黒岩さん

我が家で初ショット
(食後のペロリ)

Feb. 13, 2004
004年2月13日 金曜日
パネル(オイル)ヒーターのお陰で、湯たんぽのユが冷め難い。それでも、薬缶に湯を沸かしてペットボトル何本分も入れて、マメに手を掛けるのが嬉しい。しかし暑くなってしまつたのか、アインは途中で出て来てしまった。冷たい床に居るのを見ると、心筋症の発作の時を思い出して心配になる。

アインが気になって夜中に何度も目覚めたので、睡眠が細切れだ。今日締め切りの仕事がなければ、本気で休みたいところだった。しかも今日は、黒岩さんを連れ帰る日でもある。休めない。その仕事は最終的には所長のチェックを受けるので、気の弱い私としてはとても緊張するのだ。細かい部分も妥協しない人だからな。

案の定、何度もチェックをして貰い、やっと送れる状態になったのが午後の4時だった。残業にならなくて良かった。黒岩さんを5時にはキャリーに入れてしまい、定時になったら早く連れて帰ってやりたい。そして勿論、アインの容態も心配だったから。一日おきに昏睡に近い状態で眠り続けるアイン。確実に弱っているとは思うのだが、一日一日を大切に見守ってやりたいし、アインに安心と幸せを感じさせてやりたい。仕事以外の時間は、アインを最優先に過ごしたい。

週末にも拘わらず、川崎駅までの道が空いていて、どんどん走れた。駅周辺は多少渋滞したものの、6時半には帰宅出来た。先ずは黒岩さんをキャリーから出してやりたい。道中、それはそれは鳴いた。顔に似合わず、高い可愛い声で鳴くのだ。やっぱりぶーちゃんと声も鳴き方もそっくりだ。体型も長毛のところも似ている。尤も黒岩さんは、シラミの卵を除去する為に、顔や身体の毛を短く切ってしまったのだが。

隔離しておける部屋がもうないので、1日だけの事だからと浴室を急遽、猫部屋にした。しーちゃんの時と同様だ。もっと長く滞在するのであれば、納戸にしている6畳間か3畳間を片付けるところだが、夏タイヤ4本はあるわ、大量の缶詰やドライフード、トイレ用の新聞紙や猫砂のストックで溢れている。簡単には片付かない量なのだ。それで浴室を寒くないように、シーツや毛布を敷き詰め、トイレを作り、食事を用意してから、キャリーから黒岩さんを出した。

黒岩さんは、少し戸惑っていたものの、環境の変化よりは兎に角人恋しくて甘える。浴室は音響効果バツグンで、彼が喉を鳴らす「ゴロゴロ」という音が盛大に響いた。ご飯を食べながらもゴロゴロ言っている。ちょっと食べては振り返り、「どこへも行っちゃ嫌だよ」と目で訴える。その目が、今までになくちゃんと開いているので驚いた。今まで目を開こうとしても、やっとナイフで切れ目を入れたかのように開き始めた赤ちゃん猫のように、いつでも新月の如く細い目をしていたのだが、黒い瞳を見せていた。

ご飯は、ナチュバラの缶詰(今や、うちの子たちは誰も食べない)を一気に完食。ぶーちゃんが初めてうちに来た時と同じだ。お皿を洗う必要もない位、綺麗に舐めきってしまう。しばらく食後の休憩をとって戴く間は、アインのころに戻る。階段の上り下りはいつも足が痛くて辛いのだが、アドレナリン放出中らしく、あまり痛みを感じない。こんなもんだよなあ・・・と、自分の身体のゲンキンな事に苦笑する。

アインは昨日は治まっていた下痢と嘔吐が、今日はまた再開した。一日おきに下痢と嘔吐がある。昼間は、こうちゃんが何時アインが目覚めてどう反応したか、何時にトイレに行きどんな内容であったか、何時にどれだけ水を飲ませたか、何回強制的にどれ位の分量のどういう内容の給餌をしたか、何回どんな投薬をしたのかを克明に記録してくれている。それは今後の参考にという事なんかじゃない。仕事に行っている間は付いていてやれない私の為に、一日をアインと共に過ごしたかのように取り戻させてくれているのだ。

泣きたいような気持ちにもなるが、泣いていても仕方ないし、明るい穏やかな態度で接してあげなくては・・・という思いで振り払う。涙というものはは殆ど不随意に出るのだろうが、状況が緊迫している場合・やるべき事がある場合に泣いているようじゃ、母親としては情けない。

ミュウの事を思い出さないようにしているのも、今はまだ一時的にでも現場から降りる訳にはいかないからだ。ミュウがいない残りの人生なんか本当はどうなっても構わない位に、私はミュウを求め続けている。だけど他の子たちやこうちゃんに対する責任からも逃げてはいけない。他の子やこうちゃんの事も確かに愛しているのだから。

