イオ

神妙な顔だが・・・

May. 15, 2004

2004年5月15日 土曜日

昨夜は、診療時間が終わるギリギリに病院に入って、キンタロウと面会させて貰って来た。キンタロウの右耳の穴は、入り口付近だけはあるけれど、内部の耳道は全て無くしてしまっていた。人間で言う「こめかみ」のあたりに、長い縫い傷があった。内部の滲出液や膿を出す為のドレーンが差し入れてあった。キンタロウは、よろけながらもケージ越しにスリスリして甘えた。痛々しくて見ているのが辛い。

「先生、有り難うございました」と感謝の気持ちを伝える。先生も、難しい部位だけにあまり外科的な施術はしたくなかったんですけどね・・・と言っていた。しかし2ヶ月の内科的治療では結局改善される事なく、どんどん内部で腐って行ってしまうと、やがては大変な事になるのだろうという事は素人の私にも理解出来た。先生はちょっと疲れた顔をしていた。「また明日来るからね」とキンタロウに約束して帰って来た。

そして約束通り、今日も夜の8時に近づいてから行って来た。先生はまだ患畜を診ていらしたので、助手のクボさんとお話をした。キンちゃんは食欲もあるし、大丈夫です、きっと元気になりますよ・・・と笑顔で言って貰う。しかも、先日の手術前に血液検査したら、エイズは陰性と出たと言うのだ。エイズが陰転する事はまず有り得ないと聞いている。いずれ再度検査して貰うが、保護された時の検査が不確実だったのか?

ま、どっちでもいいんだけどね。エイズキャリアであるなどという事は、たいした問題ではないのだから。本当は隔離の必要すらないという事実を経験者は知っているし、たとえうつるとしても、何度もしつこく言うようだがエイズウィルスの感染なんかより腎不全や糖尿病、心臓や肺の病気の方が遥かに怖いのだ。猫エイズ如きで恐れていてはいけない。

最近、キンタロウの事を思うと、ついつい胸が一杯になる。あの子には、接する者の心をとろけさせるようないじらしさがある。こんな目に遭ったというのに誰のことも警戒せず、ひたすら愛情を求めている。元気になって、早くおうちに迎えられて欲しい。明日も行って来よう。考えているだけでは、不憫に思っているだけでは、私の気が済まないのさ。たとえ無駄でも動く・・・そうする事でしか、自分の気持ちを納得させられないのだから。

病院を出て、あまりにお腹が空いていた事に気づいた。そう言えば、朝は角煮&煮卵ラーメンを食べたものの、昼はパンだけだったのだ。米好きの私としては珍しいのだが、最近はマーマレードが食べたいが為にパンも食べているのだ。手作りマーマレードは美味しい。胃がスッキリしない時に食べると、夏みかんの皮の香りと苦味で、ゲップでもしようものならすっかり爽やかに回復している。

去年は伽羅蕗同様マーマレードも作れなかったが、今年は是非作りたいと思って無農薬の甘夏ミカンを入手しておいた。しかし今回は少し煮詰め過ぎてしまったので、次回はもう少し丁寧に作ろう。

そして空腹だった時点に話は戻る。帰宅してから米を研いでいては、もう餓死してしまいそうだ。「何か食べに行こうか?」という事になったが、ろくな店は近くにない。動物病院の向かいの店でも良かったのだが、夜は酒を飲まないと居心地が良くない雰囲気であるのが難点だ。酒を飲む気分では全くない。ならば、安くてそこそこ食べられる味であるという理由で「サイゼリア」に行った。近いしね。

駐車場に気合いの入った車が一杯停まっていると思ったら、店に入って見るといかにも「暴走族」という男の子たちが大勢いた。鉢巻きした特攻服の子もいる。かなり体格の良いジャージ姿の子も数人いる。しかし騒々しくはない。幼児連れのお母さんたちが多い時に比べると、遥かに店内が静かだ。子供たちの奇声が張り上げられる中で食べていると、偏頭痛持ちの私は頭がガンガンしてくる。暴走族が食べている様子も、一生懸命で微笑ましかった。食べると直ぐに帰って行ったところも好感が持てた。

季節限定だという「キングサーモンのクリームスパゲッティ」というのを食べてみたが、クリームソースが粉っぽい匂いがしてあまり美味しくない。ミックスピザとアスパラサラダはとても美味しい。イタリアンハンバーグは、肉の臭いがちょっと気になった。ま、値段を考えたら、いずれの料理もOKだろう。

隣のテーブルに親子4人(中学生くらいの娘2人に両親)連れが来たのだが、母親がずっと娘に小言を言っていた。「あなたも**なんだから、ちゃんと将来の事を考えたらどうたらこうたら」と甲高い声で繰り返し言っている。中学生で将来の事を考えろと言われるのも辛いだろうな・・・と同情したが、娘は真剣に聞いているのかいないのか、皿からこぼしたご飯粒をせっせとフォークで拾い上げて食べていた。将来を考えて、どうしろと言っていたのだろう?私はあの年代で、一体何を考えていただろう?目先の事しか考えられなかったよな・・・。

私達が黙々と食べていると、別の席から小学校高学年か中学生くらいの女の子が二人、キャーキャー大騒ぎしながらもつれあうようにして駆けて来て、トイレに一番近い我々のテーブルサイドのパーティーションにぶつかって揺らした。「うるさいぞ」「静かにしなさい」とこうちゃんと私が同時に言う。いまどき厳しい大人だと思っただろうが、余所の大人にも叱られる経験がないと、ろくな大人には成長しないのだ。

その時は「すみません」と素直に謝っていたが、トイレから出て来た時には振り返って睨んでいた。睨まれたって怖くもないし、また騒いでいるのがいれば注意するけどね。

1階の2部屋は、置きエサせずに時間を決めて何度か与えている。それでもどうしても朝晩の2回と決められないのは、遊んでいて食べない子や、ペリーのように食べる事にあまり執着しない子がいるからだ。イオは一度に少ししか食べないで行ってしまうくせに、残した皿を戸棚に隠してしまうと、後から「おなか空いた〜!」と大声で催促する。他の誰も鳴いて催促する子はいないのに、イオはここぞとばかりに大声を聞かせてくれる。可愛い声で鳴くので、これが聞けるのは楽しみだ。再度ご飯を出してあげる前に、テーブルの上で鳴くイオの背中をポンポンしてやると、ピョンと飛び上がって方向転換するのも面白い。

カワムラさんも、今のところ食欲があるのが嬉しい。去年と比べると痩せて軽くなってしまったが、食べる意欲は生命力だと解釈したい。相変わらず丑三つ時になると苦しそうだが、昼間は機嫌良く眠っている。私の姿を見れば、よっこらしょ・・・と起き上がる。「来なくてもいいよ、私が行くから」と声をかける。カワムラさん、大好きだよ。

それにしても、ペリーは家中で一番「育ちが良い」猫だ。誰かが食べるのを邪魔もしなければ、皿を頭数分並べて給餌を始めても飛んで来るような事もない。うちで生まれ育った弱虫ジーコが結構食べる事に卑しいのと比べると、まるで生っ粋のプリンスのようなペリー。あ、そうか。私が育てたからジーコは卑しいのか。

カワムラさん

ちょっとご機嫌

May. 15, 2004

レンのウンチがまた緩くなり、回虫発見。どうなっているのだ。まだ落ちていなかったのか。明日の朝、お腹が空いたところで、フードに混ぜてぶーちゃん部屋の全員に投薬予定。やれやれ。

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