カワムラさん 人畜無害 Nov.25,2003

2003年11月25日
昨夜はなかなか眠れなかった。テトはわざわざイオの後を付いて回っては、耳を伏せてう〜う〜唸る。ペリーは誰かが近づけばビビッてシャーシャー威嚇する。イオは誰彼構わずポカスカ殴る。カワムラは私の耳元に密着して寝ているのだが、蓄膿の加減が悪いのか「ンゲッ」「ンガッ」と苦しそうだ。マイペースだった（ように思えた）のはルスだけ。

朝になってこうちゃんが２階から下りて来ると、イオは昨日まで居た隣の部屋に戻りたいと訴えて、仕切りのガラス戸（トイレが並んでいる所だ）に引っ付いて泣き喚く。こうちゃんは優しいから、ナメられているのだろう。パニックを起こしているという程ではない。その証拠に、トイレもちゃんと出来た。初日だもの仕方ないよね。喧嘩に発展しそうな気配は全然ないし、いずれは馴れるさ。ここで私たちが挫けては駄目だ。うまくバランスがとれて来るまで、出来るだけ密接に世話をしていよう。

それより問題は２階だ。ミュウがいなくなってから、すっかりバランスが崩れてしまっている。巨大ジャムが、その凶暴な巨体を自覚せずに、無邪気に仔猫のように振舞う。つまり、誰彼と見境なく追いかけてはパンチし飛び掛る。小さなテトだったら怖くもないだろうが、ジャムは現在我が家で一番のデカ猫だ。しかも俊敏で我儘。みんなの脅威となっている。体重もアインやジーコの倍近くあるのだから、もっと性格的にもどっしりと落ち着いて欲しい。

一日中冷たい雨が降り続き、外はかなり寒かった。みーちゃんばお腹を濡らしながらご飯を食べていたし、ぶーちゃんは私を見ると茂みの中から出て来て鳴いた。辛いよなあ・・・こういう日は。衝動的に連れ帰りたくなる。しかしおいそれとは車になど乗らない。何時の日か、大きなキャリーを持参して「さあ、お家へ帰ろう！」と言って連れて帰りたい。常夏の国だったらこんなにも辛くはならないのに・・・。

朝、私の車の後ろをずっと黒いポルシェ（どのタイプなのかハッキリ言えないが、９１１だと思う）が付いて来た。あの車のフロントを見ていると、どうしても『ダメおやじ』の顔を思い出しす。昔・・・そう、２５年位前の事、あの車に一度だけ乗った。実家に帰っていた時に和服を着る機会があり、美容院で日本髪を結った。結い終わったので、当時のボーイフレンド（後の初代夫）に電話して迎えに来て貰ったのだが、その日に限ってバカタレめ、知り合いのオ●▲クラッチの専務から借りたというポルシェに乗って来た。

私は先ず髪だけ先に作ってしまい、それから家に戻って着物を着せて貰う段取りであった。従って、洋服を着て日本髪を結っているのだ。ヒジョーにカッコ悪いのでこっそり帰りたかったのに、信号待ちしていると昔の田舎町の事、あ、ポルシェだ、ポルシェだ！と衆目を集めてしまう。私は助手席で日本髪を結って洋服を着て小さくなっている。物凄く恥ずかしい。どうしてこうタイミングが悪いのか？「町で見かけた変な女」というアンケートがあれば、きっと誰かが私の事を言っただろう。思い出しても恥ずかしい。２度と日本髪なんか結わなかったけど。

家に戻ると、真っ先にペリー達の様子を訊いた。あまり変わりはないようだが、四六時中不安がっている訳でもないようだ。イオとリマは鼻を付き合わせる事もあれば、イオが威嚇する事もあるようだ。一度には全ては解決しないだろうが、基本的にどの子も穏やかに育ったので、あまり心配はしていない。きっと全員が仲良くなるよ、イオとペリーのように、カワムラとルス・リマのように、ルス･リマとテトのように・・・。

但しカワムラだけは、ペリーはどうにも怖いらしい。あんないい奴なのに。人畜無害とは彼の事だ。ちょっと息がくちゃいだけで・・・ちょっと鼻息の音が大きいだけで、ちょっとしつこく舐めるだけで、ちょっとヨダレが多いだけさ。