある。冷凍庫にシーフードミックスもある。乾燥キクラゲもある。バッチリじゃん!





午前中に更新を済ませ、昼からはこうちゃんとお茶を飲んでお喋りした。

トム・クルーズが新作映画『ラストサムライ』のプロモーションの為に今年何度目かの来日をしたという話題から、トム・クルーズが如何に日本や武士道に傾倒しているか、そして日本人以上に武士道精神というものを学び理解しているかという事をこうちゃんが話題にした。

そう言えばアメリカ人作家のトレヴェニアンが書いた『シブミ』でも、現代では殆ど忘れ去られている日本人の精神構造を、なまじの日本人など及びもつかない位に研究されていた事を思いおこした。

私達の中で一体どれだけの数の日本人が、『源氏物語』を原文で全て読んだだろう?私の恩師の一人シスター.ガライサバルはバスク人だが、その昔、甥が小学校の入学試験の面接で、「ドン・キホーテの作者は?」という質問に胸を張って大声で「サンチョ・バンサ!」と答えたという話をしてくれた事があつた。

その国の代表的な古典ですら、国民にどれだけ浸透しているかはまた別の次元の話だ。



私の卒論は17世紀のスペインの詩人、ルイス・デ・ゴンゴラに関するもの(恩師・吉田彩子氏のウケウリではあるが、真面目に原書は幾つか読んだ)だったが、ゴンゴラだって果たしてどれだけのスペイン人が知っている事か?と話すと、今度はこうちゃんがエピソードを語る。

かつての職場の部下にたくさんいたニューヨークやロスアンジェルスから来ていた高学歴の社員が、こうちゃんの若い時代の趣味であった「ブルーグラス」などを話題にしても殆ど知らなかったからなあ・・・と。但し、訳あって日本のブルーグラス愛好者たちとの交流は一切なかったと、こうちゃんは付け加えておいてくれとうるさい。



その「ブルーグラス」という言葉から、突如私の頭に「ヒルビリー」という言葉が浮かんだ。

その音楽の起源のひとつとしては別段唐突な発想でもないとは思うが、兎に角ふと頭に浮かんだ「ヒルビリー」という言葉を口にしたのだった。するとこうちゃんは、「ヒルビリー」と「ロックンロール」がくっ付いて「ロカビリー」なのだと教えてくれた。

他にももっと詳しい事を語っていたが、思い出して書ける程には頭に入らなかった。私って馬鹿?それに比べて、こうちゃんは物識りだな。伊達に年をくっている訳ではないらしい。



夕方には、歯科検診やら週末好例の「ミュウの為のお供えのバラ」の受け取りを済ませ、痛む足を引きずりながら帰る。

ご相談2件と捕獲器の説明の電話も終え、晩ご飯は簡単に鍋物で済ませる。色々な相談が胸に重くつかえて、食欲がない。最後にうどんを入れる予定だったのに、とても食べられそうになく、うどんは明日「焼きうどん」にでもしようかと思う。



「うどん」で思い出した。有名なテストの珍解答。

『次の言葉を使って文章を作りなさい・・・「どんより」・・・』という設問に対して、「うどんよりそばが好きだ」というもの。笑える解答には、この手のある言葉を使って文章を作るというものが多い。「あたかも・・・」が一番面白かったな。「あたかも知れないし、なかたかも知れない」どこの国の人だ?



そして夜、唐突に(唐突が多いな、今日は)TVで映画『グリーンマイル』を観た。新聞をとっていないし、TVも殆ど観ないので、番組構成が全然判らない。だからいつも、観る時は「唐突」で「偶然」なのだ。

この映画は1999年製作で日本での公開は2000年、スティーブン・キング原作、トム・ハンクス(トムも多いな、今日は)主演の話題作だった。

しかし2000年と言えば、既に仕事と多頭飼い、エサやり、捕獲、あちこちからのSOS、そしてサイト運営で超多忙な日々が始まっていた。映画など観に行くどころの話ではない。



スティーブン・キングと言えばホラー・・・というのは短絡的であろう。もちろんこの作品も怖い。3回の死刑執行の中に、仕組まれた邪悪な「処刑」とも呼べるシーンがあり、それは胸が悪くなるような残酷さである。しかし本当に怖いのはそんな事ではない。

無実の罪で死刑宣告された黒人ジョン・コーフィは、神がこの世に遣わした現代のイエス・キリストである・・・と解釈した。彼は幾つもの奇跡を行い、人々を救済し、そして無実の罪で処刑される。

聖人だとか天使だとかではない、これは2000年ほど前にベツレヘムに生まれ、人々の罪を背負って処刑されたイエス・キリストの現代版である。

但し、その愛と奇跡の生涯を伝える人間は、彼との心の交流をした元看守のポール(トム・ハンクス)だけだ。

ポールと同じく、ジョン・コーフィに奇跡の生命力を与えられたネズミのミスター・ジングルスの演技がとても可愛い。



長い映画だったが、少しも弛んだところがない。原作の良さが生きている。全てが伏線となり、やがて奔流となる。

トム・ハンクスの出る映画らしくヒューマニズムを訴えるものにも仕上がっているが、ある意味ではファンタジーでもあり、人間の心に巣食う悪こそが恐怖の対象となったホラーでもある。同じくS・キング原作の映画『黙秘』(原作は「ドロレス・クレイボーン」)と同じ位、成功した映画化ではないか。

人間は怖くも優しくもなれる。

ルス

隣の部屋が気になる

Nov. 22, 2003

こうちゃん、何ヶ月にも渡る寝不足で、大分疲労が溜まってきているようだ。白い顔が、ますます白くなって貧血を起こしているかのようだ。

バランス良くたくさん食べているし、基礎体力も人並みはずれてある人だが、毎日2〜3時間しか寝ていない。私にこれ以上無理をさせまいと、家で行われる全ての事のうち、かなりの部分を肩代わりしてくれている。

だからという訳ではないが、私より先に死なれては困る。こうちゃんもミュウちゃんもいないこの世に生きるのは、本当に苦しい。長生きして欲しい、私よりも。

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