在りし日のミュウ

ガスレンジの上

Aug. 21, 2004

2004年8月21日 土曜日

昨夜から幾分涼しくなった。とは言え、我が家の2階だけは充分に暑い。エアコンを止められない。思うに、隣のアパートの金属屋根の照り返しの熱が、うちの洗面所の窓からガンガン入ってくるのも原因の一つだろう。隣のアパートの屋根は、窓の下50センチ位のところに見える。トイレと洗面の窓だけなのだが、そこから熱気が凄い圧力で入ってきているのだ。水撒きカワグチとしてはここにも水を撒きたいのだけれど、矢鱈な事は出来ない。少しでも温度を下げようとして、自分の家の屋根には遠慮する必要がないので、ホースのノズルをジェット水流にして水を掛けているのだが、とても楽しい。

水が怖いのに、どうして水撒きだけは好きなのだろう。海も川もプールも怖い。何度も書いたと思うが、怖い夢はほぼ水が絡んでいる。風呂だってシャワーだって好きではない。仕方ないからシャワーは浴びるけど、どちらかと言えば嫌いなものに分類されるだろうな。兎に角、水撒き大好き。蚊に刺されるのが玉に瑕だけど。不謹慎だと叱られるかも知れないが、男に生まれて消防士になりかたった。いや、本当に。

私も筋金入りの年季の入った便秘なのだが、巷では猫の便秘についての悩みも多い。獣医によっては浣腸して出すところもあるようだし、はたまた麻酔をかけて掻き出すなどというところもあると知って大変驚いた。むろん既に大きく固まった便を出さなければ命取りになる場合には、麻酔のリスクを覚悟で処置しなければならない場合もあるだろう事は確かだ。

しかし飼い主として日頃の便秘予防は全く出来ず、便秘したら麻酔して掻き出すしかないと言う獣医がいると聞いて、それが本当ならばとんでもない医者だと言わざるを得ない。その獣医はそこまでの処置が必要な糞詰まりであったにも拘わらず、触診だけでなくレントゲンまで撮って確認したと言う。それは飼い主からの情報不足も原因だろうと思うが、掻き出さなければ出ない程に固い便が大量に溜まっているならば、念入りに触診してみれば解かるはずだ。

そして暴れる子でもないのに簡単に「麻酔」と言う獣医・・・やむを得ない手術や施術の場合を除けば、麻酔の危険に晒さない事が望ましいという事を普通は誰だって考えると思っていたが、そうでもないらしい。

しかし今回の獣医の一番の問題は、飼い主が予防してやれる手立てが無いと言った事だろう。予防策が一つもないなんて、そんな事があるはずがないじゃないか。実際に色んな便秘対策例を知っているし、我が家でも実践しているのだから。先ずは考えられる事を片端からやってみてからでなければ、体質だからと諦めるべきではない。

猫の場合で言えば、水分が全くないドライフードをやめてみるとか、フードにオイルや無塩バターを混ぜ込む、酵素や酵母を混ぜる、お腹のマッサージ(これは獣医でも念入りにしてくれるところが多い)や肛門への刺激を試みる、毛玉を流す為のジェル(これはいわば緩下剤とも言える)を定期的に与える・・・という具合に対策は色々とあるはずだ。飼い主がきちんと観察していて便が出難いようであれば、日々のケアとしてやってやれる事は幾らでも考え得る。それを試してからでなければ、簡単に諦めて良いはずがない。

巨大結腸かも知れないと言われて預かり、直ぐにその猫を「キャスター」君と名付けて我が子にして下さったなぎささんは、手元に置いた日から誠に順調に排便させている。何事も大袈裟に言わない人だけに「全く問題ありませんよ」と言っていたが、きっとその裏にはちゃんと飼い主としての様々な工夫と努力があるのだと思う。

うちの場合は、とりあえず牛乳を飲ませる事もあったし、オイル(フラックスシードオイル)をフードに混ぜていた。ジーコがかつて便秘が酷かったのだ。切れ痔になる位、激しく気張らないと便が出なかった。排便する時にじっと張り付いて見ていると、肛門がめくれ上がるほどに苦労していた。見ている方が辛かった。それでジーコには毎日少しずつ牛乳を与えてみた。ご存知の通り牛乳を与えると下痢をする猫が多いのだが、ジーコは小皿に1杯程度の牛乳であれば下痢をする迄には至らず、丁度よい硬さの便をする。

下剤や浣腸に頼っていては、自ら腸を動かす力がなくなってしまうと言う。それは人間の場合も同様だ。私の頑固な便秘の原因は解かっている。忙しいと食事の内容が繊維不足になる。水分不足とストレスも大きい。トイレに行こうとすると、大抵こうちゃんが入っている。だから時間にゆとりのある生活をし、気持ちをリラックスさせられる時間を増やし、繊維質(私の場合は、青菜が一番だ)を大量に食べ、しっかり水分を摂れると便秘は簡単に解消する。しかしこれがなかなか出来ない。猫の健康管理は常に最重要課題だが、つい自分の事は面倒臭くて後回しになる。しかもストレスや忙しい日々からは、なかなか開放されない。

私の父方の叔母は、大腸ガンで60歳で亡くなった。聞けば便秘が酷かったと言う。私も貯め込む事を潔しとせず、ちゃんと出す努力をしなくてはいけないと改めて思う。大酒を飲むというのも下痢に繋がる一つの手段かも知れないが、残念ながら今はそんなに飲めない。

ペリー

こけし

Aug. 21, 2004

手術後、退院した暢子さんと何度か電話で話をしている。お互いの体調の事、そして猫たちのケアのあれこれ。暢子さんの最初の猫であるジャス君は、8月2日で念願の10歳を迎えた。ジャス君が一人っ子で愛情を独占出来た月日は短く、次々と増えた妹や弟たち。ジャス君を見ていると、どうしたってミュウとダブる。新たに増えた猫たちを寛大に迎え入れて面倒を見てくれた長男は、良い子であったが為にストレスもあっただろう。

全員がそれぞれに特別で、同じように大切で愛しい。しかし最初の子に対する気持ちは、やはりちょっと違うものがあるのだ。言葉にすると虚しいが、子供でもあり伴侶でもあり戦友でもある・・・という感じだろうか。ミュウは先に逝ってしまったが、私が行くのを待っていてくれると思う。必ず行けるのだから、心配はしていない。

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