備前焼の水飲み(大)
備前焼の水飲み(中)

2004年7月4日 日曜日

先日注文しておいた備前焼の鉢が届いた。早速、各部屋で使い始める。カワムラ部屋には「大」(直径21センチ)、ぶーちゃん部屋と2階は「中」(直径17センチ)、そして3つのケージにも一応置くので「小」(直径12.5センチ)。サイズとしては其々の用途にピッタリだった。水を張って見ると、底に柄が綺麗に出ている。

素焼きの陶器というと、もっとキメが荒くて軽いものを想像しがちだが、備前焼は違う。備前の土は鉄分が多いという。そのせいなのかどうか解からないけれど、爪先で弾くと金属に近い硬い冷たい音がする。素焼きらしくざらっとしているくせに引き締まって重く、独特な質感のある焼き物だ。戦時中、金属の供出で彫刻家は材料に不足し、備前焼で作品を作ったとも聞く。ブロンズの硬さに少しでも近いものを作ろうとしたのだろうか。

一昨日も書いた通り、備前焼には活性炭と同じような働きがあり、遠赤外線も出しているという。だから酒の味がまろやかになるとか、水が腐りにくくなるので花を活けると花が長持ちするとか、水が美味しくなると良く言われる。敏感な猫たちには、きっとその違いが解かるだろう。

若い頃は、陶器よりは陶磁器が好きだった。白地に藍であっさりと描いた、薄手の染め付けの器ばかりを集めた。備前焼は知っていたけれど、どこが良いのかさっぱり解からなかった。だから戴いた備前焼の花器を、そのまま誰かにあげてしまった事があった。若気の至りとは言え、ごめんなさい。誰に戴いたのかも忘れちゃったけど。

今、この古い家で必要なものだけで暮らそうとし始めている訳だが、その生活空間に今回の備前はとてもマッチするような気がする。薄暗い古い家に、備前焼の「侘び」が似合う。歳をとったせいなのか、色味の少ない沈んだトーンが目にも心にも楽だ。

猫たちは、一通り新しい器で水を飲んでくれた。しかしルスとリマは底に見える柄が気になるらしく、それを取ろうとして水をかき回している。テーブルの上は水浸しだ。ま、水遊びに飽きるまではいいか。それとも『水際のナルキッソス』の真似事か。

ジャム

侘び?あたしはサビ

Jul.  4, 2004

1匹まだ里親さんが決まっていなかった病院の美人3姉妹仔猫の「ベベ」にも、今日無事に素敵な両親が出来た。新しいお母さんは、3月に腎不全で亡くなった猫ちゃんの闘病中から、ずっとこのサイトを見ていてくれたそうだ。昨日のライオン君改めライ君に続いて、大田区へのご縁となった。交通量の多い幹線道路に囲まれ、家混みで虐待事件も多発していて野良猫には厳しいエリアだが、人口が多くて受け皿もたくさんあるという事なのだろう。頑張れ、大田区の野良猫とボランティアさんたち。

それにしても、あの仔猫たちを産ませて殺そうとした横浜港北区のお百姓は、今何をしているのだろう?ビール飲んで野球中継でも見ているのか、家族で近くのファミレスか回転寿司にでも繰り出しているか・・・。

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