しーちゃん

(Mar. 2, 7:43pm 撮影)

2004年3月10日 水曜日

しーちゃんが昨日の朝、天国に旅立った。随分前から容態が悪い事は聞いていたので覚悟はしていたけれど、今朝訃報を戴いてからずっと、言葉では言い表せない思いが振り払えない。

2度目の入院をした時には、治療の甲斐なく尿素窒素の数値が下がらなかったので、獣医さんにももはや手の施しようがなかったはずだ。小野さんは退院させて、手元で看取る決意をして下さった。それがどれだけ辛い覚悟か、看取った者でなければ解らない。

しーちゃんは最期まで気丈に動き回っていたと言う。その姿が目に浮かんで切ない。ラボの庭にいた時も家猫になれてからも、落ち着きのない位にチョコマカと走り回っていたしーちゃん。小野さんのお宅でもいつもいつも小走りしていたものだから、無駄な動きが多いので太れないのだと小野さんは笑っていた。

お父さんの膝を独占して眠る写真もここで掲載したが、先住猫ちゃんたちともトラブルなく、広いお家の一番良い場所でのびのび気儘に幸せに過ごせた数ヶ月だった。しーちゃんの腎臓がかなり悪いと解った時から、たとえ翌日に死んでも私には悔いがないと申し上げていた。その気持ちは嘘ではない。

もちろん長生きして欲しいに決まっている。しかし充分に手を尽くして戴き、何よりも素晴らしく幸せにして戴いていたのだ。大切なのは生きた長さではない。しかし無念だっただろうと思ってしまう。あんなに可愛がられて愛されていたからこそ、もっとお父さんお母さんと一緒に居たかったはずだ。

私がもっと早くに保護して治療していたら、しーちゃんは死なずに済んだのかも知れない。まだ2歳にもならないはずなのに、どうして腎不全なんかになったのだろう?研究室で泣いている訳にもいかないから、トイレと車の中でしーちゃんを思って少しだけ泣いた。帰りの車の中でも、渋滞した市電通りで長く信号待ちしていると突然涙が出た。そして帰ってから後はもう何の抑えも利かなくなった。

エントランスに出てラボの庭を眺めていると、今にもしーちゃんが鳴きながら駆けて来るような気がした。しーちゃんはミュウの誕生日に逝ってしまった。忘れないよ、しーちゃん。小野さん、しーちゃんを幸せにしてくれて本当に有り難うございました。

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