ハナちゃん

リリース直前

Jul. 20, 2004

2004年7月20日 火曜日

数日前までは、蜩(ヒグラシ)が夜明けを告げていた。しかし昨日の朝からは、ミンミン蝉にその役が代わった。どことなく涼しげな蜩と違って、ミンミンやられると暑苦しい。そう、朝から暑かった。灼熱地獄の一日の始まりだった。寝ていないので昨日から続いているのだが、兎に角一旦暗くなって明るくなると、新しい一日が始まるという気持ちにはなる。

午前5時45分、比較的ひんやりとしたタイルの風呂場にケージを置いてお休みいただいていたハナちゃんを、ケージごと車に積んだ。興奮してご飯も食べないよりは、イチかバチか、リリースしよう。どうせ家猫にはしてやれないのだ。ミヨコと朝一番で相談した上で、秘密の餌場にリリースする事にした。

午前6時、餌場に到着。リリースする予定の場所を確認する。そして6時半にミヨコがいつもの餌場に現れるまでの間、ミヨコのお山の子たちと戯れていた。私の一番のお気に入りは、小柄な黒トラの「チョビ」だ。以前よりも、かなり人懐こくなっている。「チョビ」と呼ぶと、鳴いて答える。そしてしゃがみこんだ私の足の周りを、スリスリしながら回る。頭も背中も撫でさせる。写真よりも、小柄で目が大きく、かなり可愛い。連れ帰りたくなる。いや、何を言っているんだ。もう飼えないから、ハナちゃんだって泣く泣くリリースするというのに。

午前6時半、大量のエサを持ってミヨコが登場。1時間かけてエサやりしてから、そのまま出勤するのだ。その頃には、もうかなり暑くなっていた。広場でじっくりエサやりした後、秘密の場所へと移動。そこでハナちゃんを放す。ハナちゃんは、扉を開けても脱兎の如くすっ飛んでは行かなかった。草むらをウロウロし、そこがどういう場所なのかをしっかり確認しているようだった。ちゃんとご飯を食べに来るんだぞ。私も来るから。何度同じ事を繰り返しても、いつもリリースは辛い。

7時半。駅でミヨコと別れる。汗だくになったし、随分蚊に刺された。車に常備してあるキンカンを塗り塗り家に帰る。先ずは眠りたいが、色々と用事があってそうもいかないし、何よりも神経が立ってしまっていて眠れそうもない。

午後2時。こうちゃんと交替で2時間ずつ寝るが、エアコンをつけていても暑くて暑くてどうしようもない。後で聞くと、観測史上最高の暑さだったという。都内で39度を超えたらしい。ここは横浜だが、海の近くではない。多摩丘陵の続きとも言える。つまり東京多摩地区と同じ気候だと思う。ちょっと違うか。

ミヨコの餌場にて

朝食の光景
食後ののどかな風景
可愛いチョビ

ベロ出して鳴く
猫使いミヨコ

世の中には、ずるい人達というのが存在する。自分ではリスクを負わず、金も出さず、気の良い誰かに押し付けて平気な人達だ。滝沢さんには、そういうずるいオバサンたちに利用されるなと口うるさく忠告しているけれど、なんと言う事はない、私がさんざんずるい弱いフリをした連中に利用され尽くして来たからこそ、同じ轍を踏ませたくないのだ。

しかも滝沢さんはまだとても若い。経済的にも余裕など程遠い。しかしやるべき事は解かっている。したたかで老獪なオバサンたちは、のらりくらりと彼女に保護と支払いを押し付けようとする。とんでもない事だ。40代50代のオバサンは、20代半ばの彼女を支援する側にこそなれ、タカっていてどうするんだ。実名で告発するぞ、神社のオバサン。いい家に住んで、買い物に行く金と時間はあっても、自分の保護猫を病院に連れて行けないなんて事はあるまい。最初から彼女を利用する腹でいるのが見え見えだよ。

そう言う私は、里親募集の依頼を受けた交通事故猫の親兄弟たちがいる事を知り、墨田区の置き去り猫たちの捕獲・避妊をプロデュースする事にしてしまった。誰かに頼まれた訳じゃない。ちょっと心に引っ掛かるものがあって、勝手に申し出たのだ。

飼い主は夜逃げし、飼い猫たちは避妊もされないで置き去り、エサも充分になく、全員がガリガリで衰弱死する猫もいるというのに、だからこそ繁殖の本能を発揮している。近所では、ほとんど無視しているらしいが、それはあんまりだと思った。墨田区在住のわだし馬鹿ぶー子が部隊長となり、搬送のボランティアを何人か求め、避妊の資金は《猫の手倶楽部》で呼びかける。あまり考えると飲み込めなくなりそうだから、さっさとやってしまおう。

ぶー子ちゃん、私が実働部隊に加われなくてごめんね。捕獲器での一晩の預かりは、うちでするよ。

午後10時、私がとりあえず寝る。1時半で交替。そこからは私の夜勤(お仕事は強制給餌)が始まる。起きているついでだから、更新も頑張る。糠味噌をかき混ぜようとしたら、噛まれた傷にしみた。

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