今は、年老いて弱っているアインを最優先にする。他の子たちはまだ若い。あまり一緒に居てあげられなくとも辛抱して貰おう。順番だよ、みんな。ミュウやアインが辛抱してみんなを受け入れてくれたから、今のみんながあるんだからね。足にまとわりついて鳴くリマやカワムラ、ペリーやイオに「また後でね・・・」と謝りながら、身体が一つしかない事、一日が24時間しかなくてしかも仕事に出掛けなければ生活して行けない事を恨めしく思う。

以前は、生活に困らないほど金があっても、きっと自分の存在感の確立の為にも仕事は辞めないだろうと思っていたが、今は喜んで無職を選ぶだろう。兎に角家に居たい。どこへも行きたくない。そんな私の我儘を察して下さり、黒岩さんを引き取って下さる方は、病院へは何時に引き取りに行くか言わず、川口さんはアインちゃんに付いていてあげて下さい・・・と言って下さった。そんな礼儀知らずな事はしたくないのだが、お言葉に甘えさせて戴く事にする。彼女はアメ太の時にもご家族で病院までお迎えに来て下さったのだ。そう・・・お察しの通り、アメ汰や敦也の里親さんが黒岩ジジイも貰って下さるのだ。

ぴょんちゃんが募集をしていた、とても綺麗な姉妹「日向&春日」ちゃんの里親さんから、アインを心配してメールを戴いた。ご自身の経験をお話しして下さった。そして日吉にお住まいのシミズさんという方からも、「アニマルコミュニケーター」に関しての詳しい情報をメールで戴いていた。お二人が共通して心配して下さったのは、アインが何を訴えようとしていたのか・・・という事だ。私もそれが一番気がかりだった。歳をとって病気になり、身体が弱っていくのは仕方ない流れかも知れない。しかし命賭けで伝えたい気持ちがあるような気がしていた。

でも解かっているのだ。それは「もっと構って」とか「もっと一緒に居て」あるいは「アタシだけ見ていて」という事なのだろうと。だから「傍にに居るよ」「アインちゃんだけ見ているよ」と言葉を掛ける。手の平で身体や頭に触る。見続けている。不休不眠でいられるアンドロイドになりたい。

アインが眠っているので、明日黒岩さんを連れて行く時にマツモト先生にお渡しする、バレンタインのチョコレートを買いに出て、ついでにミヨコにアライさんと二人で裂いた新聞紙を届け、美味いものを貰って(毎週貰ってばかりだ)急いで帰った。マツモト先生に、ボランティア料金でお世話になった人たちからは、先日ここで呼びかけた通り、宅配便で我が家にチョコレートが届いている。「わだし馬鹿よね」さん「よっぴネネ」さん、確かに明日お届けしておきます。

黒岩さんの身体を蒸しタオルで念入りに拭き、再度インターフェロンを飲ませておく。投薬もブラッシングも目やに取りも、何でも嫌がらずに(本当は嫌なのだろうが)させてくれるいい子だ。巨体と大顔面にも拘わらず、態度は訓練された犬のように従順だ。こんな子が捨てられたなんて。でも、もう安心だよ、家猫に戻れるよ。

アイン

Feb. 13, 2004

昨夜、帰宅した時、近所のおじさんに声を掛けられた。「カワグチさんは、ご親戚か何か富士重工にいらっしゃるんですか?」と。どういう意味か、最初は解らなかった。無論、うちの車がスバル車であるから・・・という事までは解ったのだが・・・。「いやぁ、どうしてスバルの車を買ったのかと思いましてね・・・」という事場に続いて、オジサンの家の娘が日産に勤めていてコ゜ーン社長とも直接話をした事があるという事と、日産の車がどれだけ優秀かという事をたっぷり聞かせて戴いた。

オジサンは、ベンツとマーチに乗っている。そのマーチは初代のマーチなのだが、ひとつも故障せずとても速く走れるのだそうだ。確かに小柄なマーチは、日吉のような狭いところでの町乗り用にはとても便利だろうと思う。1000ccで50馬力だそうだ。そうか・・・きっと燃費も良いのだろうな。八百忠におつかいに行く時は、あればマーチに乗って行くだろうな、私も、うん。

オジサンの家のベンツも「230キロは軽く出ますよ」と仰っていた。そうですか。それはよろしゅうございますな。外車はリミッターが無いのだとイノウさんに聞いて、今更知った。何ともずるい話だと思うが、まあその事は良いや。しかしインプレッサを貶されマーチを自慢されると、こういう車種同士で比較するのはおかしいんじゃないのか?とちょっと腑に落ちない気分だよな。

そりゃあイノウさんのSTiより30馬力劣るよ、ツクイさんの改造GTRよりは130馬力も落ちるさ。でもマーチよりは200馬力も高出力なんだよ。インプレッサなんて、マーチとはターゲットとする客層も価格も目的も性能も全然違うオタク車なんだからさ・・・とりあえず比較しないで欲しいな。(誤解しないで戴きたいのだが、これは決してマーチを貶しているのではないので、マーチのオーナーさんは怒らないで欲しい。マーチは良い車です。)

前日の「猫雑記」へ 翌日の「猫雑記」へ


月別INDEXへ戻る

「猫雑記」INDEXへ戻る

inserted by FC2 system