モア

気弱で喧嘩好き

May. 21, 2004

2004年5月21日 金曜日

薫ちゃんの事を書きたいと思う。ずっと時期を待っていた。今日それを書くのが相応しいかどうかは解からないのだが、私にとって薫ちゃんはとても大切な人なので、どこかで彼女の名誉を回復しておかない事には気持ちが治まらない。

しかし自分の気持ちを治める為に、誰かを傷つける事も本位ではない。誰かに誤解や見当違いな批判をされたとしても、自分の為だけであればそれはやり過ごせる事だろうと思っている。私がこれまでに怒りを顕にして来た事は、殆どが自分の為ではない。誰かに降りかかった火の粉を払う為だ。いや、そんな事はない、自分は批判された・・・と思っている人がいたら、まだまだ甘いね。あんな程度で私の怒りは表す事は出来ない。2割も本音を出してはいないのだから。

しかし最近、色んな事がクリアになって来ている。いや、意識して身辺を整理しているところなのだが。そろそろ良いだろう。薫ちゃん、勝手な事をしてごめん。だけどね、何か間違っていると思うのよ、貴女の名前が表に出せないでいるのは。私をほんの少しでも煩わせたくないが為に一生日陰の身で良いと思っているのは知っているけど、きちんと私の傍にいる事を私は言っておきたいのよ。それで離れて行く人は、もとより私と縁の無い人だと思うから。そうなると結果的には踏み絵に使ってしまうけど、どうか許して欲しい。

薫ちゃんは、そもそもはSOS・きららちゃんの保護主だった。きららちゃんは山手の明美さんの家の子となり、幸せに暮らしている。余談だが、明美さんは私の世話を焼いたSOSからきららちゃんを含めて3匹、オフラインだが私の仲介で1匹里子にしてくれている人だ。大人のバランスのとれた女性なので、私が何も煩わされる事などない人の一人だ。

きららちゃんは幸運を掴んだ。しかし、薫ちゃんが面倒を見ていた野良猫たちが虐待されたり殺されたりして、ある時期薫ちゃんは動けなくなってしまっていた。その時期に薫ちゃんは、虐待を免れた別の猫に関しての里親募集をしていて、里親さんが内定していたのだが。

理由は多岐に渡り、ここで説明しきれる事ではないし、私も全てを掌握している訳ではないのだが、あの時期薫ちゃんは悩んでいた。私に対しても、内定していた里親さん候補に対しても連絡がとれなくなる程に。どういう理由があろうと、それはしてはいけない事だったかも知れない。里親候補の方に対しても失礼になる。しかし、その理由をひとつずつ考えるにつけ、一人の個人が抱えるには余りに重たく辛い出来事が重なった事は事実だ。

そしてその非礼を取り返しのつかない過ちとして、一生表舞台には出て来ない覚悟をしたのは、当の薫ちゃんだったのだ。彼女は弁解も一切しないし、信頼を取り戻せるとは期待していない。私に対してだけ、何故そんな事になってしまったのかをずっと後で説明してくれたのも、自分の為ではなくて私への思いやりであったと解釈している。私が納得出来る為の。

目に見える結果としては、里子に行くはずだった猫は彼女の手元に留まった。里親さん候補とは、私との間で紳士協定を結んでいたはずだ。娘ほどに歳の違う、若い薫ちゃんの身に何かが起きているようだから、私達は大人としてそれを見守ってやりたい、連絡がとれないという失礼を許してやって欲しい、私もそうする・・・と。里親さん候補だった方は良識ある大人の女性だから、その約束を守って下さったと信じている。怒りに任せて薫ちゃんを非難する事などは、間違ってもなかっただろうと信じる。

しかし、里親内定当時から彼女に対する匿名のデタラメな中傷が存在した事も知っていた。薫ちゃんはその後も、コツコツとエサやりと避妊を続けている。時折、動物病院で彼女とバッタリ出会った。そんな時には「今日は避妊した子のお迎えなんです」とはにかんだ笑顔を見せていた。

実は、SOSの幸太里親募集の敦也も、薫ちゃんが頼まれて保護し、私が募集した猫だ。他にもまだ数匹いるのだが、それを紹介したいのではなくて、つまりは薫ちゃんがその後もずっと水面下では努力を続けていたという事を言いたかったのだ。

私がカワムラさんを保護した直後にも、薫ちゃんは暖かいボア付きの特大猫ベッドを玄関に届けてくれた。プレゼントが嬉しいと言うよりも、いつもちゃんと私の動向を見ていてくれるんだな・・・と感じて嬉しかった。

ある時から、ミヨコのお山のエサやりも手伝ってくれるようになった。ミヨコが一番信頼している相棒となってくれている。捕獲と避妊の相談にも私の手を煩わす事なく、自分が行動して説得し役割を果たしてくれている。

どれだけの事をしているかで評価しているのでもない。私は彼女の人にぶら下がらない人間性が好きだし、色々と困難を抱えた状態でも明るく強く逞しく生きている様子と、猫が好きで好きで仕方ないから猫の為に頑張るというところが一番好きなのだ。

彼女は今後も表には出て来ないだろう。本当は人を影響する事の出来る力を持つリーダーに成長してくれているので、出て来て私の右腕となって欲しい。でも、頑固な薫ちゃんはきっと表舞台には出て来ないのだと思う。そっとしておいてやるのが親切なのかも知れない、今更波風立てる事は薫ちゃんが望まないとも思うけれど、私は何時の日か必ず彼女の名誉を回復したいと願い続けて来たので、どこかの時点ではそれを決行するつもりでいた。

私がこんな事を書いた位で、どれほどの影響があるとも思えないが、少なくとも私が薫ちゃんをとても信頼して付き合い続けている事を宣言しておきたかった。付き合いと言っても、忙しい者同士、マメに連絡をとる訳ではないが、いちいち連絡をとらずとも安心していられる同志なのだと思っている。出会うべくして出会った、そして月日の中できちんとその言葉だけではなくて行動と生き方によって信頼を築けた相手なのだと思うと嬉しい。

タム いつも同じ顔
May. 21, 2004

モアは気が弱いくせに喧嘩が強い。テトなんか勿論だが、一番大きなペリーですらモアに詰め寄られると腹を見せて「降参」してしまう。イオも強いサビ猫だが、モアには負ける。勝ち負けと言っても、うちは極めて仲良したちなので、すれ違いざまに一発パンチが出るという程度のお遊びなのだが。毛束も飛ばず、噛みつきもなし。平和なものだ。

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